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「闇」を演じる難しさ。『曇天に笑う』桐山漣インタビュー

3月21日公開の映画『曇天に笑う』で、福士蒼汰演じる曇天火(くもうてんか)に助けられ、曇家の居候となる金城白子(きんじょうしらす)役を演じる桐山漣。両親のいない曇三兄弟の母親代わりともなる、やさしげで、でもどこか謎めいた白子役を演じた彼は、イメージ通りの柔らかさを持った人だった。

難しい役柄を、ときに悩みながらも「存分にやらせてもらえた」と話す桐山さん。今回の作品について、また演じる彼自身について聞いてみると、穏やかな表情でひとつひとつ丁寧に答えてくれた。

白子が抱える「闇」の部分は、ずっと根っこに持っておきたかった

――まずは、今作の出演が決まったときの心境をお聞かせください。

出演が決まりそうだということを聞いたのが一昨年の春頃で、原作(漫画)があると聞いたので、まずは原作を読みました。本決まりになったときは単純に嬉しかったですね。白子はこの物語のキーマンというか、流れを大きく変える人物。曇三兄弟にとってもすごく大きな存在なので、大役をいただいたなと思いました。

桐山漣演じる、金城白子(きんじょうしらす)

――白子は感情の見せ方が難しそうな役ですよね。役作りで苦労した点はありますか?

物語の鍵を握っているぶん、感情をどこまで出していいのかは悩みました。「ここまでは感情を見せてもいいけど、ここから先は見せられない」という境界線があるので、そこは監督と密にコンタクトを取りながら演じました。白子は、三兄弟にとって本当の家族のように身のまわりの世話をするお母さん的な存在で。でもどこか影があるというか、彼が持っている闇の部分は役作りをする上で根っこに持っておかないと、と思っていました。

――撮影中、印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。

古川雄輝くんや小関裕太くんなど、右大臣直属部隊の犲(やまいぬ)のみんなと銭湯に行きました。地方での撮影が多かったんですが、地下の採石場みたいなところで撮影をしていたので、夏なのに寒くて冷え込んでしまって。撮影が終わったあとに「銭湯に行こう!」みたいな話になったんです。なぜか現場ではバカみたいにUNOが流行っていたので、誰かが水に濡れても大丈夫なUNOを買ってきて、サウナでもUNOをしていました(笑)。それでみんなと仲よくなりましたね。犲のみんなと一緒のシーンなんて最後にちょっとしかないのに現場は男だらけなので、全然気をつかわなくていいのが楽しかったです。

――絡むシーンがあまりないのに、犲と仲がよかったんですね(笑)。ちなみに曇三兄弟とはどんな交流があったんですか?

撮影中に(若山)耀人の誕生日があって、(福士)蒼汰と一緒に耀人の誕生日プレゼントを買いに行きましたね。中学1年生なので、ドローンのヘリコプターのおもちゃみたいなものを選んで、喜んでくれるかな? と思ってプレゼントしました。あと(中山)優馬は普段おとなしめなんですけど、虫が嫌いで、虫が出るとワーワーしていて。普段とのギャップが面白かったです(笑)。

――共演者のみなさんとよくコミュニケーションを取られているようですが、桐山さんは自分から話しかけるタイプですか?

どちらかというと僕も人見知りだと思うんですけど、誰に会っても、話しながら「この人はどんな人なんだろう」と、このへん(自分の右上を指差して)から俯瞰で見ている自分がいるんです。だから、話しながら「あ、この人とは仲よくなれそう」とか「大丈夫そう」って思ったらグッと近づいていく感じですね。一緒に作品を作る上で、現場の空気は絶対明るいほうがいいと思うし。自分が話しかけたり動いたりすることで現場の空気が変わるなら、僕は全然話しかけます。

「暗い気持ちになっても笑うことを忘れないで」というメッセージが届けばいいな

――アクションシーンも今作の見どころのひとつだと思うのですが、撮影にはどう臨みましたか?

体づくりはしました! ボディラインがバキッと出る衣装もあったので、糖質制限をしたり……。衣装が似合う体にしておかなきゃと思っていたので、それを目指してがんばりました。

――アクションシーンで福士さんと共演した感想は?

蒼汰は下駄でアクションしていたので、相当キツかったと思います。下駄は底も厚いし、足をくじいちゃうんじゃないかと思って心配だったんですけど、聞いてみたら「俺、足首強いんで大丈夫です」って言っていて、「え、足首強いとかあるんだ!?」って(笑)。ああやって何人も倒してたら、足首がグリンってなっちゃいそうじゃないですか。武器も鉄扇っていう特殊なものなので、リーチも短いし難しかったと思いますけど、完成した映画を見たらさすがだなぁと感心しました。

――家族愛や友情も今作のテーマになっていると思うんですけど、演じてみて、感じたことがあれば教えてください。

もし、天火と白子がちがう時代に生まれていたら、もっと別の関係になれたんじゃないかとか、いつまでもかけがえのない時間が続いたんだろうな、と思う。でも、どんなことがあっても笑っていられる、強く育っていくこの三兄弟を温かく見守ってもらえればいいな。白子のことを言うと、三兄弟に拾われて、ひとつ屋根の下で家族同然の仲になって……。その運命の中で、彼自身にも揺れがあって、だから最後ああいう決断をしたのかもしれません。そこにすごくドラマがあると思いますね。

――そんな今作のテーマと、桐山さんご自身の家族への気持ちと重なる部分はありますか?

僕自身も男兄弟なので、特に空丸と宙太郎のことは弟のように見ていました。ただ、そういう目で見るときとそうでないときの2つの気持ちが重なってしまって、複雑ではありましたね。だから、白子がこのときどう思っていたのかは、見返してもらうと気づいてもらえるはずなので、できれば2回見てほしいです。最初はみんな、天火とか空丸に感情移入して見ると思うんですよ。なので、2回目は白子の気持ちになって見てもらうと「なるほど」と納得できるんじゃないかな。

――お話を聞いていると、本作ではかなり感情を抑えた演技を意識されたんですね。

そこが難しいところなんですよね。感情を出さなすぎても薄っぺらくなってしまうから。だから、そのバランスは監督と常に話し合いながら演じました。原作やアニメではきちんと感情を隠した上で成立してるんですけど、映画だとある程度は観ている人にわかってもらえるように演技しないといけないというか。「なんかあやしいけど、でもどっちなんだろう?」みたいな、絶妙なラインを演じる必要があって。でも、たくさん準備期間をいただけたので、存分にやらせてもらえました。

――では最後に、映画の見どころを教えてください。

タイトルにもあるように、「笑う」というのがキーワードだと思うんです。天火が「つらいことがあっても笑っていろ」って次男と三男に教えるシーンがありますけど、天火と出会うことによって、それまで笑わなかった白子も笑うようになった。だから、観た人に「暗い気持ちになっても笑うことを忘れないで」というメッセージが届けばいいなと思います。

映画『曇天に笑う』

舞台は、文明開化が進む明治初期。町を守ってきた曇(くもう)神社の14代目・曇天火(福士蒼汰)は、次男の空丸(中山優馬)、三男の宙太郎(若山耀人)、そして10年前に大怪我しているところを助けた金城白州(桐山漣)と4人で暮らしていた。そんな中、琵琶湖のほとりにある大津では曇り空が続き、町の人々はオロチ(大蛇)の復活が近いのではないかと不安を抱く。天火はその復活を阻止するべく、たったひとりで背負う決意をするが……。

2018年3月21日(水・祝)全国公開
(C)2018映画「曇天に笑う」製作委員会 (C)唐々煙/マッグガーデン

(取材・文:落合由希、撮影:三宅祐介、編集:高橋ちさと/マイナビウーマン編集部)

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