お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。
トレンド 芸能

【大東駿介インタビュー】映画『望郷』は亡き父と向き合った作品

「クールな男」「セクシーな男」「可愛い男」など、男性の魅力はさまざま。今、旬なあの人はいったい“どんな男”なの? 彼らの恋愛観や人生観に迫るロングインタビューで、気になる素顔を明らかにしていきます! 

人気ミステリー作家・湊かなえさんのベストセラー「望郷」。故郷や家族に対する思いを繊細に描いた同作が、大東駿介さんと貫地谷しほりさんをW主演に迎えて完全映画化(2017年9月16日公開)。今回マイナビウーマンは、教師だった亡き父に後悔を持ちながら、同じく教師として働く息子・航役を演じた大東さんにインタビュー。映画を通して感じた「自身の故郷と家族に対する思い」について、じっくりお話を聞きました。

「あ、湊作品やってるな」実感があった今作

今回、湊かなえさん原作の『望郷』を演じるにあたって、大東さんのなかにはどんな思いがあったのでしょうか? まずは撮影中のお話を中心に、湊さんや監督とのエピソードを語ってもらいました。

――原作である湊かなえさんの作品は読まれましたか?

もちろん読みました。今回、湊さん原作の作品に出演するのは2回目なんです。はじめて湊さんの作品に出演したのは『白ゆき姫殺人事件』(2014年)という映画でした。まあ、撮影は10分くらいで終わったんですけど(笑)。当時は「この役だから。あとはアドリブで」って言われて。一発本番、一発OKで撮りました。あれはあれで楽しかったな。

――では、今回『望郷』の出演が決まったときのお気持ちは?

やっぱりうれしかったですね。今回はがっつり撮影期間もあったので「あ、湊作品やってるな」って実感がありました。

――湊さんとは実際にお会いされましたか?

はい。このあいだ、映画の撮影を行っていた因島(広島県尾道市)でお会いしました。因島は、湊さんの本当の故郷なんですけど、実際に来てくださって。同時期に僕が『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京系)というドラマに出演していたんですが、湊さんがファンだそうで「娘も大好きで一緒に観てます」と話してくださったんです。だから、あとでDVDボックスをプレゼントしました。

――そんな交流があったんですね。一方、メガホンを取られた菊地監督とのタッグは今回がはじめてですよね?

そうですね。すごく尊敬する監督です。『望郷』の撮影後、再びドラマでご一緒しているんですが、作品に対してすごく真摯で、冷静だけど大事な部分を抽出するのが上手な方だなあと。それについては、貫地谷(しほり)さんとも「ちゃんと芝居を見てくれてるから本当に安心するよね」って話していました。僕も監督とはじめて会った日から、そんな印象を受けていましたね。

――その安心感は撮影中も抱きましたか?

もちろん。指示がめちゃくちゃ細かくて、何回か撮り直すこともありました。でも、それは的を射ていることだったから苦じゃなかったんです。あと、監督は心理の話をよくしてくれて。「ここはこういう気持ちなんだ」ってすごく的確な説明をしてくれました。

――映画でも、それぞれの登場人物の心情が繊細に描かれていました。

そもそも、監督の「この作品を因島で撮ろう」という提案も『望郷』があるべき形に収まるためには、とても大事なことだったと思います。監督が『望郷』をどう撮るべきか、ちゃんと考えてくれていたことへの安心感はすごかったですね。

――『望郷』で印象に残っているシーンはありますか?

生徒役の子どもに対しての演出ですね。監督の指導がとても丁寧で「こうしろ」「ああしろ」っていう指示ではなくて。“役が持っている心をどうやったら画面に出せるのか”を子どもたちにもわかりやすく伝えていました。だから、子どもに対する演出が印象的だった結果が、この作品なのかなって。子役の子たちを、もう“子役”とは呼べないと思いましたね。それくらい、彼らは本当にすばらしい俳優さんと女優さんでした。

――たしかに、子供たちの演技は圧巻でした。ほかにはどんな部分が印象に?

監督が描くディティールが繊細で、違和感がひとつもなかったんです。たとえば、因島の風化とか。造船が盛んだったときは「きっと活気づいていたんだろうな」と想像できる町並みを見ると、切なさや町の息遣いを感じました。しかも、監督はそこを切り取るのが上手で。過去の思い出を見ているような映画になりましたね。

8歳で生き別れた父の死。映画と重なった“父に対する思い”とは?

「映画を見て、故郷のことを考えましたか?」

これはインタビューをはじめる前、編集部に対して大東さんが口にした質問。その真意を彼に聞くと「演じているとき、映画を見た人は『故郷のことを考えるのか、思い返したのか』ずっと気になっていた」と語ってくれました。大東さん自身は、映画を通して故郷や家族についてどんな思いを馳せたのでしょうか?

――大東さんは大阪出身ですよね。『望郷』の撮影時はご自身の故郷のことを考えましたか?

考えましたね。30歳になって、実はそのことについてちょうど考えていた時期だったんです。そのタイミングで『望郷』という作品のお話をいただいて……。

――運命的な作品だったんですね。

それはもう、かなり。

――私も映画を観たんですが、懐かしさを感じる作品でした。

そう! 映画を観た人は絶対に故郷のことを思い出すと思う。でも、それができる作品になったのはすごいことで。監督の原作に対する愛情を感じるし、メッセージを届けようという思いも感じられますよね。

(C)2017 avex digital Inc.

――大東さんの演技からも懐かしさを感じました。航という役柄を演じる上で意識していたことはありますか?

今回、自分のなかの課題として「芝居をしないようにしよう」という思いがありました。役者にとっては、それって一番怖いことなんですけど。航は生きていくなかで、教師という仕事や生徒と向き合って、さらに父親の存在とも向き合っていくんです。彼自身がさまざまなことに気づいていく課程を描く映画だったので、演じてしまうよりも自然体でいたほうがおもしろいだろうな、と思っていました。

――大東さんも航のように作品を通して何か気づいたことはありますか?

この作品をきっかけに、自分の親父と向き合ったのは大きなことでした。実は僕、8歳くらいから親父と会っていなくて……。そのまま会わず終いで親父は死んでしまったんです。その境遇が(劇中で亡き父と向き合う)航の役と少し重なっていました。

――なぜお父さんに会わなかったんですか?

親父に捨てられたわけじゃないけど、近い感覚があって。自分のなかに「会うもんか」という意地があったんです。27歳か28歳くらいのとき、親父が見つかったという連絡がありました。そこで会うか会わないかを聞かれたんですけど、当時の僕は結局「会わない」って選択をしました。

――その後、お父さんに対する気持ちに変化はなかった?

30歳になる手前くらいに「会ってもいいかな」という気持ちが生まれました。「なんでこんなに親父を拒否してたんだろう」って。でも、1年後「やっぱり会おう」と思ったときには、もう親父は死んでいて……。すごいタイミングですよね。航と一緒で、親父が亡くなってから存在を感じることがすごく増えました。今、親父の面影に影響を受けている自分がいます。

――そうだったんですね。具体的にどんな部分で影響を?

親父は不器用だけど、めちゃくちゃドラマティックな生き方をしている人なんです。いろいろなものを巻き込んで、いろいろなものを失って。親父のそんな生き様にものすごく生命力を感じて影響を受けていますね。実は、ちょっとだけ親父も役者をやっていたという共通点もあるんです。今は遺伝子レベルで親父とのつながりを感じています。

――強いつながりですね。

あとは「幼少期に親父がいない」っていうのも教えのひとつじゃないですか。「(親父が)いない生き方をどうしようか」って悩むこともあったし。そういう生き方を教えてくれたのは、やっぱり親父だなって思います。“教え”っていうのは、実際教えられたことだけではなくて「自分が気づいていくこと」や「その教えをどう受け取っていくのか」ということに意味があるんだなって。30歳を過ぎてようやく思えたことですね。

――お父さんとのお話もそうですが、離れてから気づくことってたくさんあると思います。

そうですね。僕の故郷も映画と同じく何もないところだったので「こんなところで何したらええねん! 早く出たい」って思ってましたし。でも、たまに帰りたくなるじゃないですか。いざ帰ってみたら開発されていて、新しくなっていることにショックを受けたりね。変わらないことも大切なんだと思います。

“芝居をしない”からこそ生まれる役と人生のリンク

父親のことを語るとき、どこか遠くを見つめ真っ直ぐな眼差しを見せていた大東さん。それは、劇中の航が自身の後悔や人生と向き合う姿と重なっていました。故郷と家族への忘れかけていた思いに再び出会える映画『望郷』は9月16日公開です。

大東駿介さん主演映画『望郷』

(C)2017 avex digital Inc.

数々のヒット作を生み出すミステリー作家・湊かなえのベストセラー『望郷』を、貫地谷しほりと大東駿介のW主演で映画化。「家に縛られた娘」「亡き父に後悔をもつ息子」をテーマに、ある島で起こるふたつの親子の物語を描く。

2017年9月16日(土)新宿武蔵野館ほか 全国拡大上映

大東駿介(プロフィール)

1986年3月13日生まれ。大阪府出身。2005年よりモデルとしての活動をスタート。同年、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)で俳優デビューを果たす。主な出演作は、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ系)、『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京系)、映画『海難1890』など多数。貫地谷しほりとのW主演映画『望郷』が9月16日に公開予定。

(マイナビウーマン編集部)

お役立ち情報[PR]