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信じていたのに裏切られた! 精神科医が教える「裏切られたときの対処法」

ゆうきゆう

ファナティック

精神科医が教える「裏切られたときの対処法」

信じていた人に裏切られたショックが大きすぎると、なかなか立ち直れないですよね。最悪の場合、人間不信になってしまうことも。ゆうメンタルクリニック総院長・精神科医のゆうきゆう先生に、裏切られたときの対処法を聞いてみました。

裏切られたときにまずやるべきこと

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裏切りによって金銭的、もしくは物理的に損害が出そうな場合は、「それ以上の損害を被らない」ように対処しておく必要があります。

裏切りによって金銭的・物理的、あるいは精神的被害が発生したとき、人は「損害を取り戻そうとする行動」に出てしまうことがあります。しかし取り戻そうとすることで、さらに深く傷ついたり、損害が大きくなったりすることも少なくありません。

そのため、何らかの被害・損害が生じた、あるいは生じる可能性が高い場合は、「深追いしないこと」が大切です。もちろん裏切りの事実をたしかめることも大切ですが、事実をたしかめようと相手に接近することで、さらなる裏切りにあってしまう可能性も。

また、まだ「裏切られたかもしれない可能性」があるだけの段階で相手に接近すると、疑いの気持ちからつい責め口調になったり、ケンカ腰になったりすることも。そのような態度は、実は裏切られていなかった場合に相手に不信感を与えますし、実際に裏切られている場合も相手に逆ギレされる・警戒されて証拠がつかめなくなるなど、あまりいい結果にならないことのほうが多いでしょう。まずは距離をとり、どうしても事実をたしかめたい場合は、相手の様子を冷静にうかがうのがベストです。

裏切られたショックの傷を癒やす方法

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まず大切なのは、自分を責めないことです。裏切られたとき、「相手を信じた自分を責めてしまう」ということがよく起こります。私たちは相手の言動にあやしさを感じても、恋愛感情や利害関係によって、その部分をつい見逃してしまうことがあります。裏切られたとわかったときに、「あやしいと思っていたのに、好きだから見ないふりをしてしまった」「言動におかしなところがあったのに、つい流されてしまった」など、過去の自分を責めてしまうのです。

しかし自分を責めてしまうと、裏切られたショックだけでなく自己嫌悪に陥り、精神的なショックはさらに大きくなります。それに伴って行動力を失ってしまうことも。たしかに自分の行動にも反省点はあるかもしれませんが、基本的には「相手が裏切るような人間であった」ということが一番の原因です。そのため、自分を責める必要は決してないのです。

自分を責めるのではなく、傷ついた気持ちをケアする方向で自分と向き合っていきましょう。まずは誰かに話を聞いてもらったり、感情を紙に書き出したりしてみてください。今抱えている気持ちを一度吐き出して整理し、自分が被害者の立場をとりすぎていないか、冷静に見極めることが大切です。

特に紙に書き出す場合は、相手との出会いから時系列に整理し、「事実」と「感情」を明確に区別することで気持ちの整理がつきやすくなります。事実と感情を混ぜてしまうと、すべてが悪いことのように思えたり、不信感を感じた部分もあいまいになったりします。本当の意味で「立ち直って次に活かす」ためには、事実は事実として、感情は感情として処理する必要があるのです。

裏切ってきた相手への対応方法

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もし今後も相手と何らかの形で関わり続けるのであれば、基本的にはあまり「相手に期待しないこと」が大切になってきます。裏切りというのは、期待が事実を上回る場合に「裏切られた」と感じるもの。最初から相手に期待しなければ、裏切られるということはありません。

相手が反省して謝罪してきたとしても、もしまた裏切ってきた場合の対処法をきちんと決めてから付き合っていく必要があるでしょう。「次も裏切られたら、完全に縁を切る」「次も裏切られたら、○○してもらう」など、具体的なペナルティをきちんと話し合ったり、自分の中で決めておいたりすることが大切です。

反省しているからといって、「何も変えない」「これまで通り」では、相手に「この人は裏切っても大丈夫」と軽く見られてしまう、結局同じことを繰り返してしまいがち。お互いの本気度を示すためにも具体策を話し合い、決めたらきちんと実行するようにしましょう。

また今後も関わり続ける場合、「何かにつけて裏切られたことを責める」のは基本的にNG。自分を傷つけた事実を忘れているかのように振る舞われると、つい嫌味を言いたくなるものですが、関わり続けると決めた時点で、形式上は相手を許した形になっています。何かにつけてそのことを持ち出すと険悪な雰囲気になりますし、今度は相手が「悪意を持って裏切る」という行動をする可能性も出てきます。再度おかしいと思ったり、良好な関係を築けそうにないと感じたりしたら、自主的に離れるなど自己調整していきましょう。あくまでも「自分から波風を立てないこと」が大切です。

逆に、今後一切関わらない場合は、許す・許さないということに関係なく、自分の心のケアに専念するようにしましょう。

見極めよう! 「裏切りやすい人」の特徴と心理

今後裏切られないためには、「裏切りやすい人」の特徴を知っておくことも大事です。しっかりと見極めておきましょう。

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意見がころころ変わる人

意見がころころ変わる人は、状況やそのときの感情次第で、自分の意思や行動が変わってしまうもの。悪気はないのですが、基本的に「相手を裏切った」という認識が乏しく、勝手に期待した相手が悪いと感じやすいタイプで、ナチュラルな裏切り体質とも言えます。

損得勘定を重視する人

損得勘定が強すぎる人は、「より自分にとって利益の大きいほう」を選ぶことにあまり迷いがありません。関わる人の感情や期待に応える義理よりも、「いかに自分が損をしないか」「いかに自分にとって利益になるか」ということが大切なので、心の信頼関係を結ぶ相手としては不適当です。

見栄っ張りな人

見栄っ張りな人は、「自分がよく見られたい」「かっこいいと思われたい」という承認欲求の強さから、他人を裏切ったり嘘をついたりすることが多いです。見栄のために大きなことを言ったり、相手に期待させたりする、裏切り体質な人が多いと言えます。

人に裏切られないために「日々心がけるべき対策」

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「あやしいと思った人には近づかない・期待しないこと」が大切です。そもそも誰かを信じると決めたとき、「裏切られたリスク」を考える人はそんなに多くないですよね。人間の心はあまり強くないので、「絶対に裏切らない人はそれほどいない」くらいの認識で、裏切りによるショックや損害の穴埋め・リカバリーができるよう、“保険”をかけておくといいでしょう。

また、信じるなら「この人になら裏切られても構わない」と思える相手だけを信じてください。矛盾するようですが、「裏切られないようにしたい」と思えば思うほど、人は自分が裏切られることを前提として行動してしまうことになります。心理学では「予言の自己実現」と呼ばれるものがあります。人は「裏切られるかもしれない」と疑い続けることで、無意識に相手から裏切られるように仕向けたり、裏切るような相手を選んでしまったりするのです。

前述したように“保険”をかけるのは、「裏切られても大丈夫」と自分を少しでも安心させることで「裏切られるかもしれない」という不安感をやわらげ、意識をそらす役割があります。「裏切られても構わない」と思うことも同様です。そうやって過剰に人に期待しないことで、実際に裏切られたときのショックはかなり軽いものになります。

余談になりますが、「この人になら裏切られても構わない」と思える相手は、そう多くはないです。そこには、相手に対する尊敬や愛情が多く含まれているはず。それほど思える相手に出会えるのは、案外幸福なことなのかもしれませんね。

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