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働く女性はキケン!? 専門医に聞く「エコノミークラス症候群の原因と対策」

阿保義久

震災の発生後、車の中で避難生活を続けていた被災者たちの多くに「エコノミー症候群」の疑いが見られたというニュースは、記憶に新しいですよね。しかし、この「エコノミー症候群」が実際にどんな病気なのか、イマイチわかっていないという人も多いはず。そこで今回は、「エコノミークラス症候群」を発症してしまう原因やその対策について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にくわしくお話を伺いました。

今さらだけど、エコノミークラス症候群ってどんな病気?

新潟中越地震、東日本大震災、最近発生した熊本地震などで、車中に長時間避難することを余儀なくされた人が「エコノミークラス症候群」を発症し、ひどいケースでは命を落としてしまったというニュースを耳にしたことのある人も多いはずです。今、注目されている「エコノミークラス症候群」とは、長時間動かずに座りっぱなしでいると、重力の影響で静脈の中に溜まった血液が固まってしまい、発症する病気です。この固まった血液である「血栓」が移動し、肺の静脈を塞いでしまうと、血液が届かなくなった肺組織が壊死してしまいます。この一連の病態を「エコノミークラス症候群」と言います。また、エコノミークラスへの搭乗中でなくとも同様の症状が発生することから、「ロングフライト症候群」と呼ばれることもあります。

エコノミークラス症候群の原因と症状

エコノミークラス症候群の主な原因は、(1)狭いところにじっと動かずに座りっぱなしでいることと、(2)脱水の2つ。脱水で血液中の水分が不足すると血液はより固まりやすくなるため、発症のリスクが高まると言っていいでしょう。

症状としては、足のむくみや腫れ、痛み、冷感など。また、動悸が激しくなり、呼吸が苦しくなったり、せきが続いたりする場合もあります。また、胸の痛みを訴える人も。まずは、下肢の血栓症が初期症状になるので、急に足が腫れて痛みが出てきたときは要注意です。このとき、症状が出るのは片方の足だけであることが多いのもチェックのポイント。発生した血栓が飛散し出すと、冷や汗や動悸が生じ、せき・胸痛が現れ、呼吸が苦しくなります。放置すると失神に至り、命を落としてしまう場合もあるので、長時間動かずにいたあとで前述のような足の症状が発生したら、速やかに医療機関を受診してエコノミークラス症候群を発症していないか確認してもらいましょう。

(続きを読む)働く女性がエコノミークラス症候群に注意すべき理由とは?

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