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【男女脳の違い】ドライブデート編 ~彼にナビを頼まれたら~

黒川伊保子

よくある男女のすれ違いやケンカの原因を、「男女脳の違い」から解き明かす本連載「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?」。女性が理解できない男性の行動について、人工知能研究者であり、脳科学コメンテーターの黒川イホコ先生が解説&アドバイスします!

2人っきりの空間で遠方まで遊びに行ける「ドライブデート」は女性のあこがれですよね。しかし「地図を読む」のが苦手な女性は少なくないはず。ドライブデートで男性にナビを頼まれたら、どうナビゲーションすればいいのでしょうか?

今回は、「ドライブデートで彼にナビを頼まれたとき、女性がとるべき行動」ついて、黒川伊保子先生にお聞きしました。

イホコ先生の解説

●女性は地図を見るのが苦手? とんでもない!

彼にドライブデートでナビを頼まれたら?

「話を聞けない男、地図が読めない女」というピース夫妻の本がベストセラーになったのは2002年のこと。これが男女脳ブームを生み出したため、「女は地図が読めない」と思い込んでいる人が本当に多くいます。

けれど、本当はちがいます。「女性が理解しやすい地図」と、「男性が理解しやすい地図」のありようがちがうのです。世の中に流布されている紙ベースの地図は、女性に理解しにくいスタイルなので、どうしても「女は地図が読めない」と思われがち。このように男たちが作った世界観の中で、女性の能力が実際より低く見積もられていることは、実はけっこうあることです。

ビジネス界は、男性脳が創りあげた世界なので、特にそう。だから女性のみなさんは、男たちのやり方がどうにも合わないときには、そのことを思い出して。彼らにはそのやり方が気持ちいいことを腹に落として、できるだけ付き合ってあげる上で、自分のために改革できることはしましょう。自分が同じようにできないことを、自分の能力の低さのように感じて落ち込まないこと。女性がキャリアシーンで長く活躍するには、その英知が必要です。

男女は脳のつくりがちがうため、それぞれにあった「やり方」があります。それなのに、男女脳に関する多くの本では、「女にはこれができない」「男にはこれができない」といったように「脳の欠点」として数え上げていますがそれはちがいます。私たちの脳は、作法がちがうだけ。そのことを知って、互いの作法を尊重し合えたら、どちらも能力を最大限に使えるし、傷つけあうこともないのです。

「話が聞けない男」にも誤解があります。男性脳は、ときどき言語機能を休ませて、空間認知の領域の基礎計算をしているので、「いきなり話しかけられる」ことに弱いのです。その上、対話に使うワーク領域が女性の数十分の一しかないので、本題に入る前に、とりとめのない話が入ると、本題を聞き取るのに失敗してしまうのです。

したがって、ゆっくりと話し始めて結論から言えば、彼らはしっかりと話を聞くことができます。いきなり、「あれあれ、あれだけどさぁ~」とわけのわからない代名詞でまくしたて、合間に、近所のうわさ話を織り込んだようなとりとめのない話し方(つまりは女性が自然にやる日常会話)では、話を「聞けない」ので気をつけましょう。

●地図ベースなら、ミーティングは不可欠

さて、というわけで、女性は地図を見るのが苦手ではありません。ただ男女で地図の見方、とらえ方がちがうだけなのです。そこを理解したうえで、彼にわかりやすくナビゲーションする方法をお伝えしていきます。紙ベースの地図でナビをするときには、出発前に、彼と一緒に、しっかり地図を確認しましょう。旅の途中なら、車を停めてでも、事前ミーティングは不可欠。出発から目的地までのページを一度、ちゃんと確認して。ロードマップは、ページの遷移が難しいので、順番を書いた付箋紙を貼って、次のページがすぐにわかるようにしておくといいです。そして、道路の分岐点を2人で確認します。「○○通りが、○○橋を超えたところで2つに分かれるから、ここを間違わないように右へ」のように、間違いやすい道路の拠点を、ふたりでチェックし合います。

実際に走りだしたら、ミーティングで確認した場所が来る前に「もうすぐ、○○橋よ。越えたらYの字になるから右」と、チェック箇所を復唱してあげるかたちでナビしましょう。道路標識を見て、「OK、無事、○○方面に入ったわ」などと安心させてあげるとよりベターです。

事前ミーティングが必要なのは、ロードマップの構造が女性にはわかりにくいからですが、効用はそれではありません。実際の道路も、女性がわかりにくいところと、男性がわかりにくいところが微妙にちがいます。だけど事前に2人でチェックしておけば、「彼のわかりにくいところ」が網羅できるでしょ? この事前ミーティングなくして、紙ベースのナビはあり得ないので、よく覚えておいてください。いきなり地図を渡されて、走り始めてから何とかしようとしたら、絶対に混乱してけんかになります!

●口頭でのナビは、まずは全体像を告げ、早め早めに予告を

女性が知っている道を、口頭でナビする場合のポイントは二つ。「最初に、行き方の概要を告げる」、「走っている最中は、早め早めに、次の行動を予告する」ことです。男性は、全体を俯瞰(ふかん)すると安心するので、最初に「靖国通りから、外堀通りを抜けて、皇居正面に出るつもり」のような、大まかなルートを伝えましょう。いきなり「ここ右」みたいな小刻みな指示ではじまると全体が読めず、不安でイラついてしまいます。

そして、早め早めの予告。日頃自分で運転をしないと、なかなかわからないことですが、車線は急に変更できません。4車線道路の右から2番目を走っていて、急に「あ、ここ左折!」と言われても、対応できませんし。そういうナビはもっとも腹立たしいです。「3つめの信号を右折するから、今から右に寄っていてね」「そのうち、右に○○銀行の看板が見えてくるから、それが右折する信号よ」のように、早め早めに予告してあげてください。

●うまく通じなかったら、全部ナビ側の責任

女性が正しくナビしたのにも関わらず、彼にうまく通じなかった場合。女性はほぼ100%「自分が正しかったのに、彼が間違った」と思いがちですよね。しかし、女性脳の目線と男性脳の目線がちがうので、「今、この瞬間、見ているもの」がズレていることは多々あります。例えば女性が「そこ」と言ったとき、彼は、全然別の横道を見ていたばかりに思ってもいない方向へハンドルを切ったり……。したがって、万が一、彼が間違ったときも、「私はちゃんと言ったのに」なんて言い募らないこと。「うまく説明できなくてごめんね」と、自分の罪にしておきましょう。実際、ナビする側に、ドライバーの受け止め方も勘案する責任があります。

そして最後は、運転してくれた彼に、しっかり「ありがとう」を伝えましょう。男性脳は、責務を果たすことに快感を感じる脳で、「責務完了」の合図があると、とてもとても心地よいのです。「おつかれさま、ありがとう」は、責務完了の合図。心を込めて言ってあげてくださいね。以上が、男性に喜ばれるドライブナビゲーションの仕方ですまぁでもね、地図が読めなかったり、ナビゲーションがうまくできなくてもたもたするのも、彼にとってはカワイイと思うので完璧じゃなくてもいいのではないでしょうか?

せっかくのドライブデート、思いっきり楽しんで!

ドライブデートで女性がとるべき行動とNG行動

<女性が取るべき行動>

・地図を使ったナビは2人で事前ミーティングを!
・実際に走り出したら最初に、行き方の概要を告げ、予告は早めに!
・相手に上手く通じなかったら相手ではなく自分(ナビ側の責任)として反省する!

<NG行動>

・大まかなルートを伝えず、いきなり小刻みに指示をする
・予告をせずいきなり運転指示をする(車は急に曲がれない!)

(文/黒川伊保子 イラスト/地獄カレー)

次回の「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?~男女脳はこんなに違う~」は、5/2(月)更新予定です。お楽しみに!

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※この記事は2016年04月25日に公開されたものです

黒川伊保子

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表、独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。

脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著書が人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」をはじめ、フジテレビ「さんまのホンマでっか!? TV」など、TVやラジオ、雑誌で活躍。

近著に「恋愛脳」、「キレる女 懲りない男」、「英雄の書」などがある。

株式会社感性リサーチ
http://www.kansei-research.com/

オフィシャルサイト
http://www.ihoko.com/

『女の機嫌の直し方』(インターナショナル新書) 著書コメント:「女性脳のトリセツ完全版。彼氏に「私のトリセツ」と贈ってほしい。きっと優しくなります」

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『アンドロイドレディのキスは甘いのか』(河出書房) 著書コメント:「人工知能と人類の付き合い方を説いた一冊。女性AI研究者が見つめてきたAIの真実」

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