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内診が恥ずかしいとき、どうすればいい? 専門医に聞く「婦人科検診のギモンQ&A」

長岡美樹

渡邉久美子

「婦人科検診が恥ずかしい!」という悩みとは、どう向き合えばいいの?

ギモンを解消することで、婦人科検診に対する抵抗感は和らぐもの。とはいえ、検診に対する抵抗感の一番の原因は、“羞恥心”だという女性も多いのではないでしょうか。そんな「婦人科検診が恥ずかしい」と思う女性の悩みの対処法について、患者側の立場を経験したことのある、医師の渡邉久美子先生にお話を伺いました。

「婦人科検診は、受診したほうがいいと思っていても、なかなか気の進まない人も多いと思います。産婦人科の診察や検査の中で、女性が一番不安や抵抗を感じるのが『内診』ですよね。特に内診は恥ずかしい、痛いと思っている人も多い様子。実際そうなのですから。では、どうしたら、内診の不安を解消できるのでしょうか? 現段階では受診する際にその医療機関や医師の特徴をホームページなどであらかじめ調べ、また自分で検診の意義や方法などについて勉強して臨むことが安心につながるでしょう」と渡邉先生。そして、もしも検診で嫌なことがあったのなら、受診者側からぜひ声を上げてほしいと言います。渡邉先生いわく、その声がなければいつまでたっても「がまんするしかない、しょうがない」で終わってしまうとのこと。「その声が必ず改善につながります」と、先生は自信を持って話してくれました。

渡邉先生が考案した「女性検査用パンツ」

さらに渡邉先生は、医学生時代から「あればいいな」と思っていた羞恥心を解消するための「女性検査用パンツ」を自身の経験をきっかけに考案。先生が日本シーエイチシー株式会社とともに開発したパンツは、前開きになっているため、履いたまま内診を受けることが可能に。このように、最近では検査時の羞恥心や不安を軽減するための工夫も生まれているのだとか。

この検査用パンツについて渡邉先生は、「若い女性が検診に行きづらいのは羞恥心も一因。その点を考えないと受診率は上がってこないのではと考えています。がんは早期発見することで生存する確率が高くなる病気です。しかし、忙しかったり面倒がったりして検診を受けない人が多いのも問題。女性の場合、20歳からの子宮頸がん検診をすすめられていますが、どうしても『恥ずかしい』と思ってしまうのは仕方のないこと。『女性検査用パンツ』で女性の羞恥心を軽減し、少しでも安心して検診を受けてもらうことができればと思っています」と、その思いを語ってくれました。

2人の先生から、婦人科検診の悩みを抱える女性たちへメッセージ

産婦人科医の長岡先生は、「女性たちのカラダには、“将来”があります。今は、別にいいやと思っていても、不調を放置していると『子どもを産みたい』と思ったときに困ってしまうことも。産婦人科医は一生のパートナーです。気軽に相談や検診に行きましょう」とアドバイス。また、女性検査用パンツを考案した渡邉先生は、「なぜ検診があるかというと、その病気になる人が多いから。誰も例外ではありません。早期発見と早期治療で人々の未来が失われずにすめばと願っています」と、女性たちに検診をより身近なものとして捉えてほしいと呼びかけていました。

デリケートな問題だからこそ、多くの女性が不安を抱えたり、羞恥心を抱いたりしてしまう、婦人科検診。とはいえ、産めるカラダになるための準備として、自身のカラダの状態を知っておくことは大切ですよね。いつかやってくる「そのとき」のために、ぜひ自分のカラダと向き合う機会を一度作ってみてはいかがでしょうか。

(取材協力:長岡美樹、渡邉久美子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年04月23日に公開されたものです

長岡美樹

日本大学医学部卒。大学関連病院勤務後、2011宮益坂メリーレディースクリニック開業。街の保健室として多くの女性の診療にあたる

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渡邉久美子

北里大学医学部卒業後、北里大学病院に勤務。その後、福島県立医科大学、北福島医療センター、仙台医療センターでの活動を経て、現在は獨協医科大学病院乳腺センターでセンター長を務める。専門は異なるが女性の立場から、「女性検査用パンツ」を考案。

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