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【女の嘆き】“強がる私”をわかってくれるのは既婚者だけ……こんな私は幸せになれる?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
さっぱりした性格で姉御肌とか、社交的で気配り上手とか、明るくて元気でこだわらない性格だと思われることが多い私。実際は、くよくよすることもあるし、焼きもちも焼くし、不安になるときもあります。でも、同世代の男性だと包容力が感じられずに強がってしまい、その強がりを見抜けない男性に失望します。強がりを見抜いて本当の私を受け止めてくれるのは、いつも結婚生活で苦労を重ねた既婚男性だけ……。どうして既婚男性ばかりが、私にやさしいのでしょうか。最後は報われずに傷つくことはわかっているのに、今日も既婚男性に弱音を吐いてしまう私です。

本当は寂しがり屋で傷つきやすいのに強がってしまう女性は、例えて言うなら入口のわかりにくい建物のようなもの。ドアがありそうな場所にドアはなく、ドアに見える場所は、開けようとしても開かない。かといって、建物への入り方は簡単には教えてもらえず、男性からすると、「入って来られるものなら入ってみなさいよ」と常に試されているような状態。これでは、正攻法でアプローチしてくる真っ直ぐなハートを持った男性にとっては難易度が高いでしょう。逆に、ちょっとひねりのある物件に慣れている男性にとっては、征服欲を掻き立てられ、強がりすらもかわいく思えたりするのかもしれません。

女の嘆きの処方箋

その1 既婚男性を見る目をクリアにしておく

ひねりや裏のあるコミュニケーションに慣れていて、それを手がかりにくどいてくる既婚男性は、強がり女子にとって痒いところに手が届く存在ですが、それ相応の問題点もあります。それは、彼ら自身に、正々堂々と日の当たる場所で女性に誠意を尽くせない傾向があること。彼らは、手のかかる女性をものにした自分、かわいそうな女性を助けてあげている自分、傷ついた女性を慰めてあげている自分自身が好きなだけで、本当の意味で女性を愛することができない人かもしれないのです。「君のことをわかるのは、僕しかいない」「わかってくれるのは、あなただけ」という関係は、一見すると情熱的ではありますが、まわりの人たちの理解や協力を得にくい関係性になりがちなので注意が必要。

また、既婚男性が「妻とはうまくいっていない」など、切々と恵まれない結婚生活を語ったとしても、その結婚に対して責任を取るべきは当人なのです。不倫にたやすく足を踏み入れる男性の、「非人道的な妻に迫害されて人生を奪われつつある被害者」という面ばかりをクローズアップせず、「妻として選んだ女性と向き合えない男性」であり、「困難から目をそらしたい男性」であることも直視しましょう。どんなに好きでも、ひいき目に見過ぎないように。お互いに自分を慰めるためだけにつながってしまった恋愛が、お互いを真に大切にし合う関係に発展するには、とてつもない自覚と努力が必要となります。その覚悟なくして、新たな不倫をはじめることはオススメしません。

その2 “特別な私”というプライドを捨てる

「特別な人にしかわからない、特別な私」というプライドがあると、素直になるべきところで素直になれない傾向があります。つい強がってしまうときは、デリケートな感情を傷つけられたくないという怖れのほかに、簡単に自分のことをわかってほしくないというプライドが関係していることがあります。“特別な手続きをもって、特別な力を備えた人だけにわかる、特別な私”というプライドが、当たり前の幸せを遠ざけていることがあるのです。

穏やかで長続きするパートナーシップを築くためには、「私のことを手に取るようにわかってくれる運命の人」という条件を手放し、「真っ直ぐに幸せに向かっていく屈託のない人」とか、「困難な状況下でも逃げずに、粛々と対処する人」といった条件を取り入れてみることをオススメします。ドラマチックな夢やプライドは脇において、素朴で地道な幸せに手を伸ばすことも必要です。

その3 強がりの“一歩手前の感情”に気づく

強がりな人は、不安、悲しみ、寂しさという感情を、どう感じ、どう表現していいかわからない人と言えるかもしれません。たしかに、こういったデリケートな感情を持った状態でとどめの一撃をもらったら、心に深い傷を負いかねません。それで私たちは、本物の感情を別の感情でカモフラージュしてしまいます。例えば拗ねた態度やごまかし笑い、そして怒りといった感情で。自分の心を守るために思わずやってしまうことですが、これでは本当の気持ちは相手に伝わらず、心の距離は縮まりません。

同世代の彼に不満を覚えるときも、早々に相手を批判したり、さめた態度で受け流したりするのではなく、強がりの一歩手前の感情にフォーカスして言葉に出してみましょう。

例:私は会えなくて寂しいのに、彼はまったく気づかず仕事ざんまい
「電話やメールでは、つい元気なふりをしてしまうけど、本当はすごく寂しいんだよ」

例:私は仕事環境の変化で疲れているのに、彼は自分勝手な要求ばかり
「今、慣れない仕事で気疲れが多くて弱っているの。しばらく、いたわりモードでお願いできる?」

例:ふだんのお付き合いは楽しいけれど、結婚の話題を避ける彼
「将来のことを話したいのに、話題をそらされてばかりだと、大事にされていない感じがして傷つくよ」

例え彼が、「えっ……、それくらいで傷つくの?」というリアクションをしたとしても、せっかく出した感情を引っ込めたり、逆に感情的になったりしないでください。そのときこそ、自分がどういう人間で、どういうふうに扱ってほしいかを伝えるチャンスだからです。「そうなの。私はね、こんなことで、寂しくなったり、弱ったり、哀しくなったり、傷ついたりする人間なのよ。だから、そういうときは、〇〇してくれるとうれしいな」などと、悪びれずに穏やかに続けてみて。人間関係は、自分が思っていたのとはちがう相手の姿が見えはじめてからが本番。怖れず、遠慮せず、自分の本当の姿を相手に伝えていきましょう。

※画像はイメージです

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2016年02月15日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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