脳の専門家が解決! 働く女子が知っておきたい「恋愛と仕事のストレス対策」
女子の脳のしくみから見る、働く女子が陥りやすいストレスとは?
(1)恋愛編「ネガティブな言葉に傷つきやすい」
女子と男子の脳のしくみはちがうからこそ、特に女子に起こりやすいストレスというものがあります。男子は視覚で記憶して状況を覚えているのに対し、女子は耳から聞いた記憶である「聴覚記憶」が、一般的に男子に比べて強い。
女子は一度言われたことをなかなか忘れないですよね。恋愛で言えば、男子は彼女とケンカしたときの顔や光景などを覚えている一方で、女子はけなされた言葉を忘れない。だからこそ、「ネガティブな言葉に傷つきやすい」という傾向にあります。言葉を記憶しすぎているため、それを思い出して嫌な思いをしたり、「また言われないかな……」と不安になったりして、ストレスを感じてしまうのです。
【対策】「自分が言われたくない言葉」を知り、傷つくことを回避!
これらの恋愛におけるストレス対策としては、「自分が言われたくない言葉」を知っておくといいでしょう。人によって異なりますが、それぞれにとって「言われたくない言葉」は必ず存在します。そして、その言葉を聞かないように自分で回避するよう心がけてください。逆を言えば、ネガティブな言葉を聞かなければあらゆる状況に耐えることができるのです。
また、脳が嫌な記憶を忘れることは難しいので、新しい記憶で上書きをするとよいでしょう。脳が新しい経験をすれば記憶が変わるので、まったくちがう男性と付き合うこともひとつの手だろうし(笑)。相手が変われば言うことも変わるので、それによって救われるのです。似たような人は似たような言葉しか使わない。したがって、似たような相手だと過去の嫌な記憶を上書きするのは難しいので要注意です。
(2)仕事編「わかってくれない上司に、脳の働きを止められている!?」
また、人間は自分の脳の働きを止めてしまう相手と一緒にいると、ストレスを感じます。学校の授業を、おもしろくないのに聞いていた記憶はありませんか? その時間は、泣きそうなくらい辛かったはずです。“つまらない”と感じる理由は、自分の脳が働いていないから。それは、授業だけでなく、人にも言えることなのです。
自分にとって嫌な相手とは、その人のことを考えただけでも自分の脳の働きが弱まり、劣化しているように感じる人です。一緒にいて心地よく、「もっと一緒にいたい」と思う相手は、逆に脳の働きを高めてくれる相手だから。疲れを感じることはもちろんありますが、単純に脳が働いているときは、ストレスを感じません。
話をわかってくれない上司がいるから、会社に行きたくないと思ったことはないですか? その原因は、会社に行けばわかってくれない上司と戦わなければならず、自分の脳の働きを止められてしまうから。「言ってもダメだな……」と思うと、人間は考えるのをやめてしまいますよね。それにより、「脳のコンディショニングが悪くなる⇒ストレスを感じる⇒会社に行きたくない」という悪循環が生まれてしまいます。
【対策】いいところを褒めて、忙しい上司の脳をコンディショニング!
対策としては、「上司のいいところ」をできるだけ多く書き出すこと。そして、それを思い出してから、上司と話すことです。話をわかってもらえないときは、上司の頭をあなたがうまく使いこなせていない可能性があるのです。「今日のネクタイはカッコいいですね。もしかしてプレゼントですか?」などと、まずは褒めてみることで、一度相手の脳の中をリセットすることができます。言葉がけを変えることで、上司が使っている脳の番地をシフトしてあげられるのです。このように、忙しい上司の脳の状態をあなたがコンディショニングしてから話すことがポイントですよ。
<まとめ>
いかがでしたか? 脳の働きとストレスには密接な関係があるようです。恋愛や仕事など、働く女子のストレスは尽きないもの……。そんなとき、脳のしくみを知っておくことで、上手にそれらの問題と向き合っていけそうですよね。ストレスを感じて頭の中がいっぱいいっぱいになってしまったと感じたら、ぜひ「脳コンディショニング」で健康でクリアな脳を取り戻してみては?
今回、お伺いした加藤俊徳先生
医師、医学博士。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学医学部、同大学大学院卒業後、1991年、子どもの脳活を計測できるfNIRS法を発見。その後、アメリカ・ミネソタ大学放射線科 MR研究センター、慶應義塾大学、東京大学などで脳の研究に従事。2006年、株式会社「脳の学校」を創業し、2013年、加藤プラチナクリニックを開設。近著に『家事で脳トレ65』(主婦の友社)、『脳が喜ぶ子育て』(世界文化社)など。
(取材協力:加藤俊徳、文:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年02月10日に公開されたものです