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教えて! ぐっどうぃる博士!! ケンカに応戦しない“だんまり彼氏”の攻略法

伊藤康江

ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

彼氏とケンカをすると黙り込んでしまって、何も言わなくなってしまった……。なんて経験はないですか? 「彼氏とケンカするときに、彼氏が黙って何も言わなくなることはありますか?」と女性にアンケートで聞いたところ、4割の女性が「はい」と答え、悲痛な声が集まりました。

・「彼が思っていることをため込んで黙るので、仲直りするまで長引く」(30歳/医療・福祉/専門職)

・「黙り込むなんて卑怯! 考えをちゃんと言ってほしい」(27歳/アパレル・繊維/秘書・アシスタント職)

・「何を考えているのがわからないし、解決の糸口が見つからない」(27歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「不満があっても口にしないので、余計に腹が立つ」(28歳/機械・精密機器/技術職)

話し合いで解決したいと考える彼女に対し、口を閉ざして貝になってしまう彼。そんな彼に、さらにイラつく彼女。負のスパイラルはどこまでも……。そんな“だんまり彼氏”が一体何を考えているのか、口を割らせる方法はあるのか、恋愛カウンセラーのぐっどうぃる博士にお話を伺いました。

【お話を伺ったのは】

ぐっどうぃる博士

恋愛カウンセラー。理学博士(生命科学)。自身の体験と生命科学的視点を合わせた独自の恋愛メソッドに定評がある。悩める女性の恋愛と結婚の問題が解決するサイト『恋愛ユニバーシティ』を主催し、同サイト内にある電話相談サービスでも他の専門家と共に精力的に相談にのっている。『恋愛マトリックス 相手を思い通りにする究極の恋愛戦略』(SBクリエイティブ)が文庫になって新発売中ほか、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)『結婚を考えはじめた女へ』(三笠書房)などの著書多数。

アンケートから“だんまり彼氏”の特徴を編集部が独断で分類すると……

働く女性にとったアンケートから、たくさんの“だんまり彼氏”にまつわるエピソードが集まりました。そこで編集部で簡単に分類してみました。

①無視系

・「彼氏が3日間完全黙秘」(24歳/専門サービス/事務系専門職)
・「メールや電話をしても2~3週間無視される」(32歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)

②失踪系

・「急に黙って家を出て行って、1週間音信不通」(32歳/医療・福祉/専門職)
・「とにかく一人になるため、どこかへ行ってしまいます」(28歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

③取り合ってくれない系

・「もういいと言って、話を終わらせようとする」(24歳/建設・土木/事務系専門職)
・「すぐに謝ってきて、かえって誠意が感じられない」(31歳/学校・教育関連/クリエイティブ職)

④モラハラ系?

・「明らかに怒っているが、心当たりがない。聞いても別に……しか言わない」(26歳/医療・福祉/専門職)
・「意図せず怒らせてしまい、原因がわからずオロオロ」(27歳/金融・証券/事務系専門職)

なぜケンカすると“だんまり”になる男性がいるのか

――アンケート結果から明らかになった“だんまり彼氏”の実情は、こんなひどいものでした! 女性側の「話し合いで解決したい!」「コミュニケーションを取りたい」という思いとは裏腹に、だんまりを決め込む男性の心理とはどのようなものなのでしょうか?

ぐっどうぃる博士:男性の“だんまり”はよくあることです。なぜ、“だんまり”になるかというと、ケンカをしたくないから。タラ・パーカー=ポープ著『夫婦ゲンカで男はなぜ黙るのか』によれば、男性にとってケンカをすることは、女性が想像する以上にかなりストレスフルなこと。よく女性の方が感情的だと言われますが、男性は一度感情的になれば、女性より心拍数が高まり、血圧の高い時間が長い。つまり女性より「男性のほうが衝突による生理的な負担が大きい」と書かれています。そこで、その負担から逃れるために、ケンカを始めず防御にまわるため、“だんまり”を決め込むわけなのです。

そして、もうひとつの“だんまり”の原因として挙げられるのが、ケンカをしたとしても話し合いをしたとしても、結局、女性に有利な方向で話が進むと知っているから。男性にとってメリットがなにひとつないと知っているから、口を閉ざすのです。

先ほどの本に“夫婦ゲンカの80%は女性から仕掛ける”という調査結果が書かれているのですが、これはまさに女性が自分の思いを通すためにケンカを仕掛けている、と言っても過言ではないということでしょう。また、女性は結婚につながる将来を見据えていますが、男性は目先の欲求を果たすことに重きを置いています。これは子孫の残し方が男女で異なるという視点に立てば自然なことです。男性はもともと相手に対して“パートナー”という意識が低く、覚悟を決める直前までは、責任を取ることを恐れ、責任から逃れるためには何でもする生き物なのです。男性と女性ではパートナーに対する姿勢が根本的に違うということです。

●ケンカをする際の男女の心理の違い

男性

・女性が想像する以上にかなりストレスフルなこと。
・女性より心拍数が高まり、血圧の高い時間が長い。
・過去の経験から「話し合い」は、女性の欲求をみたすためだけにあると知っている。
・目先の欲求を果たすことに重きを置いていて、責任から逃れるためには何でもする。

女性

・男性より生理学的な負担が小さい。
・思いを通すためにケンカを仕掛けている節がある。
・相手をパートナーと考え、共に人生を歩むという意識が男性より強い。
・結婚につながる将来を見据えている。

編集部が分類した“だんまり彼氏”の真意とは?

――博士は、編集部がアンケートから分類した“だんまり彼氏”についてどう思われますか?

ぐっどうぃる博士:①無視系や②失踪系の彼の場合、もちろん我慢の限界というのもありますが、そもそも付き合っていると思っていたのは彼女の方だけで、彼氏じゃなかった可能性も。その女性を大事な存在と思っておらず、他の女性のところへ遊びに行っていたり、場合によっては、既婚者ということあるでしょう。失踪系の彼は、なおさらその可能性大です。

③取り合ってくれない系は、本性を隠していますね。本性をさらしたら、ケンカがさらにエスカレートするかもしれないので、これもケンカを避けるための行動です。

④モラハラ系?は、女性にも原因がありそうですね。彼が怒っている理由をわかっていないようですが、必ず理由はあります。彼が、何回か同じことを言っていたり、ちょっとしたサインを出していたはず。それに彼女が気づかず、ウンザリした彼が“だんまり”という手段に。こういった女性は相手の気持ちを察する能力が低いため、彼を怒らせてしまうんですね。こういった男性の一部は自分の常識からはずれたことをされたり、期待を裏切られたり、自分の気持ちを察っしてもらえなかったとき、相手を動かす一つの手段として“だんまり”を決め込みます

●分類別“だんまり彼氏”の真意

・①無視系、②失踪系彼氏→彼女のことを大切に思っていない。そもそも恋人だと思われてなかった!?
・③取り合ってくれない系彼氏→ケンカを避けるために本心を隠している。
・④モラハラ系?彼氏→自分の常識からはずれたことをされたり、期待を裏切られたり、自分の気持ちを察してもらえなくてうんざりしている。

“だんまり彼氏”の口を割らせるために、女性が実践していること

アンケートでは“だんまり彼氏”の口を割るいい方法についても聞いてみました。すると大きく分けて以下の7種類の方法をとってみる女性が多かったのです。

●みんなが実践している“だんまり彼氏”対策

①率直に思いを伝えて、なんとか説得する
②下手に出る。甘えてみる
③威圧する
④油を注いで怒らせてみる
⑤時間に解決してもらう
⑥一旦クールダウンさせる
⑦だんまり対決

“だんまり彼氏”の口を割らせる方法って?

 

――アンケートをとると、ケンカの際、“だんまり彼氏”よりも“応戦彼氏”のほうがいい、という女性が65.6%もいました。どうにかして彼とコミュニケーションをとるため、彼女たちが取っているこれらの苦肉の策。どれが一番有効なのでしょうか?

ぐっどうぃる博士:長期的にみて一番効果があるのは、②下手にでる、甘える、です。男性に“自分の味方”と感じさせることが重要なのです。宮崎駿さんの作品『風の谷のナウシカ』で、ナウシカがテトに指を噛まれるシーンに、こんなセルフがあります。「怖くない、怖くない。ほらね、怖くない。ね? 怯えていただけなんだよね」。まさにコレです。怖がっていると噛みつくんです、優しく接してあげてください。彼に敵と見なされないことが重要なんです。なので笑顔で話しかけるのは有効です。「とりあえず自分が悪かったと言う」のも、味方風に言えばOK。ただ何回も繰り返すと、味方“風”がバレてしまうこともあるので注意が必要です。ただ、とりあえず“謝る”という行為は、状況改善に向けての第一歩になると思います。腹立たしい気持ちを抑えて、「強く言いすぎてゴメン」など、女性側から折れてみるのも賢明です。

⑤時間に解決してもらう、と⑥一旦クールダウンさせる、は少し効果が期待できますが、回避目標といって、お互いに問題を避けあい、徐々に二人の距離が離れて打ち解けない関係になってしまう可能性も。

①率直に思いを伝えて、なんとか説得する、は無意味です。

③威圧する、④油を注いで怒らせてみる、⑦だんまり対決、は事態が悪化するでしょう。特に③と④は最悪、別れが訪れてもおかしくないほど、リスクが高い行為です。ワシントン大学のゴッドマン博士らは、結婚9ヶ月の夫婦124組を対象にした研究で、夫婦が議論をした時、最初の3分が議論全体のトーンを決め、その3分を観察するだけで、夫婦が6年後離婚しているかどうかが予想できると言っています。その3分の間に相手を傷つけあう夫婦は、離婚する確率が高い。最も悪いのは批判と軽蔑で、③と④は、それを引き出す行為なので、別れを覚悟した上で取ってください。そして、⑦の“だんまり”に“だんまり”で対抗するのも、まさに敵対行為にあたります。

ケンカになってしまったとき、口を割らせることが重要なのか、円滑に物事を解決することが重要なのか、女性側もよく考えてみてください。関係を継続したいと願うのであれば、本心でなくてもとりあえず謝ること。そして、彼の話をよく聞いてあげてください。

●ぐっどうぃる博士オススメの“だんまり彼氏”攻略法

・下手に出たり、甘えて、彼氏に「自分の味方」だと感じさせる。
・笑顔で話しかけるのは有効。
・(味方ではなく)味方風を装うのも何度も繰り返すとばれてしまうので注意。
・女性側から折れてあやまるのは賢明。
・口を割らせることが重要なのか、円滑に物事を解決することが重要なのか、よく考えてみる。

●ぐっどうぃる博士による、対“だんまり彼氏”NG行動

・時間に解決してもらったり、距離をおいてクールダウンするなどの行動は、緊急事態では効果があるが、繰り返せば、二人の距離も離れてしまう心配がある。
・威圧したり、わざと怒らせる行動は、いつ別れが訪れてもおかしくないリスクの高い行為。
・“だんまり”に“だんまり”で対抗するのは、まさに敵対行為で事態は悪化する。

ケンカはカップルにとって百害あって一利なし!?

――“ケンカをするほど、仲がいい”と言いますが、あれはウソってことですか!?

ぐっどうぃる博士:大多数はこれに当てはまらないでしょう。そもそも男性はケンカをしたくない、と思っているのですから。まずは、ケンカにならないように、日ごろから相手の話をよく聞いてあげること。彼が何に労力を割いて、何を重要としているのか理解しましょう。利害関係が合い、彼が彼女を味方だと感じ、その女性を本当のパートナーとして受け入れ、「責任をとるモード」になると、彼は何でもしてくれるようになりますよ。彼を「責任をとるモード」に、いかに仕向けるか、が女性の腕の見せ所。そのためには、彼に寄り添い、自分の価値を高めて、味方であることを示してあげましょう。それらをきちんとした上で、相手にして欲しいことがあるなら、お互いにとってプラスになる建設的な議論をしましょう批判や軽蔑の言葉はどのような場合でも避けましょう。それができない、またはそこまでする価値のない彼であれば、お別れするのがいいのでは。ケンカをすることが、相手を知る手段にはならないということを心得ておきましょう。

●男性を思い通りに動かしたいならケンカするより……

・ケンカにならないように、日ごろから相手の話をよく聞いてあげる
・彼に寄り添い、自分の価値を高めて、味方であることを示す
・彼女を心からパートナーと認め、彼を彼女の「責任をとるモード」にする
・して欲しいことがあるなら、お互いにとってプラスになる建設的な議論を
・批判や軽蔑の言葉はどのような場合でも避ける
・ケンカをすることが、相手を知る手段にはならないと心得る

 

“だんまり彼氏”の取り扱い、いかがでしたか? そもそも口をなんとか割らせたい! という考え自体が間違いのようです。まずは相手をよく観察して、ケンカにならないように心がけること。もしケンカになってしまい、“だんまり”を決め込まれたら下手に出てみる。不本意かもしれないけれど、とりあえず謝って、彼の気持ちに寄り添ってあげましょう。母なる大地のような大きな心で彼を受け止めてあげて!

(伊藤康江)

※画像は本文と関係ありません
※『マイナビウーマン』にて2015年8月にWebアンケート。有効回答数189件(22歳~34歳の働く女性)

 

※この記事は2015年10月09日に公開されたものです

伊藤康江

出版社勤務を経て独立。現在はフリーランスの編集・ライターとして女性誌や書籍、ムック本を中心に活動中。

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ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)

自身の体験と生命科学の視点から確立した、独自の恋愛理論で、多くの女性たちの支持を集める。過去にカウンセリングした女性は延べ11000人以上。恋愛や結婚に悩む女性たちに答える日本最大級の恋愛サイト『恋愛ユニバーシティ(http://u-rennai.jp)』主催。 著書に『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)など。
http://u-rennai.jp/goodwill/

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