むくみ、だるさが発症のサイン。脚の血管がクモの巣状に浮き出る「スパイダースキン」
脚の血管がクモの巣のように浮き出る「スパイダースキン」。これまで年配の女性に多いとされていましたが、最近では20〜30代の女性にも増えているといいます。見た目にも変化が起こるため、スカートをはけずに悩む人も多いとか。対策を表参道むくみクリニックの佐野成一先生に聞きました。
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妊娠や出産をきっかけに発症
「スパイダースキンは血液の逆流を防ぐ静脈の弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流することによって起こる病気『下肢静脈瘤』の一種です。下肢静脈瘤は男性より女性に多く、とくに妊娠や出産をきっかけに発症しやすいといわれています。加齢とともに発症のリスクは高まります。また、長時間立ったままの仕事をしている人のほか、家族に静脈瘤がある人も注意が必要です」(佐野先生)
見た目の変化以外にも、血管の痛みや足のむくみ、だるさ、かゆみといった症状が見られるとか。
「血管の痛みは、正座をしたあとの痺れのようなものを想像してください。かゆみは血流が悪くなり、皮膚が乾燥するために生じます。ただし、こうした痛みなどの自覚症状がないケースもあるため、日頃から自分の足を目視でチェックしておくことが大切です」(佐野先生)
また、下肢静脈瘤はもともと良性の病気ということもあり、トラブルが起きても治療をせず、放置してしまう人が少なくないそう。
「スパイダースキンは静脈瘤の中でも比較的軽い症状ですが、放置すれば進行します。太い血管が蛇行するようになるだけでなく、うっ滞性皮膚炎を発症して湿疹が出たり、茶色く色素沈着する恐れがあります。更に悪化すると、皮膚潰瘍ができてしまうこともあります」(佐野先生)
スパイダースキンを防ぐ「貧乏ゆすり」
スパイダースキンの主な治療法には「圧迫療法」や「硬化療法」、「手術療法」、「レーザー治療」などがあります。基本となるのは弾性ストッキングによる圧迫療法だとか。
「弾性ストッキングは普通のパンティストッキングやソックスに比べて圧迫力が強いのが特徴です。足全体をほどよい強さで圧迫し、血液循環を改善することで静脈瘤の進行を防ぎます。むくみやだるさなどの症状があるときはもちろん、2時間以上同じ姿勢をとるような場合も着用するといいでしょう」(佐野先生)
圧迫療法は市販のサポートストッキングでも効果があるのでしょうか。
「医療用の弾性ストッキングに比べると圧迫力が弱いのと、症状に合ったものを選んだほうがいいため、まずはクリニックを受診し、医師に相談の上選ぶことをおすすめします。また、圧迫療法はあくまで悪化予防が目的です。症状が強かったり、見た目が気になり悩んでいるといった場合には、薬剤を使って静脈を閉じる「硬化療法」やレーザー治療など積極的な治療を行うことになります」(佐野先生)
また、スパイダースキンを予防するには「足の血行を良くすること」に尽きるそう。
「仕事で立ちっぱなし、座りっぱなしという人は意識的に“貧乏ゆすり”を取り入れましょう。ウォーキングやランニングも血行改善に役立ちます。また、肥満もスパイダースキン予防の大敵です。もし、座ったときにおなかの脂肪がそけい部(太ももの付け根)に乗る場合はダイエットを始めるのが先決です」(佐野先生)
(取材協力:佐野成一、文:畑菜穂子+ガールズ健康ラボ)
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2015年04月11日に公開されたものです