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『タモリ倶楽部』はココがスゴイ!

『タモリ倶楽部』といえば、「毎度おなじみ流浪の番組・タモリ倶楽部ですが……」というタモリさんの独白から始まる長寿番組です。放送開始は1982年ですから、すでに32年目になるわけです。今回は『タモリ倶楽部』のすごい点をご紹介します。

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台本がしっかりできている!

筆者のような放送作家のはしくれからすると、『タモリ倶楽部』ははるかかなたにある番組です。「ブラブラ感」「ゆるい感」を醸し出している番組ですが、実は台本がとてもしっかり作られているのです。

放送作家の仕事は、まずもって台本を書くことですが、台本は番組の基礎土台です。それだけでも十分面白い、きちんと作られた基礎の上にしか、アドリブやハプニングが成立し得ないことを分かり抜いた番組作りがされているのです。

この台本のきっちりしている感こそ、『タモリ倶楽部』がいつまでも面白い大きな理由といえるのではないでしょうか。

BGMが凝りに凝っている!

『タモリ倶楽部』のBGMは見どころの一つ。タモリ倶楽部通は、今週はどんなBGMが流れるのかを楽しみにしています。

というのは、BGMには、言葉尻やナレーションなどに引っ掛けた楽曲が選ばれているからです。

例えば、2月21日深夜に放送された「ダムマニアの最前線! 大放流!! 世界のダム紙幣」の回を例に取ってみましょう。

タモリさんはじめ、出演者の話しているバックで流れている曲がどこかで聞いたことのある曲だなあ……と思っていたら、アニメ『機動戦士ガンダム』の戦闘シーン用のBGM。ガンダムと「ダム」を掛けているわけです(笑)。

その他にも、「ダム愛に目覚めたのは……」というトークを捉えて、『ベサメ・ムーチョ』が流れたり、「カリバダム」というダムの名称が出てくると、すかさず『パイレーツ・オブ・カリビアン』の楽曲が流れるといった具合。

目覚めた ⇒ 「ベサメ」ムーチョ
カリバダム ⇒ 「カリビ」アン

とダジャレにしているわけです。よくまあこんな面倒くさいことをするなと思いますが、お客さんを楽しませようという精神、またスタッフの番組作りを楽しんでやろうという気持ちが伝わってきますね。

面白いことを無理に言わない!というアドバイス

『タモリ倶楽部』のゲストにオファーされて現場に出掛けていくと、ディレクターから言われることがあります。特に初めて『タモリ倶楽部』に出演する人へですが、「面白いことを無理に言おうとかしないでください」という言葉です。

これは、台本が十分に練られていて、また自然にやれば面白い番組になるという確信がなければなかなか言えない言葉です。スタッフの弁によれば「今までに頑張りすぎて、やけどした人がたくさんいます」とのことです(笑)。

番組が長く続く中で培われた信頼でしょう。筆者など、放送作家として見習わなければと思わされます。

30年以上も面白さを保っているという怪物番組『タモリ倶楽部』。これからまだまだ続いていくのではないでしょうか。

(みずほ太郎)

※この記事は2014年09月02日に公開されたものです

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