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【女の嘆き】なにかと干渉してくる母が重い→「いつまでも半人前の娘を演じる必要はありません」

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

社会人になってあっという間の月日が経ち、順調にステップアップしながら気分よく暮らしているところへ、実家の母からの電話。「身体を壊すから飲み会はほどほどにしなさいよ、残業ばかりしてちゃ結婚なんかできないわよ、ところでボーナスはどう? 貯金はいくらあるの?」、まくしたてる母親の声を聞いているうちに、みるみる萎える自立心。私って、まだそんなに半人前だったっけ?

自分で切り開いた人生を謳歌する娘にとって、母の過干渉は鬼門のひとつ。頼んでもいないのになにかと連絡してきて世話を焼きたがる母。忙しいからと後まわしにしようとすると、結局母の機嫌を損ねてあとあと面倒なことになる。だから、私が半人前ってことにして、好きなように世話を焼かせておけば、母はいそいそと機嫌がいい。でも、これって、まるで母親のために生きているみたいで、なにかがおかしい……。自分の意思で生きたいと思うのは、親不孝なことなの? これはまさに、“親離れ&子離れ”の課題に直面した娘の葛藤と言えます。

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 いつまでも半人前の娘を演じる必要はない
お母さんの手厚いサポートは、弱っているときには心強いものだけど、ひとりでやっていけそうなときには鬱陶しく感じる。一見、身勝手な娘のようですが、自立のためにはこれでOK。本当に困ったときに誰かの助けを借りることができるのも大人の要件ですが、自分の成長を妨げるようなサポートは「必要ない」と意思表示できることも大事な要件だからです。

もし、自分の人生を歩みたいという強い気持ちが芽生えたら、「お母さんの存在意義を満たすために、半人前の娘を演じ続ける必要はない」という考え方を手に入れて。娘に必要とされることが生きがいになっているお母さんは、娘の自立心よりも自分の寂しさを優先してしまうことがあります。これはまさしく、お母さん自身が乗り越えなくてはならない子離れの壁です。

●その2 「子離れの壁」に直面した母を見守る余裕を持つ
成人した娘は、もはやお母さんの知らない世界を持っているのが普通ですが、お母さんのほうは、幼かった娘との関係性の中に生きていることも多いもの。かつては、世の中の危険から我が子を守り、病気や怪我の回復のために尽くすのがお母さんの仕事だったけれど、成人した娘には、人知れず負った傷を自分でなめて治しながら前に進む経験も必要です。ただ、娘を子どもとして庇護する関係から、大人として尊重する関係にシフトすることは、いつの時代も母親にとっては難しい課題。

娘側にできることは、大人の女性として人生を歩むスタンスは崩さず、罪悪感を持たず、できれば愛を持って母を見守ることです。「娘が自分のサポートを断ったからといって、愛情を拒んだり、過去を否定したりしているわけではないのだ」と、お母さん自身が納得するまでは少し時間がかかります。お母さんの変化がはじまるのは、そのあとになるので、余裕を持って見守りましょう。

●その3 傷つけ合わずに話を切り上げるフレーズを用意しておく
お母さんから提案や質問が来るたびに律儀に対応しているうちは、お母さんのペースで物事が進んでいると考えましょう。その流れを変えたいときは、自分から話題を切り上げて「この件は、自分預かり」ということにするとよいでしょう。つまり、自分のほうから、この話題を振らない限りは保留ということにするのです。その例をいくつかご紹介します。

ケース1:休暇や帰省のスケジュールを、勝手に決めてしまいがちな母親には?
・「いろいろ考えてくれたのにゴメンね。仕事の予定が決まるまでは約束できないのよ」
・「今、○○で気が抜けない状況なの。落ち着いたら私のほうから連絡するね」

ケース2:結婚を考えている恋人との関係を、あれこれ詮索してくる母親には?
・「心配する気持ちもわかるけど、なにか進展があれば知らせるから気楽に待っていて」
・「2人の間の微妙なニュアンスもあるし、大事なことだから、自分のペースで進めたいの」

ケース3:保険や貯蓄、資産運用などのプランを、娘に代わって進めようとする母親には?
・「それは即答できないなぁ。必要なときにゆっくり検討できるように資料だけ送ってくれる?」
・「お金の管理は自分でやるから大丈夫。私なりに考えてやってみるから、任せてほしいな」

娘が大人になりつつあることを、母が思わず察するフレーズの数々。試しに使ってみてください。

※画像は本文と関係ありません

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年08月26日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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