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雑学 生活

弁護士に聞いた!名誉毀損ってどんな時に成立するの?

アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士

ニュース記事などで「名誉毀損(きそん)で告訴することを考えています」なんてコメントを見掛けることがありますよね。また、もめ事が発生した際に「それは名誉毀損だ!」なんて叫ぶ人がいたりしませんか。この「名誉毀損」なのですが、法的にはどのように扱われるものなのでしょうか?

アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士にお話を伺いました。

■マスコミ、ネットの書き込みは対象になる!

鈴木弁護士 まず「名誉毀損とは何なのか」を説明しましょう。

名誉毀損とは、

「不特定または多数人が認識できる状況下で、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的事実を告げて、人の社会的評価を低下させる危険を生じさせること」

をいいます。

――「不特定または多数人が認識できる状況下」というのは?

鈴木弁護士 例えば、雑誌、新聞紙などの記事や、インターネット上の書き込みで名誉を傷つける場合、不特定または多数人が閲覧し得るものなので、具体的な事実が書いてあれば名誉棄損が成立し得ます。

――ネットの書き込みも対象になるのですね。

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■「名誉毀損」には「刑事」と「民事」がある!

――「名誉毀損で訴える」なんて言ったりしますが、これは法的にどのようなことなのでしょうか。

鈴木弁護士 「名誉毀損」というのは、他人の名誉を傷つけた場合のことです。「名誉毀損で訴える」とは二つの意味があります。

●「刑事事件」として、「名誉毀損罪」で警察署、検察庁に告訴すること。

●「民事事件」として、名誉毀損した相手に損害賠償請求を裁判所に申し立てることです。

――刑事、民事の二つがあるのですね。

鈴木弁護士 「刑事事件」については、名誉毀損が分かる資料等を警察機関に持って行って告訴することになります。その後の事件の捜査や処理については、警察署、検察庁に任せることになります。

一方、民事事件については、自ら裁判所に裁判を起こすことになります。民事事件はお金の問題ですので、名誉を傷つけられたことによる慰謝料や生じた損害について賠償を請求していきます。

――「民事」の方は裁判を起こすことになるのですね。

鈴木弁護士 はい。慰謝料や損害賠償を求める場合には、「民事事件」として裁判を起こさなければいけません。

■「公益目的」で「公共の利害」があり「真実」なら名誉毀損にならない!

鈴木弁護士 ただし、この行為が、

(1)公共の利害に関する事実で、
(2)もっぱら公益を図る目的に出た場合で、
(3)摘示した事実が真実であると証明された時は、

損害賠償請求は認められません。

つまり、たとえ名誉毀損に当たるような表現でも、(1)~(3)の条件が満たされれば、不法行為とはならず、「損害賠償の対象にもならない」ということです。

――例えば、政治家の汚職に関して記事を書いて、その政治家に「名誉毀損で訴えられた」といった場合が思い浮かびますね。

鈴木弁護士 その場合、(1)(2)は大丈夫だと思いますが、問題は(3)です。その事実があるかどうか、真実かどうかですね。

――つまり「うそを書くな!」ってことですね(笑)。

鈴木弁護士 簡単に言うとそういうことです。(3)の真実性の証明というのは、事実の「主要な部分」が真実であると認められれば足りるというのが最高裁判所の見解です。

■ネットの書き込みは「特定する」のが大変!

――マスコミ、特に報道系は名誉毀損で訴えられないように気を付けないといけませんね。

鈴木弁護士 雑誌や新聞であれば出版社、新聞社が相手になることが明らかなのでいいのですが、インターネット上の書き込みの場合は、相手を特定するのが困難です。

相手が特定できなければそもそも損害賠償を請求することもできません。では、どうやって特定していくかということですが、まずは書き込みされた掲示板やウェブサイトのプロバイダーに対して、IPアドレスの開示について裁判手続きを通じて求めます。

IPアドレスが判明したら、次に書き込みをした発信者の接続プロバイダーに対して発信者の住所や氏名の開示を求める裁判を起こすのです。

そして、書き込みをした発信者の開示がされてようやく慰謝料請求の裁判を起こすことになるので、慰謝料請求が認められるまでに複数回の裁判手続きを経ることになります。これはけっこう大変です。

■名誉毀損罪の法定刑は!?

――「名誉毀損」であると認定された時には、どのような罰則になるのでしょうか。

鈴木弁護士 「名誉毀損罪」が成立します。もっとも、民事裁判で認められても直ちに名誉毀損罪が成立するわけではありません。刑事事件については、刑事の裁判所で認定されない限り罪に問われることはないのです。

名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金です。

――民事事件の裁判で認められる賠償金や慰謝料などの相場はありますか?

鈴木弁護士 加害者・被害者双方が一般人である場合、慰謝料は低く認定される傾向にあり、その平均額は100万円を下回っています。加害者が報道機関で被害者が一般人の場合の平均額はさらに高くなる傾向にあります。

――ありがとうございました。

⇒『弁護士法人 アディーレ法律事務所』の刑事事件サイト
http://www.adire-bengo.jp/

(高橋モータース@dcp)

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