お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

働く女性に増える「ドライマウス」。悩み解消のカギを握るのは女子会!

斎藤一郎

全国に専門外来が開設されるなど、注目を集める「ドライマウス」。男性よりも女性に多く、特に最近では働く女性の間でも増加しているとか。ひどい口臭や虫歯の原因にもなりかねないドライマウスを予防する方法とは? 鶴見大学歯学部教授の斎藤一郎先生に聞きました。

ドライマウスの予防策

ドライマウスの予防策

■慢性的に口がかわく「ドライマウス」。口臭や虫歯の原因にも

「ドライマウスはさまざまな原因によってだ液の分泌量が減り、慢性的に口の中が乾燥する状態を指します。口の中が粘つくような不快感があるほか、舌や口の中の粘膜が傷ついたり、食べ物が飲み込みにくいといったトラブルが生じることも少なくありません」(斎藤先生)

一般的に、だ液は加齢とともに分泌量が減っていきます。女性は男性に比べて50代以降に急激にだ液が減る傾向が見られ、ドライマウスも50代以降の女性に多く見られました。しかし、最近では20~30代の働く女性にもドライマウスで悩む人が増えているそう。

「若い人の場合は、たいていストレスが原因です。人間は極度に緊張すると瞬時にだ液の分泌が止まります。緊張状態が長く続くと、だ液が少ない状態が慢性化してしまうんです。たとえば、日常生活のなかで『クッキーなどの乾いた食べ物を飲み込みづらい』『水がないと食事ができない』『口がかわいてペットボトルが手放せない』といった人はドライマウスを疑ったほうがいいでしょう」(斎藤先生)

口がかわく状態が3カ月以上続くようなら、専門外来あるいは歯科を受診したほうがいいそう。また、口のかわきは感じなくとも「風邪をひきやすい」「きちんと歯を磨いているのに虫歯や歯周病になる」というのも、ドライマウスのサインだとか。

■よくしゃべって、よく笑うのもドライマウス予防に◎

ドライマウスの大半は原因が特定されておらず、治療法が確立されていません。裏を返せば、日常的なケアで軽減できる症状とも言えるそう。まず、注目したいのがレモンや梅干しなど酸っぱいものを食べたときに自然と分泌される「刺激時だ液」です。

「あごや頬にあるだ液腺を刺激し、活性化することでだ液がたくさん分泌されます。食事のとき、よくかんで食べるよう心がけましょう。また、ガムなどをかむことで口のまわりの筋肉を鍛えることも、だ液の分泌量を増やすことに役立ちます」(斎藤先生)

大きく口を動かして「あ」「い」「う」「え」「お」と発音する口唇ストレッチや、「ら」を発音する時のように舌先を上の歯茎につける舌のストレッチも、だ液腺の機能を高めるとか。一方、だ液には、絶えず分泌されて口内を潤す「安静時だ液」もあります。

「ドライマウスの人は、とりわけ安静時だ液に問題を抱えていることが少なくありません。ストレスの原因となる不規則な生活や運動不足の解消はもちろんのこと、意外な効果を発揮してくれるのが女子会です。よくしゃべり、よく笑い、味わって食事を楽しむことがだ液の分泌を増やす近道になります。カラオケで思いきり歌うのもおすすめです」(斎藤先生)

(取材協力:斎藤一郎、文:松澤夏織+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年05月23日に公開されたものです

斎藤一郎

鶴見大学歯学部教授。2002年にドライマウス研究会を設立と共に同大歯学部附属病院にドライマウス外来を設立。2005年にはアンチエイジング外来を設置するなど、口腔と全身のヘルスケアの普及にも従事している。

この著者の記事一覧 

SHARE