お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

冷凍しても菌は死なない! 食中毒が増える季節のお弁当作りのポイント

高谷幸

節約にも、健康にも役立つお弁当。でも、調理した後、時間がたってから食べるものだけに、食中毒予防の気配りが欠かせません。気温が高くなるこれからの季節は、なおさら要注意! 安心して食べられるお弁当作りのポイントを日本食品衛生協会の高谷幸さん(※高は「はしごだか」)に聞きました。

食中毒を起こさないお弁当作りのコツ
■「半熟卵」「煮物」「生野菜」は要注意!

「食中毒予防には、原因となる細菌を『つけない・増やさない・やっつける』の3原則があります。食材をさわる前に、しっかり手を洗うのは食中毒予防の基本。お弁当を作るときは、いつも以上に手を清潔にするよう心がけましょう。おにぎりやサンドイッチは直接手で触れないよう、ラップを使って作るのもポイントです」(高谷さん)

調理の際はしっかり加熱します。肉や魚の生焼けは食中毒の原因になります。また、半熟卵も不向きだとか。オムレツやキッシュなどの卵料理もできあがりをカットし、中まで火が通っていることを確かめるといいそうです。

「とりわけ気をつけたいのは電子レンジで調理する場合です。加熱にムラがあるため、できあがったら、厚みのあるところを切って生焼けでないか確かめてみましょう。火の通り具合が微妙だと感じたら、迷わずさらに加熱することをおすすめします」(高谷さん)

冷凍してあった作り置きのおかずを使う場合も、再加熱が必要です。

「冷凍すれば菌は死んでしまうから安心と思われがちですが、菌は冷凍で死ぬことはなく、休眠状態になっているだけです。常温に戻ればまた増殖がはじまるので、必ず再加熱して菌をやっつけてください」(高谷さん)

ごはんはあたたかいうちにお弁当箱につめ、完全に冷めてからふたをします。一方、おかずは皿などにとりわけ、中までしっかり冷ましてからつめます。おかずが熱いうちに詰めると、お弁当箱の中が蒸れて、雑菌が繁殖しやすくなることに。水分をしっかり切ることも大切です。

「煮物やお総菜を使う場合はしっかり汁気を切り、ほかのおかずに汁けがうつらないよう、シリコンカップなどに入れましょう。生野菜は流水でしっかり洗い、クッキングペーパーなどで水分をふきとって。ただし、レタスなど水分の出やすい野菜はいたみやすいので、夏場は避けたほうが無難。彩りを足したい場合は緑色のシリコンカップなどで代用する手もあります」(高谷さん)

■食べ終わった後のお弁当箱のケアも重要!

食中毒の原因になる細菌の活動がもっとも活発になる温度は30~40度。持ち歩くときは、保冷機能のついたバッグを使ったり、保冷剤をつけるなど、温度を上げない工夫が大切だとか。

「保管する場所もなるべく涼しい場所を選びましょう。車の中や直射日光が当たる場所に置くのは厳禁。こうした場所に置かざるを得ないような場合は、クーラーボックスを使いましょう」(高谷さん)

また、意外と見落としがちなのが食べ終わった後のお弁当箱のケア。空になった後も、残った汁などで雑菌が繁殖し、食中毒の原因を持ち歩くことになってしまうそう。

「給湯室などが使えるようであれば、洗ってから持ち帰ることをおすすめします。その際、ふたのパッキン部分なども取り外せるようなら、分解して洗うようにしましょう。お弁当を食べた後、すぐに洗うのが難しい場合はティッシュペーパーなどで汚れをふきとっておくと、雑菌の繁殖を抑えられます」

(取材協力:高谷幸、文:齋藤純子+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.09)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年05月15日に公開されたものです

高谷幸

公益社団法人日本食品衛生協会専務。事業をとおして食品衛生管理士・食品衛生指導員などの人材の育成に携わる。食中毒予防に必要な情報の発信・伝達など、消費者に向けた食品衛生思想の普及啓発も。

この著者の記事一覧 

SHARE