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気をつけたい「収れん火災」ってどんなもの?―太陽の光が原因

皆さんは、「収れん火災」というものをご存じですか? 収れん火災というのは、太陽の光が虫眼鏡のような凸レンズを通過して一点に集中し、可燃物などを発火させることで起こる火災です。凸レンズだけでなく、光を反射する凹レンズが原因でも起こるそうです。

今回は、どういった物が収れん火災の原因となるのか、また予防法などを、千葉県柏市消防局の火災予防課に聞いてみました。

偶然が重なり起こる収れん火災

――太陽の光が反射して火が起こる「収れん火災」ですが、よく発生しているものなのでしょうか?

いえ、収れん火災の発生例は非常に少なく、まれなケースといえます。というのも、太陽光の角度や可燃物が偶然近くにあることなど、いくつもの要素が偶然重なって初めて発生するものなのです。実際、柏市でも事例は少ないですね。

――発生する場合は、どういったものが原因で光が収束してしまうのでしょうか?

火災事例としましては、車のフロントガラスに貼り付けられた「透明な吸盤」が太陽光を収束させて発火した、「ステンレスボウル」に太陽光が反射して発火した、ベランダに置いた「水の入ったペットボトル」が原因で発火した、などがあります。

――吸盤でも火災が起こることがあるのですね!?

そのため、今では商品に付けられている吸盤は色つきのものがほとんどです。

――収れん火災を防ぐには、どういった点に気を付けるといいのでしょうか?

長時間外出する場合は必ずカーテンを閉めるようにするなど、太陽の光を直接室内に入れないことが大事です。また、窓の近くに透明な光を収束させやすいもの、また光を反射させるものを置かないこと。後は、燃えやすいものを置かないことも大事です。

――原因となる要素を一つでもなくすことが大事なのですね。この収れん火災は冬場に多いと聞きますが、本当なのでしょうか?

冬は太陽の高度が低く、光が長時間中に差し込むために、比較的発生が多いようです。また、冬場は乾燥しやすく、静電気が蓄積しやすいのも一つの要因でしょう。

――なるほど。冬場はなおさら気を付けないといけませんね。

発生頻度は少ないものですが、思いがけず起こる収れん火災。対策もそこまで難しいものではないので、出かける際はカーテンをちゃんと閉めることなどを、心掛けてください。

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年12月30日に公開されたものです

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