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年をとると「もの覚えが悪くなる」のはウソ―記憶力の思い込み

「私は記憶力が悪い」、「私はもの覚えが悪い」と思っていると、その通りになってしまうのが人間の不思議。なぜそのように思い込むと、文字通り「記憶力が低下」してしまうのでしょうか。この心理罠にはまってしまうと、危険!という兆候について、調査してみました。

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「思い出せる」のも思い込みなら、「思い出せない」のも思い込み

年をとると「もの覚えが悪くなる」とはよく言われることがありますが、実はこれも立派な思い込みであることが、最近わかりつつあります。バージニア大学の心理学者、ティモシー・サルトハウス博士の行った実験では、「覚えていたことなのに、思い出せない」というイライラを感じる頻度が、高齢者は多いことは認めつつも、認知症で使われる記憶力検査成績では、この「思い出せないイライラ」が反映されておらず、関係性が見られなかったということを発表しています。

つまり思い出せなくてイライラしているだけで、脳の記憶力は別に衰えてはいないということです。もしかすると「思い出せなくてイライラ」しているのではなく、「思い出せないという思い込みに、イライラ」しているのかもしれませんね。

「自分は記憶力が悪い」と思い込まない

なんでもすぐに思い出してしまうような、記憶力のいい人に憧れるなら、「自分は記憶力が悪い」とか「物覚えが悪い」と思い込まずに、自分もやればできるかもしれないと考えた方が、記憶力は引き出しやすくなります。記憶にたどり着く前に、思い込みによって記憶がブロックされてしまうのを防ぐことが期待できるからです。

実際に記憶力が悪いと考える人が、ものを思い出そうとすると、前述のように「なんで自分はできないんだ」とイライラしたり、感情に振り回されたりしてしまいがち。まずはそんな、自分への思い込みをなくしてみましょう。

よく知っているものと情報を結びつけると、思いだしやすくなる

ものを覚えるときは、「その情報が、自分に必要であり、身近なもの」だと考えた方が、思いだしやすくなります。例えば何かの技術について覚えるなら、その技術は「電子レンジにも使われている」とか、「パソコンでも使われている」とか、身近なものに結びつけて覚えてしまうのです。

身近なものと結びつけることで、より情報への関心が湧き、情報を深く理解することで覚えやすくなります。また物事の本質をとらえることで、新しい興味が湧き、「じゃあ、あの製品にはあの技術は使われていないんだろうか」という好奇心をそそるため、新たな学習意欲もわきます。

覚えたいものがあるなら、ぜひ深く理解するために、身近なものと結びつけて覚えるようにしてみましょう。

「記憶力がいい」というものも思い込みなら、「記憶力が悪い」と考えるのも思い込みです。ぜひ記憶力が低下しているなと感じたら、自分がそう思い込みすぎていないかチェックしてみてくださいね。

※この記事は2013年12月27日に公開されたものです

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