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100人の中に自分がもう一人いたら、70億人の中にもう一人の自分は何人?「7千万人は間違い」

家事や仕事に追われ、多忙な日々を送る現代人。残業続きに嫌気がさして「もう一人自分がいたらなぁ」なんて話を良く耳にする。

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もう一人の自分は、世界に何人いるのだろうか? 100人の友達のなかにもう一人の自分がいたら、世界には自分を含めて5人いる計算になる。友達10人から分身を見つけられたら、自分と合わせて10人もいるから、世界征服も夢ではなさそうだ。

世界には4人の自分がいる?

【問題】

Aさんには友達が100人いる。そのなかに、Aさんと同じスペックの「もう一人の自分」と呼べるひとが1人いた。

世界人口を70億人としたとき、Aさんの「もう一人の自分」は何人いるか?

【答え】

4人

100人のうち1人がもう一人の自分なら、確率は100分の1だから、70億÷100=7千万人と計算した人は、残念ながら間違えだ。確率100分の1はその通りなのだが、分母となる友達は100人しかいない。つまり70億から100人を引いた残り69億強はそもそも他人なのだから、この確率を適用するわけにはいかない。

隣の晩ご飯を直撃し、「我が家は4人家族だから、お宅の晩ご飯も4分の1は私のものだ」と言っているようなものだから、根本的におかど違いなのだ。

それではどのように計算するのか? 二人目の「もう一人の自分(以下、分身と呼称する)」は自分の友達のなかにはいないので、一人目の分身に探してもらうしかない。分身はAさんと同じスペックだから、100人の友達を持ち、そのなかに自分の分身と呼べる人が1人いるはずだ。

つまり自分の分身が、あらたな分身(=二人目)と出会う確率は、Aさんからみれば、100分の1×100分の1=1万分の1、になるはずだ。出会う確率を整理すると、

・一人目 … 100分の1=(100分の1)の1乗

・二人目 … 1万分の1=(100分の1)の2乗

・三人目 … 100万分の1=(100分の1)の3乗

・四人目 … 1億分の1=(100分の1)の4乗

・五人目 … 100億分の1=(100分の1)の5乗

と、以降も100分の1をかけ続ければ求められるが、世界人口を70億人として計算しているので、四人目で打ち止めとなる。厚生労働省によると、2012年の日本の人口が12,752万人だから、これに当てはめても分身はやはり四人が上限となる。

10人の自分で世界征服を目指す?

友達の数が増減すると、分身は何人になるか? オックスフォード大学のロビン・ダンバー教授によると、大脳新皮質が発達した理性的な人ほど友達が多いが、人間のスペックを考えると150人が上限だと述べている。逆に、狭く深い交際範囲を求めるひともいるから、友達の数を10人、150人で計算してみよう。

日本の人口を1億3千万人、世界を70億人して自分の分身の数を求めると、

・(友達)10人 … (分身)日本に8人、世界に9人

・(友達)150人 … (分身)日本に3人、世界に4人

で、10人の濃密な友達のなかに分身がいたら、自身を含めて世界に10人いることになるのだ。

自分が10人いたら、なにができるだろうか? 分身達は自分の知らない空間で生活し、自分にない人間関係を構築しているはずだから、雨が降る確率と電車が止まる確率のように、まったくの別物として考えるべきだ。つまり10倍ではなく、10回あけ合わせた10乗で計算すべきだろう。

収入も能力もできることも10乗になったら、世界征服も夢ではない!

まとめると、

・10人程度の濃密な友人関係を作る

・そのなかに、もう一人の自分を見つける

・自身を含めた「10人の自分」で秘密結社(?)をつくる

これで正義のヒーローでさえ対抗できない圧倒的な力を手に入れられるが、労力もモメごとも10乗に増えるから、大変な苦労を背負いこむことになりそうだが。

まとめ

合コンも同様で、紹介者の友達がそれぞれ100人なら、素敵なひとに出会える確率は1万分の1になる。確率0.01%のめぐり合わせ、なんて表現したら、少しロマンチックに聞こえるだろう。

「ともだち100人できるかな」の歌は正解のようだ。世界征服を夢見るなら、ちびっ子のうちから人脈を増やしておこう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2013年12月15日に公開されたものです

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