【新連載】ダイエット目的で入会したジムで出会った、運命の人!?

遅刻の決まった出勤途中の空いた電車で、
しばらくはポワンとした気分で窓の外を眺めていた。
失恋が決まったことは悲しいけれど、
長嶺コーチとプライベートなお話ができたのは、
とてもうれしかったし、正直これ以上、
毎朝あんな緊張が続くのには耐えられない。
だから、コーチを好きになったことに後悔はない。

それから出社した後は気合で気分を切り替えて、
月に2回ある店舗巡りをこなした。
かなりしんどかったけれど、がんばった。

すると回った店舗全店、行く先々で
「津川さん痩せましたね！」と褒められた。
最初はポカンとしてしまったが、
当然、悪い気はしない。
特に一番仲良しの菊池店長がいる店で
「すごくスタイルよくなりましたよ」
と褒められた時に思わず
「実は今、朝ジムに通ってるの。
とってもかっこいいコーチばっかりなんだよ」
と真実を打ち明けてしまった。
「え、そこ、わたしも行きたいです」
と菊池店長は目をキラキラさせた。
ふふふっ。既婚者が多そうなことは、
彼女には当分、黙っているつもりだ。

（終わり）

 

 

※この記事は2013年10月03日に公開されたものです