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【新連載】ダイエット目的で入会したジムで出会った、運命の人!?

月が変わって10月。朝5時半。
体を引きずるようにしてベッドから出ると、
泡立てずに済む洗顔ムースで顔を洗い、
前の日に用意した服を着て、
BBクリームをつけてリップと眉だけを描いた。
ちゃんとした化粧は、ジムですればいい。
カバンをつかむと、ともかく家を出た。

「うー、案外寒いね、早朝って」
見上げる空にはうっすらと朝焼けが残る。
いいぞ。案外、気持ちいい。
お腹なんか空いてないけど、
一応これから運動するので、
駅のホームでゼリー飲料をすすり上げる。

こんな時間だもの。
ジムにはあまり人もいなくて、
長嶺コーチと一対一でお話する時間だって、
きっととれるに違いない……。
わたしは混んだ電車に揺られながら、
つり革につかまり半分眠ったまま、
夢見心地でそんなことを考えていた。
ところが。
「早朝から運動する人、こんなに多いの!」
ロッカールームは夜ほどではないにしろ、
同じ年くらいの女性でかなり混雑していた。

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