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美人!職なし、彼氏なしから一念発起でコスメブランド「The Balm」を設立した女性の話

メリッサ・シップマンさん(左)写真右は、副社長の妹さん。

スティーブ・ジョブズが自宅のガレージを使ってアップルコンピュータを設立したのは有名な話ですが、わずか12年前に20歳で自分のビジネスを立ち上げ、現在世界的な企業にまで成長させた女性がいます。

メリッサ・シップマンさんは、現在33歳。世界中で展開するコスメティックブランド「The Balm(ザ・バーム)」の創業者でCEOです。世界を股にかける仕事を持ちながらも、夫と可愛い2人の息子、お年寄りになったパグの愛犬と暮らす彼女。いまでは女性の憧れ絵に描いたような人生を手にしていますが、そのスタートは順風満帆なものではありませんでした。

「その頃、私は20代の不安定な時期で、ニューヨークでのテレビ局の仕事を辞め、つきあっていた彼とも別れ、西カリフォルニアへと向かいました。そこで化粧品関係で働いている女性と出会い、化粧品に関しての知識は浅かったのですが、これこそが私の進むべき道だと思ったのです」

でも、サンフランシスコ周辺にある、ほぼすべての化粧品会社に履歴書を送ったものの、化粧品関連の仕事の経験もなかった彼女には面接の機会さえもどこからも与えられませんでした。

職なし、彼氏なし。新しいスタートは上々とは行かなかったのです。

そこでめげなかった、メリッサさん。一念発起し、雇ってくれる会社がないならと、自ら化粧品会社を立ち上げる事を決断します。まずは現代っ子らしく、Amazon.comを利用して化粧品に関する書籍を11冊取り寄せてみました。しかし、その内容は化学者向けに書かれた化学式と専門用語だらけの本で、ちんぷんかんぷん。化粧品を作るためのレシピを解読することはできませんでした。

彼女が唯一知った化粧品を作るための簡単な組み合わせは、シアバター、ビーワックス、ひまし油を混ぜ合わせてつくるリップクリームでした。これにエッセンシャルオイルや香りを付け加え、あらゆる組み合わせを試した後、完璧な調合法を完成するに辿り着きます。これが、いまは世界中で販売される「The Balm」の第一歩となったのです。

その後、「The Balm」はわずか12年間で約60カ国、180ものヘアケア、スキンケア、ネイル、カラーコスメを網羅するブランドへと成長しました。

もちろん、アメリカには新規ビジネスを立ち上げる土壌があるのでしょうが、それでもたった10年超で世界レベルにまで広げるのはすごいですよね!

日本にはこの8月に上陸したばかりのThe Balmですが、その商品はクオリティもさることながら、商品コンセプトが面白いのです。

「The Balm」ブランドの化粧品。パッケージにはビンテージ調のイラストが描かれているのが特徴

例えば、?Mary-Lou Manizer?という、ハイライト、アイシャドウ、シマーパウダーなど複数の用途で使えるプレスとパウダー。アメリカでは女遊びがすごい男性のことを「WOMANIZER(ウーマナイザー)」と呼びます。ブリトニー・スピアーズもこれをタイトルにした曲を出していますよね。Mary-Lou はそのWOMANIZERの女性版で、「MANIZER」。つまり、男女の立場が逆転し、女性が男性をコントロールしているという感じです。艶めく質感を肌に与えることで、男性を惹きつける武器になりそう。

「Meet Matt(e)」は白からダークトーンまで、9種類の肌色がセットされたパレットですが、ここには「男性選びは急がないで」というコンセプトが秘められています。全部で9種類の「マットくん」。マットなカラーが並んでいますが、裏には「肌色の違う9人の男性全員を知ってみてから本命を決めようよ」という意味が込められています。

「Meet Matt(e)」。Mattに続く名字にも欧米系から中東系、アジアを感じさせるものまでよりどりみどり。世界を股にかける女が感じられませんか?

女性が綺麗になるのは、男性に選ばれるためではなく、女性が男性を選ぶため! これまでに

も宣伝ゼロでここまで成長してきたのも、このコンセプトと商品力が世界各国で認められてきたからでしょう。

日本でも順次店頭に並んでいるようです。

(文/北本祐子)

※この記事は2013年09月06日に公開されたものです

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