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【新連載】おれんち泊まれば? 10年ぶりの再会は急展開をむかえ……

高校の頃から、きっちり10年分年をとった啓太が、
でも笑顔だけはあの日のままで、そこにいる。
一瞬あの頃のトキメキまで蘇って、あわててうつむく。

「しばらく、そこに座ってもいい?」
啓太に言われ、ドキドキしたまま首を縦に振る。
「会えるなんて、すごく運がいいな。
実は今、おれ東京で働いてるんだ」
「え、桜坂酒造じゃ……あ、そっか」

そうだ。啓太が地元の国立大から就職をした先は、
残念ながら倒産してしまったんだ。

「しばらく地元でバイトとかしてたんだけど……。
今はなんと、ワイン作ってるんだぜ」
「そっか、がんばってるんだね」
「茜は今も同じ病院で、薬剤師さんしてるの?」
「うん。忙しいけど、みんないい人」
「それは何よりだ。ね、東京で一度会えない?」
「いいよ。じゃあ、LlNEのアドレス教えて」

こうして啓太と再び会う約束をした。

東京へ帰ってからも頻繁にメッセージが来て、
何だかけっこう、いい感じにまとまっていった。

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