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実家暮らしは社会人として未熟!? “自立”することの意味って?

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

社会人になったら、ひとり暮らしをして、経済的にも精神的にも親から自立するのが常識だと言われていますよね。でも、ひとり暮らしとなると、家賃や食費などあらゆることにお金がかかり、十分なお給料がないとハードルが高いことも事実。そのため、実家が近い女子にとっては、ひとり暮らしするよりも結婚するまで実家にいて、お金は自分の好きなように使いながら、貯金もしっかりしたほうがいいと思う人も多くなっていますよね。では、そもそもひとり暮らしはするべきなのでしょうか? そこで今回は、「自立」とはどういうことを意味しているのか、また、ひとり暮らしをすることで得られる成長やひとり暮らしの意味を考えてみたいと思います。

まず、「自立」とは家族などから離れ、依存・受身的感覚から脱し、他者からのサポートを受けずに主体的に自分の足で独り立ちすることを意味します。これは、長く続く人生を生き抜く知恵や力を身につけるために必要なことです。そして、「経済的」「身体的」「精神的」、この3つの要素の基軸がしっかりしてこそ本当の意味での自立を意味します。「経済的」「身体的」なことは目に見えることのため、比較的、自立傾向を掴みやすいものの、精神的自立は形としてあらわれないため、何をもって自立かを納得することがなかなか難しいものです。では、順を追って解説していきます。

まず、「経済的自立」と「身体的自立」についてです。働く女子にとって家賃や食費などの経済的負担は大きなもの。特に都会暮らしとなると、家賃を払うことで貯金もできなくなり、好きな洋服も買えず常にお金に対してシビアな考えを持たなくてはいけなくなります。もちろん、お金がすべてではありません。しかし、お金に少しのゆとりがあると心の安定や余裕も感じられます。そういう負担を考えると多少、通勤が困難であっても実家暮らしのほうがいいような気がするのは当然のことです。

ただ、家賃などの金銭面を除いて物事を考えてみると、ひとり暮らしにはさまざまなメリットがあります。たとえば、時間を有効に使う方法やお金を無駄遣いしない方法を自ら考えるようになったり、夕食も自炊をはじめるようになったり、病気にならないよう健康に気をつけたりと、誰にも指図されない、見られていないことで、自己管理意識が高まります。そして、自分の力で『生きる』という感覚が芽生え、現実を受け入れ、地に足のついた行動ができるようになるのです。つまり、ひとり暮らしで「経済的自立」をすることで「身体的自立」にも繋がっていくのです。

次に「精神的自立」についてです。精神的自立とは、社会や学校、家庭、友だちの中に埋もれている自分を客観視し、本来の自分を強く持つということ。今までの経験の中で無意識のうちに身についた価値観や行動様式などを見つめ直し、「本当に自分自身が求めていることなのか」「自分らしさとは何か」を、主体性をもって人生の棚卸しをする作業をすることで、精神的自立に繋がります。親や兄弟姉妹に守られている環境ではなく、ひとりになることで、自分を見つめ直すことができるようになります。精神的自立が遅れると、培ってきた社会経験を整理する時間が必要になり、根をはった生き方を見出すことへも時間がかかってしまいます。そのため、社会生活になれてきたころには、タイミングをみて徐々に精神的自立の準備をしていくことが大切です。特に、雇用スタイルが変わりつつある現在は、『個』を重視した『和』の時代であるため、現代社会で成果をあげるためにも、精神的自立は必要不可欠です。

そして、結婚する前には一度、ひとり暮らしの苦労を経験し、自分の力で生きる意味を受け止められると、より現実的な生活に等身大の幸せを感じ、毎日を豊かに楽しむことができるようになりますよ。

ひとり暮らしをする必要性とは……

  • 自己管理意識が高まる
  • 自分の力で『生きる』感覚が芽生え、地に足のついた行動ができる
  • 自分を客観視し、本来の自分を見つける時間ができる
  • 『個』を重視した『和』の現代社会で行き抜く力を身につけられる

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。

2013年3月21日(木)、著書『人の本性を見抜くたった一つの質問』(徳間書店)が発売。「好きな数字」「好きな香り」「好きな色」など日常にありふれたものの選択の仕方で、その人の恋愛観や金銭感覚、コミュニケーション力に至るまで、本性を見抜く方法を伝授する一冊。人間関係の難しい現代だからこそ、相手を知ることは大切。この本を読めば、人間関係のお悩みもスッキリ解消できる……はず!?

※この記事は2013年04月09日に公開されたものです

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