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【新連載】親友からの突然の結婚報告を、素直には喜べなくて……

カラオケボックスの室内は、
仕事を終えたコが少しずつ増えて、
気がつくと7人、人でみちみちだった。
失恋をしたコも思い切りはしゃぎながら、
でも突然、歌いながら泣き出したり、
かと思うとまたゲラゲラ笑ったりと忙しい。
こういう失恋なら、立ち直りも早いかな。

それにしても、何時の間にか午前2時だ。
わたしは明日休みだからいいけれど、
出勤予定の後輩たちはどうするんだろう?
……ああ、汗取りシートで体を拭いて出勤か。
わたしも少し前までは同じことをしていた。

「先輩、お疲れ様でした。よかったらまた、
カラオケとか飲みに付き合ってください」
「うん、最近ヒマだから誘ってね」
まだまだ寒い夜明けの街を歩きながら、
カズちゃんはそんな、うれしいことを言ってくれる。
ムリに婚活なんかするより、
こうやって後輩たちと遊んでいた方が楽しいかな。

だがそれから一週間後、有花の結婚式に出席し、
彼女のウエディングドレス姿を見たわたしは
カラオケボックスでの感慨をひらりと捨て、
「絶対に結婚する!」と、固く心に誓っていた。

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