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【新連載】親友からの突然の結婚報告を、素直には喜べなくて……

後輩と遊びにいくこともけっこうあるけれど、
後輩だからこそ、かえって気も使って、
いっしょにいて有花ほど楽しくはない。

そんなことを考えながら、
とあるショップにふらふらと入り、
鏡に向かって春物のピンクのトップスを当ててみた。
すぐに店員がきて「お似合いですよ」と言う。
たしかに悪くはない……のかもしれない。
でも鏡の中に店員がにゅっと首を伸ばして、
わたしの後から笑顔を覗かせた瞬間、
生まれて始めて実感してしまった。

「あ、もう自分は若くないんだな」

頭のてっぺんに「!」が見えた気がした。
そこには衝撃も悲しみもツラさもなかった。
逆にむしろ気づきの快感すら感じたかも。
「これ、ピンクじゃなくてベージュのください」

それからわたしは家に帰ってPCを立ち上げ、
できるだけ普通そうな婚活パーティを選んで、
応募フォームから申し込みをしてみた。
別に「生涯の伴侶を!」と張り切ったわけではない。
この状況を変えるために、
何か少しは努力をしようと思ったのだ。

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