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DV彼氏の特徴と別れられない理由とは。穏便に別れる方法も解説

小日向るり子

DVとは「配偶者や恋人からの暴力」のことを指します。この記事ではDV彼氏の特徴と別れられない彼女の心理、穏便に別れる方法について心理カウンセラーの小日向るり子さんが解説します。

DVとは「ドメスティック・バイオレンス」の略です。直訳すると『家庭内の暴力』となりますが、一般的な概念では家族内でも特に「配偶者や恋人からの暴力」のことを指します。

また、体への暴力だけでなく、言葉も含めた精神的虐待や経済的な支配もDVに含まれます。DVの概念に性別は関係ありませんが、今回は女性にDVをする彼氏(男性)に的を絞り、DV彼氏への対処法や別れ方をお伝えしたいと思います。

DV彼氏の特徴

まずはDV彼氏の特徴を見ていきましょう。性格と行動の2点から解説します。

DV彼氏の性格の特徴

性格面ではどういう特徴があるのでしょうか?

(1)感情コントロールが苦手

全般的に感情のコントロールが苦手ですが、中でも「怒り」のコントロールができない傾向にあります。その要因は、生来の気質もありますが成育歴も関係してきます。

日常的に暴力を振るわれたり目撃したりして育った子どもは、感情表現や問題解決の手段として「暴力」があるのだということを学習するということが起こり得るのです。

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感情の起伏が激しい人の特徴やうまく改善する方法について、解説します。

(2)プライドが高すぎる

プライドは自分の存在に価値を持つことですから、適度にプライドを持っていることは大切です。しかし、DV男性にはそのプライドが高すぎる人がいます。

そのため、ささいなことでプライドが傷つけられた気持ちになり、それが怒りに変わります。

周囲から「始終何かにムカついている人」ように見られることも珍しくありません。

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プライドが高い人の特徴や心理の他、プライドが高くなる原因、対処法について教えます。

(3)プライドが低すぎる

前述したように「プライドが高すぎる」という人もいますが、その真逆でプライドが低すぎてもDVに繋がりやすくなります。

根底に「こんな自分なんてどうなってもいい」といった自己の存在に対する自暴自棄な感情があり、そのエゴを甘えられる配偶者や恋人に向けてしまうのです。

DV彼氏の行動の特徴

次にDV彼氏の行動面での特徴を見ていきましょう。

(1)暴力を振るう

DVと聞くと多くの人が思い浮かべると思います。男性は女性と比較すると力が強いため、大きなけがにつながることがあります。

また、直接身体に暴力を振るうだけではなく、物を投げるなどの破壊行動によって女性の体を傷つける場合もあります。

(2)言葉で傷つける

人格を否定するような言葉を言う、他人の前で彼女の悪口を言う、など言葉で傷つけるだけでなく、大声で怒鳴る、長期間の無視も含まれます。

存在を否定するようなことを継続的にされると、一種の洗脳状態に陥り「自分は価値がない存在だ」と思い込むようになってしまうこともあります。

(3)拘束する

拘束の仕方はさまざまあり、お金を渡さない・家にお金を入れないといった経済的拘束、働かせない・人と交流させないといった社会的拘束、人格否定を繰り返し「ダメなお前には俺しかいない」と洗脳する精神的拘束がありますが、それらを複合して拘束しているケースも多々あります。

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(4)性的暴力

セックスの強要、避妊に協力しない、アダルト動画などを無理やり見せるといった行為がこれにあたります。

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それでも好きで別れられない。依存してしまう彼女の心理

DV彼氏のことが怖いと思いつつ、それでも好きで別れられないという女性もいます。しかし、それは本当に「好き」という気持ちなのでしょうか? 彼から離れられない心理をいくつか紹介します。

(1)自分に自信がない

DVをする人の常套句は「暴力を振るう自分が悪いのではなく自分を怒らせるお前が悪い」です。

暴力を振るう側が100%悪いのですが、自分に自信がないとその言葉に納得してしまいます。

また、元々は自分に肯定的な感情を持てていた人でも長期間DVパートナーと一緒にいると、次第にダメな自分は1人では生きていけない、といった気持ちになってしまい、彼から離れられなくなる傾向にあります。

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(2)彼によって自分の存在価値を確認している

「彼を理解してあげられる人は私しかいないから彼についていてあげなくては」という心理です。

これは一見、彼のためを思っての心理状態に見えますが、実は「彼によって自分の存在価値を確認したい」という心理が隠れています。

お互いがこのように、相手によってしか自己の存在価値を見いだせないという状態を共依存と言いますが、DVカップルはこの共依存状態になっていることが珍しくありません。

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共依存恋愛カップルの特徴と克服方法を心理カウンセラーが教えます。

(3)恐怖

別れたら何をされるか分からない、という恐怖です。これは暴力によるDVを受けている方が陥りやすい心理状態ですが、経済的DVの場合も別れた後の生活に対する不安が大きく、身動きが取れなくなってしまうことがあります。

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DV彼氏と穏便に別れる方法

DV彼氏と別れることを決意したら、なるべく穏便に別れたいと思うもの。ここからは彼と別れる方法について解説します。

(1)別れるのではなく「逃げる」

彼と別れる、と考えただけで不安や恐怖が先立って身動きが取れなくなってしまう人も多いと思います。DVをする相手とは、別れるのではなく「逃げる」と考えてください。自分を守るために逃げることは正しいことだと認識してください。

(2)相談する

DVを受ける時間が長くなればなるほど自分がDV被害者であることに気づきにくくなります。

そのため「これはDVを受けているかも」と少しでも感じたら、信頼のおける第三者に話してみましょう。話せる人がいないという人は、次に紹介する行政の専門機関の相談窓口を利用するのもおすすめです。

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あなたはデートDVという言葉を知っていますか? 聞いたことはあるけれど、どんなことが当てはまるのか、どう対処したらいいか、くわしくわからない人は必見です。

(3)専門家を挟む

もし、自分1人では彼氏と別れることが難しいと考えた場合は警察や弁護士など、権限を持った専門家を間に入れることをおすすめします。

弁護士と聞くと、お金がかかると思って躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、行政が行っている無料相談窓口があります。

プライドが高すぎるDV男性の場合、共通の知人に頼ると彼のプライドが傷ついて益々暴力的になる可能性があるため、「2人のことを知ってくれているから」と安易に第三者に間に入ってもらうことは避けた方が良いでしょう。

DV彼氏に悩む人の相談先

最後に、DV彼氏に悩んでいる人の相談先についていくつか紹介します。自分1人で対処することが難しい場合は、以下の相談先を頼るのも良いでしょう。

(1)警察

緊急性の高い場合は110番や直接警察署に行くべきですが、電話で相談することもできます。番号は全国共通で#9110です(ただしダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できませんのでご注意ください)。

受付時間に制限はありますが、DVの相談にも対応してくれます。

(2)精神保健福祉センター

厚生労働省が管轄している行政機関です。特に、アルコール依存や薬物依存、精神障害が関連しているDVの場合は精神保健福祉センターで相談をすると良いでしょう。

お住まいの地域と精神保健福祉センターと入力して検索すると、最寄りのセンターの情報を見ることができます。

(3)弁護士

自分に合いそうな弁護士事務所を探して相談に行くのも良いですし、役所で行っている弁護士無料相談や、法テラス(無料)を利用しても良いでしょう。

自分を守るために逃げる!

DVにはサイクルがあります。爆発期(暴力や暴言・無視)→ハネムーン期(別人のように優しい、反省する)→緊張期(イライラしてすぐに機嫌が悪くなる)→爆発期、というサイクルです。

爆発期で別れを決意しても、その後のハネムーン期で「彼は本当はいい人なんだ」と思ってしまいDVから逃れられなくなるのです。

彼と自分の間にこのサイクルがある方は彼から離れることを考えてください。別れるのではなく「逃げる」。それは自分の人生を取り戻すために必要な選択です。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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