紅茶を楽しむには? 種類や入れ方・ブランド完全マニュアル
紅茶とは何か、を徹底解説。「どんな種類がある?」「おいしい入れ方は?」といったポイントからブランドや専門店の紹介まで、これを読めば紅茶の全てが分かる完全マニュアルです。
最近、こだわる人が急増している紅茶の世界。
女性はもちろんのこと、男性でも紅茶派の人が多くなり、お笑い芸人のアンガールズ田中さんが「紅茶男子」として注目を集めるなど何かと話題!
知れば知るほど楽しい紅茶ですが、その種類や入れ方、ブランドなどを知って、今よりもっとおいしく味わえたらいいですよね。
今回は、老若男女楽しめる紅茶のあれこれについて詳しく紹介していきます。これを読めば、紅茶のあれこれをマスターできるかも?
そもそも紅茶とは?
そもそも紅茶とは何かをご存知ですか?
「緑茶」「烏龍茶」「紅茶」は同じ茶樹の兄弟
そもそも紅茶は、緑茶や烏龍茶と同じ「カメリア・シネンシス」という茶樹から作られています。それぞれ味わいが全く違うので、この前提を知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
それぞれ何が違うのかというと、答えは製造方法です。これが違うことによって、紅茶や緑茶、烏龍茶と種類が分かれています。
酸化発酵を利用したのが「紅茶」
紅茶の特徴としては、酸化発酵の働きを利用していること。
この発酵具合によってどんなお茶になるのかが分かれ、不発酵であれば緑茶、半発酵であれば烏龍茶、発酵であれば紅茶となります。
酸化発酵を利用した紅茶は、水色(すいしょく)が赤褐色で、より芳醇で深い味わいが生まれます。
発祥は中国の福建省
紅茶の発祥は中国の福建省と言われています。
福建省は、烏龍茶の製造が盛んな街。「紅茶の発祥ってイギリスじゃないの?」と思っていた人にとっては驚きですが、元々烏龍茶と茶樹が一緒である背景を考えると納得ですよね。
ちなみに、17世紀前半に中国からヨーロッパへと伝わった際のお茶は、緑色だったのだそう。
次第に、紅茶の本場であるイギリスでそれを発酵させた烏龍茶が人気を集めるようになり、やがてより酸化発酵が進んだ紅茶が嗜好されるようになったのだそうです。
紅茶の種類
ここからは、紅茶の種類について紹介します。
紅茶の種類としては、エリアティー、ブレンドティー、フレーバーティーの3つが有名でしょう。それぞれどのような特徴を持つのでしょうか。

紅茶の中でも人気を集めている茶葉の種類と、それぞれの特徴について解説します。
◇(1)エリアティー
エリアティーとは、どこの産地で採れた茶葉なのかを示す名前がつけられた紅茶のこと。代表的なのは、ダージリン、ウバ、キーマンと言った世界三大銘茶です。
紅茶は、産地ごとに香りや味わいが異なります。いくつかエリアティーの例を挙げ、それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。
ダージリン
ダージリンティーは、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
世界三大銘茶の1つで、インド東ヒマラヤ山麓のダージリン地方で摘まれた茶葉のことを指します。ダージリンティーは、以下のように収穫時期によって味わいが異なるのもポイントです。
・春摘みのファーストフラッシュ……若葉のような香りとさわやかな渋み。
・夏摘みのセカンドフラッシュ……特に優れた味・コク・香り。
・秋摘みのオータムナル……甘さとわずかな渋み。

ダージリンの時期による味の違いや、おいしい飲み方について詳しく説明します。
ウバ
ウバも、前述の通り世界三大銘茶の1つ。
ウバの産地は、スリランカの南東部、中央山脈東側の丘陵地帯(きゅうりょうちたい)です。
茶葉は1年を通して収穫されますが、最も質が高い時期は7月~8月頃とされています。この時期は乾燥した冷たい季節風が吹く影響で、風味の良い茶葉が生まれるのだそうです。
ウバの特徴としては、芳醇で深い味わいを持ち、その中に渋みが感じられる点です。香りは、爽やかな香りとバラのような甘い香りを持ち合わせています。

ウバの特徴や、おいしい飲み方を紹介します。
キーマン
キーマンもまた世界三大銘茶。特徴としては、スモーキーな香りで味わい深く、旨みが凝縮されています。まろやかなコクで、渋みはあまりありません。
また最上級のキーマンは、まるでバラや蘭のような芳醇な香りが漂います。
ダージリンやウバに比べると聞きなじみがないかもしれませんが、一度は味わってみたい紅茶通に愛される紅茶です。

キーマンとはどんな紅茶なのか、味わいや香り、おいしい飲み方について紹介します。
アッサム
アッサムは濃厚で甘い香りがミルクティーによく合い、とても人気があります。世界三大銘茶の中に入ってはいないものの、多くの人がその名前を知っていることでしょう。
アッサムの茶葉は、インドの北東部にあるアッサム地方で収穫されます。
アッサム地方は、雨がたくさん降るため高温多湿な気候。この気候が紅茶の栽培に適しており、濃厚で甘みの感じられる茶葉を生み出しています。
甘みの中にも、適度な渋みとコクが感じられ、香りは何とも言えない芳醇さがあります。

アッサムティーの特徴、おすすめの飲み方などを紹介します。
(2)ブレンドティー
ここからはブレンドティーについて紹介していきます。
ブレンドティーとは、生産地や収穫した時期の異なる茶葉を組み合わせたものです。味や香りの異なる茶葉をブレンドしたり、同じ生産地であっても違う農園や収穫時期に採れた茶葉をブレンドしたりして、味わいを整えたものになります。

ブレンドティーとはどういったものなのか、特徴や飲み方を解説します。
では、ブレンドティーの中でも有名なイングリッシュブレックファーストティーについて紹介していきます。
イングリッシュブレックファーストティー
イングリッシュブレックファーストティーは、その名の通り朝食に合うように作られたブレンドティーです。
主にアッサムやセイロン、ケニアなどの茶葉がブレンドされています。どんな茶葉がブレンドされているのかを確認してみると、自分好みのイングリッシュブレックファーストが見つかるでしょう。
朝の目覚めによく合うよう、香りは強くコクのある味わいが特徴です。

イングリッシュブレックファーストティーの特徴や選び方について解説します。
(3)フレーバーティー
フレーバーティーとは、茶葉に香りをつけたお茶のこと。フルーツやスパイス、花などの香料が使われ、これらの香りを人工的に茶葉へつけています。
代表的なのは、ベルガモットの香りがつけられたアールグレイでしょう。
フレーバーティーは紅茶に限らず、緑茶に香りをつけた中国伝統のジャスミンティーなども有名ですね。

フレーバーティーの特徴や種類について紹介します。
アールグレイ
アールグレイとは、前述の通り茶葉にベルガモットの香りをつけた紅茶です。つまり、アールグレイといった茶葉があるわけではありません。
アールグレイは非常に人気のあるフレーバーティーですが、使われている茶葉によって味や香りにずいぶんと違いがあります。従って、各ブランドを飲み比べて、自分好みのアールグレイを見つける楽しみもあるでしょう。

「アールグレイ」の特徴やおすすめの飲み方などを紹介します。
紅茶のおいしい入れ方とは?
ここからは紅茶のおいしい入れ方について紹介します。
紅茶の入れ方は、手軽にティーバッグで楽しむもの、ポットを使って本格的にリーフティーを抽出する方法の2パターンが主です。
どちらもちょっとしたコツやポイントを押さえると、よりおいしい紅茶となるでしょう。
ティーバッグでの入れ方
いつでも手軽に楽しめるのが、ティーバッグで入れる紅茶です。カップ1つで入れられるので、特別な道具は不要。茶葉を量るなどの面倒な手間もかかりません。
用意するものは主に次の3つです。
・ティーカップやマグカップ
・お好みのティーバッグ
・熱湯
もちろん砂時計などがあれば、抽出時間を計れるので便利ですが、必須ではありません。スマホのタイマー機能等を活用するのでいいでしょう。
ティーバッグの入れ方は以下の通りです。
1.ティーカップに熱湯を入れて温めておく
2.一度熱湯を捨て、再度カップに熱湯を入れる
3.ティーバッグを静かに熱湯へ沈める
4.カップにソーサーなどでフタをして蒸らす
5.規定の抽出時間待つ
6.最後に軽くティーバッグを振って取り出す
最後にティーバッグを絞ったり振りすぎたりしないようにしましょう。苦味が強く出てしまいます。

ティーバッグ・リーフティーそれぞれでの紅茶の入れ方を紹介します。
ティーポットでの入れ方
より本格的においしく紅茶を味わいたい時には、ぜひティーポットを使って紅茶を入れてみましょう。茶葉の豊かな香りや味わいを存分に楽しめます。
そこにはちょっとしたコツがあるので、こちらも手順を確認しておきましょう。
1.水を沸騰させて熱湯を用意する
2.ティーポットとティーカップに熱湯を注ぎ温める
3.ティーポットの熱湯を捨て、茶葉を人数分入れる(1人分はティースプーン1杯程度が目安)
4.沸騰したお湯を勢い良くティーポットに注ぐ(1人分のお湯の量は150~160ml程度)
5.規定の抽出時間待つ(この時ティーコゼーをかぶせると冷めない)
6.蒸らし終わったら、ティーポットの中を軽くかき混ぜる
7.茶こしを通しながらカップに注ぐ(複数のカップに注ぐ場合には、少量ずつ均等に入れていく)
ティーポットに紅茶が残らないように注ぎ切るのがポイントです。

ティーポットを使った紅茶の入れ方や、おいしく入れるためのポイントを解説します。
まずはこれ! 有名紅茶ブランドをチェック
紅茶の基礎知識を押さえたら、実際に自分に合う紅茶を探してみましょう。
今回は、紅茶ブランドの有名どころをいくつか紹介します。スーパーや全国にある店舗で比較的購入しやすいブランドなので、1つずつ試しやすいはず。
紅茶のブランドについては、こちらの記事でより詳しく紹介しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。

人気の紅茶ブランド8選を紹介します。
(1)WEDGWOOD(ウェッジウッド)
「WEDGWOOD」は、イギリスを代表する陶磁器メーカーです。英国王室御用達で、紅茶も人気があります。
知名度抜群で来客にもぴったり。ぜひとも「WEDGWOOD」のティーポットとティーカップ、茶葉でおもてなししたいものです。
紅茶の味もさることながら、華やかなパッケージにも心惹かれます。
(2)Lipton(リプトン)
「Lipton」の紅茶は、知らない人がいないであろう王道ブランド。
ティーバッグやペットボトル飲料などでよく見かける、おなじみの紅茶です。もちろんリーフティーもありますよ。
ティーバッグは、ピラミッド型の「イエローラベル」が人気。ふだん使いにぴったりな紅茶でしょう。
(3)TWININGS(トワイニング)
「TWININGS」も英国王室御用達の紅茶ブランドです。日本でもおなじみですね。
その歴史は古く、およそ300年の歴史を持つ老舗。茶葉の種類も多く迷ってしまいそうですが、やはり定番の「アールグレイ」「プリンス オブ ウェールズ」を選べば間違いないでしょう。
ふだん使いにぴったりな価格もうれしいポイント。毎日楽しみたい紅茶です。
(4)Fortnum&Mason(フォートナム・アンド・メイソン)
「Fortnum&Mason」は、イギリスの老舗紅茶ブランドです。
英国王室御用達の高級茶葉を扱うブランドで、上質な紅茶を味わいたい人におすすめ。おもてなしにピッタリの特別な紅茶です。
もっと楽しむには? おすすめ紅茶専門店
本格的に紅茶を楽しみたい場合には、専門店を訪れてみましょう。
紅茶専門店ならではの、最適な入れ方、そして最高のスイーツが楽しめます。
紅茶の専門店はたくさんありますが、今回は3店舗を厳選して紹介します。もっとく詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

東京・大阪・京都・神戸など、日本全国の紅茶専門店15選、自宅で楽しめる通販3選を紹介します。
(1)アフタヌーンティー・ティールーム
アフタヌーンティー・ティールームは、全国各地に店舗を構えています。
おしゃれで落ち着いた雰囲気の店内で、おいしい紅茶を手軽に味わえるのがポイント。紅茶に合う、季節ごとのスイーツも見逃せません。
「近くで行ける専門店を探したい」「格式のあるお店は苦手」という人がまず挑戦してみるのにちょうどいいはずです。
【店舗情報】
(2)リプトン 三条本店
リプトン三条本店は、1930年にリプトン本社の直営店として京都三条にオープンしました。
日本で初めてロイヤルミルクティーを出したのは、こちらのリプトンです。
「有名専門店に一度は行ってみたい!」と思ったら、京都まで足を運んでみてくださいね。
【店舗情報】
住所:京都市中京区寺町通三条東入石橋町16
食べログURL:https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26004921/
(3)Tea House TAKANO
「Tea House TAKANO」も、紅茶にハマったら一度は訪れたい専門店。なんと、東京に初めて誕生した専門店なのだとか。
店主は『紅茶 おいしいたて方』という著書を出すほどの紅茶通。
特別な1杯を飲みたい人は、神保町を訪れてみましょう。
【店舗情報】
住所:東京都千代田区神田神保町1-3 寿ビル地下1F
食べログURL:https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000643/
さまざまな紅茶を味わってお気に入りを見つけよう
こだわり出すと、とても奥が深い紅茶。簡単に始められる趣味として、その世界を探求してみるのもいいでしょう。
普段使いとして味わうだけでなく、来客時のおもてなしや、自分へのごほうびに特別な茶葉を楽しむなど、紅茶の登場シーンは多岐に渡ります。
ぜひお気に入りの1杯を見つけて、生活に彩りを取り入れてくださいね。
(ほし ななこ)
※画像はイメージです