「プランクで痩せる」って本当? 期待できる効果と正しいやり方を解説
プランクとは、おなかや二の腕などに効くトレーニングの一種。プランクには「痩せる」イメージがありますが、実際はどうなのでしょうか? パーソナルトレーナーの山内佑太郎さんが、プランクで痩せるといわれる理由や正しいやり方を解説します。
プランクとは、体幹トレーニングの1つです。特別な器具が必要なく自宅で簡単にできる他、おなか周りの引き締めに効果的といわれています。
しかし、正しいプランクのやり方を知らずに行ってしまうとなかなか効果を実感できず、途中で挫折……なんてことになりかねません。
そこで今回は、ダイエットに効果的なプランクのやり方や、NGフォームを紹介していきます。
プランクとは?
プランクとは体幹トレーニングの1つで、同じ姿勢を維持するだけの比較的簡単なトレーニングメニューです。
プランクのやり方はいたってシンプル。まず床にうつ伏せの状態になり、両腕と肘、つま先を床につけて体を支えます。あとはその姿勢をキープします。
キープする秒数は10秒から2分程度が目安となり、自身のトレーニングレベルに合わせてメニューを組めるのも特徴です。
「プランクで痩せる」って本当?
プランクは全身をバランス良く鍛えられるトレーニングです。体幹はもちろん二の腕や肩、お尻、背中などの大きな筋肉に効きます。
体の中にある大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすい状態をつくることができます。そのため、プランクはダイエットに効果的。無駄な脂肪をなくして引き締まった体を手に入れたい人におすすめです。
プランクで全身の筋肉を効率良く鍛えながら、有酸素運動や食事管理を併せて行うことで、より痩せやすい体づくりにつながりますよ。
プランクトレーニングに期待できる3つの効果
ここからは、プランクトレーニングに期待できる3つの効果を見ていきましょう。
(1)おなか周りの引き締め
プランクでは、腹筋を重点的に鍛えることができます。くびれをつくる「腹横筋」や、おなかに縦の筋をつくる「腹直筋」などに効くので、おなか周りの引き締めに効果が期待できます。
一般的な腹筋運動としてよく知られる「クランチ」では腹筋の上部しか鍛えることができません。一方でプランクの場合は1つの動作でおなかの筋肉全体をバランス良く鍛えられるのが特徴です。
(2)猫背や姿勢の改善
プランクは背中の筋肉にも効くため、猫背などの姿勢改善にもつながります。また、プランクを行うことで体幹が安定するため、きれいな姿勢を維持しやすくなりますよ。
日々、姿勢を良くすることへの意識とプランクの掛け合わせで、より短期間で姿勢改善効果が期待できそうですね。
(3)肩こりや腰痛の緩和・予防
プランクトレーニングによって姿勢改善がされることで、肩こりや腰痛の緩和、予防にも効果が期待できます。
肩こりや腰痛は姿勢の悪さが原因の場合が多いもの。体幹が安定して正しい姿勢を維持できるようになると、そうした不調の改善にもつなげることができますよ。
効果的なプランクのやり方
続いては、効果的なプランクのやり方を紹介していきます。初心者におすすめの基本的なプランクから中級者向けにレベルアップしたもの、上級者向けのよりハードなトレーニングまで紹介しますよ。
基本を習得した方は、よりダイエット効果が高まる応用編のプランクトレーニングにチャレンジしてみてくださいね。
【初心者向け(1)】フロントプランク
こちらがプランクの基本姿勢です。初心者さんはまず、基本姿勢から試してみてください。
正しいやり方は以下の通りです。
1.両肘、両膝を床についてうつ伏せの姿勢を取ります。
2.両膝を持ち上げ、つま先と両肘で体を支えます。
3.頭からつま先まで一直線になるよう意識します。
4.このまま姿勢をキープ。初心者の方はまず20秒間頑張りましょう。
【初心者向け(2)】ストレートアームプランク
「基本的なプランクがつらくて行えない」という方は、ストレートアームプランクを試してみてください。基本のプランクよりも軽い負荷で行えます。
やり方は以下の通りです。
1.うつ伏せになり、肩の真下に置いた手を伸ばして体を支えます。
2.かかとを持ち上げ、つま先と手のひらで体を支えます。
3.頭からつま先まで一直線になるよう意識します。
4.30秒程度姿勢をキープします。30秒を2〜3セット目指しましょう。
【中級者向け(1)】サイドプランク
基本のプランクに慣れてきたら、応用編のサイドプランクを行ってみましょう。
サイドプランクでは「腹斜筋」というおなかの横を斜めに走る筋肉により負荷を掛けることができます。やり方は以下の通り。
1.体を横に向けて寝ます。
2.片肘を肩の真下にくるように置きます。
3.ゆっくりと腰を引き上げます。
4.頭から足先まで、体が一直線になるよう意識します。
5.左右それぞれ30秒程度キープ。2~3セットを目指しましょう。
【中級者向け(2)】ハイサイドプランク
「サイドプランクがきつい」という方向けに、サイドプランクよりも負荷が軽めのハイサイドプランクを紹介します。
やり方は以下の通りです。
1.サイドプランクの姿勢を取る。
2.手のひらを床につき、肘を伸ばす。
3.体は横のラインが一直線になるよう意識する。
4.左右それぞれ30秒程度キープ。2~3セットを目指しましょう。
【上級者向け】足上げサイドプランク
最後に、上級者向けのプランクを紹介します。片方の肘と足だけで体を支えるため、中級編で紹介したサイドプランクより、さらに負荷が上がります。
やり方は以下の通りです。
1.サイドプランクの姿勢を取ります。
2.上側の足を頭と同じ高さまで引き上げます。
3.足を下ろします。
4.足の上げ下げを30秒行います。これを3セット。左右交互に1セットずつ行うのが良いでしょう。
プランクのNGフォーム
間違ったフォームでプランクを行うと、体幹に正しく負荷が掛からず効果が損なわれたり、体を痛めたりする可能性も。
NGフォームを知り、正しい姿勢でプランクを実践しましょう。
(1)お尻が下がってしまう
お尻が下がったプランクフォームはNG。基本のプランクの際によくあるNGフォームです。
お尻が下がっているフォームでは、腹筋やおなか周りのインナーマッスルを鍛えることができません。腰が反り、腰痛の原因にもなるので要注意。
腹筋に力を入れて、頭からつま先まで一直線になるようお尻を引き上げましょう。
(2)お尻が上がっている
お尻が下がっているのも良くないですが、お尻が上がっているのもNG。この姿勢では、腹筋に正しく負荷が掛かりません。
プランクでは、体を1枚板のようにまっすぐキープすることが大切。「なかなか効果が出ない」なんてことがないように、お尻の位置を意識して行いましょう。
(3)顔が前を向いている
顎が上がり、顔が正面を向いているのもNGフォームです。首に負担が掛かり、痛めてしまう恐れがあります。
目線は斜め前を向き、顎は上げすぎないよう注意しましょう。
(4)サイドプランクで腰が曲がっている
バランスを保つのが難しいサイドプランクですが、画像のように腰が引けてしまっているフォームも、トレーニングの強度が低くなってしまうので注意が必要です。
どうしてもバランスを保つのが難しい場合は、まずは焦らず通常のプランクから行い、筋肉の使い方をマスターしましょう。
正しいプランクでおなか痩せを目指そう
今回は体幹トレーニングのプランクについて説明しました。プランクは正しいフォームで継続的に行うことで、おなか痩せや姿勢改善などに効果が期待でき、きれいなスタイルを目指せます。
また、あまり場所を取らないシンプルなトレーニングなので、自宅のちょっとしたスペースで行えるのも魅力の1つです。
自身のレベルに合わせて無理のない範囲でチャレンジし、プランクで理想のボディを目指してみてくださいね。
(監修:山内佑太郎、取材・文:#TOKYOWORKOUT)
※一部画像はイメージです
※本記事はトレーナーの見解に基づき解説しております