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「運びとなりました」はどう使う? シーン別の使い方や類義語

丸山りさ(まる)

有名人の結婚報告などでも見聞きする「運びとなりました」というフレーズ。ビジネスシーンでも、報告する際などに用いられますが、正しい使い方を理解していますか? 今回は「運びとなりました」の使い方や類義語を紹介します。

「運びとなりました」という表現は、ビジネスシーンで上司に報告する際などで主に使われる言葉です。

どのような場面で使用するのが適切なのか、正確には知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、使い方や注意点、類義語を解説します。正しい意味を理解し、ビジネスシーンで好印象をゲットしましょう。

「運びとなりました」とは?

まずは「運びとなりました」の意味や「運びになりました」との違いについて説明します。

「進展や決定・結末」を報告する際の表現

「運びとなりました」は、「決定しました」「決まりました」を丁寧にやわらかく表現した言葉です。

「運ぶ」と聞くと「物を運ぶ」という意味に捉えがちですが、「その方向へ推し進める」「物事がうまく進む」という意味もあります。

「運び」に「~となりました」という言葉を付けることで、「物事が進行し、ある段階に至った」ことを報告する際に使います。

また、「運びとなりました」という言葉には「意外性」も含まれています。「当初、意図していた計画や結果とは少し違って」というニュアンスを持つ言葉でもあります。

「運びとなりました」と「運びになりました」の違い

「運びとなりました」と「運びになりました」は、同じ意味として使うことができます。

どちらも「進展や決定、結末」を報告する際に使って良い表現ですが、一般的には「運びとなりました」の方がかしこまった印象を与えるため、ビジネスシーンなどオフィシャルな場面で使われることが多いでしょう。

一方の「運びになりました」は話し言葉で使われることが多い表現です。

「運びとなりました」を使うシーンは?(例文付き)

「運びとなりました」という言葉は、改まった印象、丁寧な印象を与える言葉でもあるため、大きな出来事や重要な決定事項の報告の際に用いられます。

どのようなシーンで使える言葉か見ていきましょう。

退職の報告をする時

「運びとなりました」が比較的よく使われるのが、退職の報告をする時です。

例文

・○月○日をもちまして、退職する運びとなりました。

・私事ではございますが、○月末日付にて退職する運びとなりました。

・このたび、○月末日付で退職する運びとなりました。

退職の報告をする際は、日付を一緒に報告するのが一般的な言い回しです。

ビジネスシーンでは、「辞めることになりました」というよりも「退職する運びとなりました」と伝える方が心象も良いでしょう。

退職の報告としてテンプレート的な言い回しなので、覚えておいて損はありません。

結婚の報告をする時

職場では、上司など社内の人に結婚の報告をすることもあります。

そんな時にも「運びとなりました」という言葉は使用可能です。

例文

・このたび、○月○日に結婚する運びとなりました

・私事ではございますが、このたびご縁があり、結婚する運びとなりました。

「私事ではございますが」という言葉を付けることで、より丁寧な言い回しになります。

「運びとなりました」は、結婚式の招待状などでもよく使われるフレーズです。

転職・転勤を報告する時

退職の報告と同じように、転職や転勤が決まった時にも使えます。

私情の決定事項を伝える時は、上司や取引先など、誰に対して使っても問題ない言葉でしょう。

例文

・このたび、○○支社へ転勤(異動)する運びとなりました。

・○日付で退職し、転職する運びとなりました。

なお、普段あまりコミュニケーションを取らない上司や取引先に対して「運びとなりました」という言葉を使う際は、「内容」に注意が必要です。

私事の報告であれば問題ありませんが、プロジェクトなどの進行や調整を伝える際に使うと、「勝手に判断・決定した」という印象を与えてしまう可能性もあるからです。

会社の設立や移転を報告する時

オフィスの移転や会社を設立することを報告する際にも使えます。

ビジネスシーンでは、会社の周年パーティーなどの催し物、会議の日程変更を報告する際などにも使われます。

例文

・このたび、○○市にオフィスを移転する運びとなりました。

・皆さまのご尽力により、このたび会社を設立する運びとなりました。

サービスや業務が終了する時

「運びとなりました」は、個人的なことから会社のことまで、決定や進捗を報告する際に使える言葉ですが、ネガティブな報告をする際にも使われます。

悪い知らせに対して使われる場合は、「希望とは異なる結末ではあるが」というニュアンスも含まれています。

例文

・誠に勝手ながら、○月末をもちましてサービスを終了する運びとなりました。

・新プロジェクト進行により、現在の業務は一時中断する運びとなりました。

「運びとなりました」を使う際の注意点

「運びとなりました」を使う場面を間違えると、大げさに伝わってしまったり、押し付けているように伝わってしまったりすることもあります。

そのため、ちょっとしたことを伝える時には向いていない言葉だともいえるでしょう。

ここからは、「運びとなりました」を使う際の注意点を確認していきます。

重要な決定事項の時にのみ使う

「運びとなりました」は、重要な決定事項を伝える時に使いましょう。

ビジネスの場では、プロジェクトの進行報告や会議の日程変更、退職や転勤など、大きな事柄でのみ使う方が無難です。

「決まりました」と言うと一方的な印象を与えますが、「運びになりました」という言い回しなら、やわらかい印象になりますよ。

「勝手に決定した」と誤解を与えないように使う

日頃からコミュニケーションを取れていない上司や目上の人に対しては、他の言葉で伝えた方が良い場合もあります。

「運びとなりました」と言い切ることで、「勝手に決定した」と誤解を与える可能性があるからです。

また「運びとなりました」には「予定通りの結果や進行状況ではなくなった」というニュアンスも含まれるため、内容によっては誤解を生んでしまう場合もあるでしょう。

「運びとなりました」の類義語と使い分け

「運びとなりました」と似ている言葉を知っておくと、報告する際にも便利です。

また、それぞれの類語は微妙にニュアンスも違うため、報告内容や相手によって使い分けることができれば、ビジネスシーンで困ることもないでしょう。

「決定されました」

「決定されました」は「運びとなりました」と同じ意味を持つ言葉ですが、より断定的な印象を与える言い回しになります。

強い表現であるため、使うタイミングには注意が必要でしょう。

「100%決定事項であり、変更は認められない」といったニュアンスも含まれるので、誤解を生みたくない場合はあえて使われる表現です。

「変更されました」

「運びとなりました」には、「多少予定とは違うが、物事は進んでいる」というニュアンスが含まれます。

「変更されました」は「変更が決定されたこと」がより強調されるため、内容によっては使い分けが必要です。

「変更が確定したこと」を伝えたい時、変更点を強調して伝えたい時には、「変更されました」と言う方が分かりやすい場合もあります。

「~となりました」

「~となりました」は日常的にもよく使われる言葉です。

相手も予想していたであろう、そこまで意外ではないことを報告する際に使います。

「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来月に予定していた全国部長会議は、オンラインでの開催となりました」など、予定変更の際などに使われることが多いでしょう。

「~の次第です」

「~の次第」は「なりゆきや経緯を表す言葉」です。

「これがこうなったため、こういう結果になった」と目上の人に伝えたい時など、状態が変化したことを伝える際に使えます。

「~となりました」という言い回しよりもオフィシャルな場面に向いている表現です。

「運びとなりました」の意味を理解してビジネスシーンで活用しよう

いかがでしたか?

「運びとなりました」は、物事が進行し、ある段階に至ったことを報告する際に使われる言葉です。

冠婚葬祭や退職、転勤など、個人的な報告の場合でも用いることができます。

重要な決定事項をやわらかく丁寧な印象で伝えられる言葉なので、ぜひ上手に使いこなしてみてください。

(まる)

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