悪い男はナチュラルに「下心」をトークに乗せる #悪い男の恋愛ブラックファイル
幸せな恋愛をするためには「悪い男に捕まらないこと」が一番大事。この連載では、恋愛を語る奇術師・浅田さんが、悪い男たちの恋愛手口を紹介します。
お嬢さん。
幸せな恋愛をゲットするための、たったひとつの冴えたやり方をご存じでしょうか?
それは「悪い男に捕まらない」こと。
いいですか?
この世には、貴女の心と身体を奪おうとする獣や悪魔がたくさんいます──いま、この画面を見ながら想像したよりもずっと。この連載では、そんな「悪い男」の手口を紹介していきます。
それをどうか心の中にファイルしてください。危ない色のファイルですが、いつか役に立つときがくるはずですから。

気になる彼の「下心度」を診断でこっそりチェックしてみましょう。
本日の恋愛ブラックファイル
「最近、男となんかあった?」
「恋人いないからって、何もないわけじゃないでしょ?」
「キスしたくなる雰囲気あるよね」
「今日帰りたくないって言ったら怒る?」
わかりますか。
このナチュラルに下ネタトークがはじまりそうな感じ。さらっと「大人の会話」の雰囲気で、そういう夜の話題に突入しそうな感じ。お酒でも入っていれば話もはずみそうですよね。
思わず、
「なんかドキドキしてきた」
「今夜くらいハメをはずしても……」
なんて考えてしまうかもしれません。
そんなときに限って、相手の男性も(ふわっとイケメン感があって、気がきいて、話がおもしろかったりするとさらに)艶っぽく見えたりして。ますますドキドキがふくらみます。
「つか、めっちゃ髪キレイだね。触っていい?」
「女の子の肌ってすべすべだよね」
「めっちゃ手ちっちゃいじゃん。比べてみようよ」
さらに、さりげないボディタッチを繰り出されもします。いつのまにか席も近くなって、距離感も絶妙です。甘いささやきが耳の奥に聞こえます。
ぼうっと体温も急上昇。じんわり汗をかいて、うちわみたいに手で顔をぱたぱた扇ぎたくもなるでしょう。そんなときに限って、終電の時間も近くなっているわけです。
熱の浮くような調子で、ほろ酔いのままなんだか楽しいし、もしかしたら真剣な交際に発展するかもだし、最近誰とも何もなかったし今日くらいどうなってもいい気がして──。
ダウト!
お嬢さん。それが悪い男のブラック恋愛術なのですよ。
よろしいですか。悪い男ほど、ナチュラルに「下心」をトークに乗せてくるのです。居酒屋やバーで、当たり前のように、そういう話題を入れこんでくるのです。
彼の目的は言うまでもありませんよね?
この手口を使う悪い男のタイプ
ズバリ「下心リード系男子」です。
このタイプは、最短で、己の欲望を叶える方法を知っています。本能か、計算かはわかりません。しかしまちがいなく恋愛のエキスパートだといえます。
何かとコミュニケーションをリードするのが上手なタイプでしょう。
楽しい話題や冗談をぽんぽん投げたり、デートの行き先もパッと提案できたりします。ついつい女心が乗せられてしまうのです。もちろん、それは「女慣れしている」という意味です。
彼がこの手口を使うということは、それで今まで成功してきたということです。かなりレベルの高い、したたかな悪い男だと考えましょう。
この手口を使う効果と男性心理
その悪い男が、デート中に「下心トーク」を入れこんでくる理由はシンプルです。
あなたを「その気」にさせられるから。
なんとなくピンとくるかもしれません。すごく大事な話なので、心理学を使って、少しだけくわしく説明してみますね。
そもそも人間には「イメージしたように身体に反応があらわれる」という性質があるのです。
レモンを想像するだけで、口のなかに唾液がひろがりますよね。目の前に本物のレモンがあってもなくても関係ありません。それと同じことです。
想像したら、身体に反応があらわれる。
つまり下心を入れこんだトークをすると、つい想像して、貴女の身体も反応してしまうというわけです。身体がそれを受け入れる準備をはじめるのです。
悪い男は、それをあえて利用します。かなりエキスパートな手口だといえるでしょう。まさに悪い男のブラック恋愛術です。
この手口の見破り方と対処法
どうやってこの手口を見破ればいいのか?
とにかく「下心トーク」に敏感になりまくることです。
どれだけナチュラルに話題がはじまろうが、どれだけ相手が大人の空気感をかもし出そうが、そういう話をして当然だよねという感じだろうが、関係ありません。大事なことなので、もう一度書きます。
どんなシュチュエーションだろうが「それが下心を含んだトークかどうか?」だけに着目してください。
とにかく会話の内容だけです。悪い男ほど、ナチュラルに、違和感なく、楽しく、下心トークを入れこむエキスパートなわけですから。そこで判断するしかありません。
もし、さらりと下心がトークに登場すれば、限りなくブラックに近いグレーでしょう。
その証拠に、彼の口から「下心トーク」がでるのは、決まって勝負をかけるデート終盤のはずです。夜でなくてはならないのです。彼にはしっかりとした目的があるから。
その瞬間、気をひきしめること。
刺激的な会話と、デートが楽しいのはわかります。
しかし、お嬢さん。
ひと晩だけの楽しみは、よくも悪くもひと晩だけのもの。永遠の愛にはなりません。それも人生の味かもしれませんが、少なくとも、相手のペースに乗せられて決断してはいけません。
もし彼と長く付き合う関係でいたいなら、早まらないこと。これは絶対のルールです。それで機嫌を悪くする男は、どのみちどこかに逃げていきますよ。
そのドキドキは作り出されたものではありませんか?
(文:浅田さん@令和の奇術師、イラスト:ますだみく)
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