悪い男は「忙しい」と言って会ってくれない #悪い男の恋愛ブラックファイル
幸せな恋愛をするためには「悪い男に捕まらないこと」が一番大事。この連載では、恋愛コラムニスト・浅田さんが、悪い男たちの恋愛手口を紹介します。
お嬢さん。
幸せな恋愛をゲットするための、たった一つの冴えたやり方をご存じでしょうか?
それは「悪い男に捕まらない」こと。
いいですか?
この世には、貴女の心と体を奪おうとする獣や悪魔がたくさんいます──今、この画面を見ながら想像したよりもずっと。本連載では、そんな「悪い男」の手口を紹介していきます。
それをどうか心の中にファイルしてください。危ない色のファイルですが、いつか役に立つときがくるはずですから。
本日の恋愛ブラックファイル
「あー、その日無理だわ」
「最近すごい忙しいんだよね」
「だからデートできないかもだけどゴメンね」
分かりますか、この感じ。
この「忙しい」という盾をゴリゴリ押し付けてくる感じ。
正直、忙しいと言われたら何も言えませんよね。仕事が大事なのも分かるから。いわゆる「仕事と私どっちが大事なの!?」と突き付けたくなるのをグッとこらえるわけです。
お互い社会人だから、それくらいのこと分かってる。会いたいと言われても迷惑なだけだよね。ちゃんと聞き分けのいい女性になろう。彼をガッカリさせないように。スマホを握りしめて、ずっと連絡がくるのを待って、少しでも会えるときを――。
ダウト!
お嬢さん。それが悪い男のブラック恋愛術なのですよ。
よろしいですか?
悪い男は「忙しい」という言葉を利用するのです。
女性が反論できなくなる言葉だから。会えなくても責められない言葉だから。そして交際の手を抜いたり、時にはキープにしたり、浮気したりするのです。
この手口を使う悪い男のタイプ
ズバリ「多忙系男子」です。
始めに補足させてください。
世の中には本当に忙しい男性もいます――本当に忙しい女性がいるように。ほとんど休みもなく朝から夜の23時まで、レーシングカーみたいに、ブッ続けで仕事をしている人種もいるのですよ。素直に拍手です。
ただ、今回の「多忙系男子」は彼らのことでありません。
そこまで忙しくないのに「忙しい」という言葉を利用する男子のことなのです。
とにかく「忙しい」を口にするのが特徴です。言いふらすのではありません。ちょっとしたときに「あー、忙しくてさ」を言い訳のように使うのです。
忙しいと言われると文句も言えません。それどころか仕事に夢中になる男性は輝いて見えもするでしょう。しかしその正体は、体よく、遊ぶための時間を作ろうという悪い男なのですよ。
この手口を使う効果と男性心理
悪い男がこの手口を使う理由はシンプルです。
とても都合のいい言葉だから。
女性側の「会いたい」という言葉を完全に封印できます。だって、忙しいから。何ともひどいことに「会いたい」と口にする方が、「空気を読めていない(男の仕事のつらさを理解していない)」という感じにもなってしまうのですね。
これを利用して多忙系男子は時間を作るわけです。その狙いは大きく3つです。
・恋愛をサボるため
・女性をキープ扱いにするため(あまり会わないからできる)
・その時間に浮気するため
うむ、なかなかのブラックですよね。貴女が「たまには会いたいな……」と言うと「忙しいって言ったじゃん」と逆ギレする男子もいることでしょう。かくして不安になりながら、彼のLINEを待ち続けることになってしまうのです。
しかし、これは完全な嘘であり、完全な裏切りです。
貴女は全く悪くありません。貴女をだまして、女心をコントロールしようとする最悪の手口。まさに悪い男のブラック恋愛術です。
この手口の見破り方と対処法
この手口の見破り方を紹介します。
とにかく「忙しい」という言葉が出たら気を引き締めること。
しかし、これだけでブラック認定してはいけません。先ほども書いたように、本当に忙しい男性もいますから。その場合は(ある程度は要望を伝えつつ)応援してあげるべきですよね。
その上で「本当に忙しい男性なのか? 言い訳じゃないのか?」という目で観察すること。
ここだけを見ればOKというポイントがあるわけでありません。多忙系男子だって、一生懸命に知恵を絞って「忙しいふり」をすることでしょう。
参考までに。仕事の話がふわっとしていないか、こそこそした態度はないか、仕事の割に鞄の中身がおかしくないか、やけに楽しそうに(おしゃれして)出かけてないか、などを注意して見ましょう。分かることがあるかもしれません。
彼の「忙しい」を疑ってみるのは、無駄ではないはずです。
もちろん、その先に衝撃の事実を知ることになるかもしれません。しかし貴女が幸せになるためには、何だってすべきなのですよ。貴女の人生なんだから。
そして、もし何か発覚しても、ぜひとも賢明な判断をしてほしいなと思います。少なくとも、そう思っている人間が、この文章の奥にいることは知っておいていただけると幸いです。
“何かがおかしいときは真実が隠れていないかに気をつけること”。
最後に、イギリスの劇作家バーナード・ショーの言葉を書いておきます。
お嬢さん。
その「忙しい」は、おかしい感じがしない?
(文:浅田さん@恋愛を語る奇術師、イラスト:ますだみく)
※この記事は2020年04月18日に公開されたものです