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仕事が怖い。仕事への恐怖心を克服する方法

菅田芳恵

はらきよか

会社の上司や先輩にミスを怒られたり、仕事で思ったような成果を出せなかったり。会社に行くのがツラく、仕事に対して恐怖心が生まれてしまうことがありますよね。でも、安心してください。そんな仕事への恐怖心を解消するために必要なことについて、人事労務・キャリアコンサルタントの菅田芳恵さんに教えてもらいました。仕事への恐怖心を抱えたまま仕事を続けた場合のリスク、会社や仕事が怖くなる原因と解決策など、仕事に対する恐怖に打ち勝つための役立つ情報を紹介します。

仕事が怖い。この気持ちは甘えなの?

「仕事が怖い」「仕事がツラい」というのは甘えているのではなく、仕事に対して自信がないから、不安だからだと思います。自分が担当した仕事に対して「これでいいのだろうか」「ミスをしないだろうか」などをいつも考えているので、怖くなるのです。さらに、毎日不安な気持ちで仕事をしているとツラくなります。感情の流れとしては、「仕事に対して自信がない→うまくできないかもしれない→ミスをしたらどうしよう→仕事が怖い、ツラい」というところではないでしょうか。

つまり、甘えではなく自分の仕事に対する自信のなさが原因となっているのです。それがわかると、実は「仕事が怖い」という感情を克服するのは、それほど難しいことではありません

仕事が怖い。そのまま続けるとどうなる?

仕事や会社が怖いけど、生活するためには働かないと……。このように恐怖心を抱いたまま仕事を続けた場合、どうなってしまうのでしょうか。

心身の健康を害する

恐怖心を抱いたまま行う仕事は、悪いストレスとなります。「イヤだイヤだ」と毎日感じながら仕事をしていると、ストレスが徐々に溜まり、仕事が気になって夜眠れなくなってしまいます。実はこの眠れない状態が心身に一番悪影響を与えているのです。この状況が続くと、心と身体が疲れ切って、さまざまな症状を引き起こします。この状態を打破するには、仕事が気にならないほどに自信をつけることです。

職場でうまくコミュニケーションをとれなくなる

会社には、ひとりで完結する仕事はありません。チームや組織が絡み合って仕事を進めていきます。そこにひとりでも仕事が怖くて時間がかかったり、何度もやり直したりなど、うまくできない人がいれば、スムーズに仕事が進まず、組織やチーム全体がうまく回らなくなります。つまり、みんなに迷惑をかけることになります。

迷惑をかけるだけならいいのですが、その過程で多くの人に「仕事が遅い」「いい加減な仕事しかできない」など、心ないことを言われることも。そうするとますます仕事がツラくなっていき、職場で孤立してしまう可能性もあります。仕事で仲間とうまくやっていけないと感じたら、自ら自分の思いをみんなに伝えてください。勇気がいることですが、ツラい気持ちを打ち明けることで、共感を得て、助けてくれる人がきっと現れると思います。

会社を辞めざるを得なくなる

仕事が怖いということは、仕事が楽しくない、ツラいということにほかなりません。そのようなツラい仕事を続けられるわけがありませんよね。早く楽になりたいと切に思うようになり、結局会社を辞めて転職することになります。

しかし、転職をしても同じことの繰り返しになる可能性があります。何かうまくできない仕事があると「私ではとても無理、どうしよう」となって、最終的に仕事が怖くなってしまうのです。うまくできない仕事があっても「大丈夫! 私なら今までの経験があるからできる」「慣れない仕事だから仕方がない。これからうまくなるように努力しよう」と考えることが大切です。

仕事への恐怖心を乗り越える方法

では、会社や仕事への不安感を拭い去るにはどうすればいいのでしょうか。原因と対処法を解説してもらいました。

【ケース別】仕事が怖いと感じる原因

新卒のケース

まったくスキルのない状態なので、すべての仕事が怖いと感じるでしょう。しかし、それは当然であり新卒であれば誰でも同じように感じるものです。初めての仕事でも、時間が経ち慣れるにしたがってうまくこなせるようになり、自信がつき怖さも徐々に薄れていきます。

それでも怖いと感じるようであれば、職場の上司や先輩に相談することです。みんな同じ道をたどっているので、自分だけではないと安心できるでしょう。

転職のケース

転職の場合は、自分の今までのスキルが問われます。新卒と異なり、初めからスキルがあると考えられるからです。それなのに、自分の持っているスキルが発揮できない仕事の場合、怖いと感じてしまいます。転職に関しては、一般的に前と同じような仕事に就くケースが多く、経験者ということで賃金を上げてもらえます。しかし、同じ職種に転職をしても会社の求めるスキルと今まで培ってきたスキルが同一とは限りません。そこで転職の際に売り込んだ自分のスキルに自信をなくして、仕事が怖くなってしまうのです。

転職の際に、初めから仕事の内容を確認して経験がない仕事があれば、必ず前もって「ほとんど以前の職場と同じ仕事で自信はありますが、一部の仕事に関してはあまり経験がありませんので努力します」と伝えておけば、心が軽くなると思います。

アルバイトのケース

なぜバイトという働き方を選んだのかと問うと「バイトだと自由だし気楽だから」という回答がよく返ってきます。そのため、気軽にはじめたのに責任を負わされると仕事が怖くなってしまうのです。

アルバイトであれば正社員と異なり、責任の度合いが低いのは当然のこと。しかし人手不足の現在、正社員がいなくてバイトにまで責任を負わせている企業はけっこう多いのが現状です。

そこで、アルバイトをはじめるときには、必ず仕事に関する責任について確認をしておくことが重要です。上司がいれば当然その人の責任となりますが、時に上司がいないケースも多々あります。その場合の責任の所在がアルバイトにかかってくるのであれば、考えるべきでしょう。

仕事の恐怖心を克服するには

仕事に対してスキルを上げる

仕事に対して自信を持つことが最も重要なことなのですが、なかなか難しいのが現状かもしれません。まず、仕事に対する自分のスキルが少しでも上がるように努力をしましょう。仕事のミスをなくす、仕事を効率的に行うよう工夫する、わかりやすく見やすい文面を考えるなど、今まで指導、注意されていた事柄を思い出して、それを克服するように努めましょう。わからなければ先輩や上司に尋ねてみることをおすすめします。

先輩や上司に相談をする

誰でも初めは仕事に対して恐怖心を抱くものです。初めて行う仕事であれば、年齢は関係ありません。そこで、職場の先輩や上司に相談をしましょう。すると「私も初めは怖かったのよ。でも繰り返したミスを自分なりに工夫することで減らして、今ではなんでもできるようになったのよ」などのアドバイスがもらえることでしょう。

仕事を評価してもらう

自分で自分の仕事を評価するのは難しいものです。そこでほかの人(職場の同僚、先輩、上司など)に自分の仕事に対して評価をしてもらいましょう。現在多くの職場は、部下や後輩の仕事を認めたり評価したりという風潮があまりありません。「部下を褒めすぎると図に乗るから、叱るだけにしている」という上司もいるほど。自分の仕事を評価してもらえるのは、年1回や2回の人事評価のときくらいです。そのため、一般的に今の若い人は、上司や先輩から自分の仕事を認めてもらえなくて自信をなくしています。自信がないから、今やっている仕事がこれでいいのか不安になってしまい、怖くなるのです。

そこで、自ら「私の○○の仕事はどうでしたか?」と問えば「とてもよかったよ」「△△の箇所がちょっとわかりにくい」など、評価してくれるはずです。そこでいい評価が聞ければ自信が持てますし、思わしくない評価であればどこをどう直せばいいのかがわかります。すべての仕事にいい評価をもらえたとき、大きな自信となって仕事が楽しくなるはずです。

自分を責めないで。まずは少しずつでも自信を持って。

仕事が怖くなるのは、あなたが誰よりも真剣に仕事に向き合っているということ。会社や仕事が怖いと思うこと、仕事に対する不安を解消するために転職を考えることは、決して甘えではありません。ただし、同じことを繰り返さないためにも、まずは少しでも自分に自信を持つことが大切。ぜひ菅田さんに教えてもらった内容を実践してみてくださいね。

(監修・文:菅田芳恵、文:はらきよか)

※画像はイメージです。

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