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輪郭スッキリ! 顔のたるみを改善する方法とは

丸山直樹

年齢を重ねると、気になり始めるのが顔のたるみ。メイクでもなかなか隠すことが難しく、悩んでいる女性も多いでしょう。でも、病院やクリニックに通わないと治らないと諦めていませんか? そこで今回は美容外科・形成外科の丸山直樹先生に、たるみの原因と対処法、さらにこれ以上たるませない予防方法を具体的にお聞きしました。

顔のたるみ

顔がたるんでしまう原因

顔たるみお酒

年齢とともに顔の輪郭がぼやけているような気がするのなら、それは顔のたるみが始まっているのかも? そもそも、なぜ顔はたるんでしまうのでしょうか? 顔がたるむ原因とメカニズムについて詳しく説明していただきました。

顔の筋肉と重力の関係

丸山:地球上に住んでいる限り、私たちの体は皮膚も含めて常に“地球の中心”に引っ張られ続けています。そう、重力に絶え間なく引っ張られ続けているのです。立っていれば、顔の皮膚も真下に引っ張られ続けます。その結果、皮膚が伸びて上まぶたが垂れたり、頰の脂肪が垂れ下がってほうれい線やマリオネット線が刻まれてしまうのです。まだ若いうちは顔の筋肉が発達しているのでそうしたたるみに対抗することができますが、年齢が上がるに従って筋肉、特にSMAS(スマス)と呼ばれる筋肉の膜様構造が、ちょうどすだれの幅が広がってしまうようにスカスカになります。そうすると、頰や顎(がく)下の皮膚がたるんでしまうのです。

生活習慣による要因

丸山:顔がたるむ一番の原因は、過度の飲酒と喫煙です。お酒は百薬の長とも言いますが、過ぎたるはまた及ばざるがごとし……飲み過ぎは顔の老化の原因となります。度が過ぎる飲酒は体内に活性酸素を発生させてしまいますし、その活性酸素は細胞にダメージを与えます。いってみれば、細胞がさびてしまうようなもの。同様の理由で、喫煙もNGです。たばこの煙の中には、お肌にとって有害な物質がいっぱいです。一卵性双生児の研究では、双子のうち喫煙をしていたほうに明らかな肌の老化(シワ、たるみ)が見られたという結果が出ています。また、睡眠不足もお肌の乾燥や老化の原因になります。肌が乾燥すると、細かな傷がつきやすくなり、小ジワの原因にもなります。お肌のためには、適切な栄養をとって、夜更かしもほどほどにすべきでしょう。

紫外線によるダメージ

丸山:みなさんは“日焼け対策”もちろんしていますよね。紫外線はお肌の大敵です。私たちの肌は紫外線によっていつもダメージを受けています。紫外線はビタミンDを作って骨を強化するのに大切な面もありますが、日焼けをし続けてしまうと肌にダメージが蓄積され、小ジワだけでなく目立つ大きなシワになったり、シミの原因になったりします。若いうちは自己回復の能力が高いので、永久的なシワやたるみにはなりませんが、年齢を重ねるにつれて肌の修復能力が衰えていくと、たるみになってしまうのです。

顔のたるみを改善する方法

顔たるみパック

顔がたるむ原因はひとつだけではなく、さまざまな要因があるのですね。では、そのたるみを改善する方法はあるのでしょうか、丸山先生に教えていただきましょう。

紫外線対策と保湿

丸山:ご自分でできる対策としては、日焼け対策と保湿対策をしっかりすることです。お風呂上がりは、乾燥のリスクに一番さらされるときです。水蒸気が肌から奪われる前に、保湿をしっかりとしましょう。また、保湿のためと思ってパックを長時間しすぎてしまうことも、乾燥の原因になります。その製品によって使用時間が決まっているので、使用方法をきちんと守りましょう。さらにパックが終わった後も、すぐに保湿が必要です。冬の乾燥対策が大切ですが、夏も紫外線で肌にダメージが蓄積しがちですので、毎日きちんとケアしてくださいね。

たるみを改善するマッサージ

丸山:たるみに関係する筋肉としては、側頭筋、咬筋、翼突筋、口輪筋、眼輪筋、頬骨筋、前頭筋、広筋などがあります。これらの筋肉の血行をよくするマッサージなどは、効果があるかと思われます。手軽にできる方法としては、顔のエラの部分や耳の上の側頭部のあたりを手のひら(親指の付け根のあたり)でぐーっと押さえてから放すことを5回程度繰り返してみてください。マッサージは、自己流でやるとかえって肌を傷めてしまうこともありますので注意が必要です。またローラーなど専用の器具を使う場合は、使用上の注意をよく読んで守ることが大切です。

生活習慣を変える

丸山:生活習慣の改善として、睡眠時間の確保が重要です。仕事が忙しい方は難しいかと思いますが、どんなに忙しくても“早寝早起きをする日を1日つくる”ことから始めてはいかがでしょうか。また肌に必要な栄養素のうち、普段の食事で摂取しづらく不足しがちな亜鉛・セレン・鉄分などをサプリメントで補充してもよいかもしれません。さらに適度な運動をして肌の血行を促すことも大切ですし、筋肉や肌の元になるタンパク質も良質なものを摂取する必要があります。プロテインもさまざまなものが売られていますので、普段の食事の補助として利用するのもよいでしょう。

これ以上たるませない、いまからできる予防策

顔のむくみ頬杖

これで顔のたるみを改善できる方法がわかりました。では最後に、もうこれ以上たるませないために、予防方法はあるのでしょうか?

丸山:毛穴を埋めてしまう油分の多い化粧品は、落とすのがなかなか大変ですね。けれど、しっかりと落とすようにしてください。メイク落としはシートでこすり落とすようなものではなく、油分を馴染(なじ)ませ、浮かせて落とすタイプのものを使用しましょう。また、頰づえをつく癖のある方や、食事を右か左のどちらかだけでかむ癖のある方は、顔の歪みやたるみの原因になるので注意が必要です。顎の関節に負担がかかると、翼突筋という顎(がく)関節近くの筋肉が緊張します。この筋肉が緊張すると、リンパの流れが滞る原因になります。そのため表情筋の血行に影響し、血行不良となる可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

一度なったら、もう治らないとあきらめていた顔のたるみ。でも自分でたるみを改善できて、さらに予防することもできるのなら、すぐにでも始めたいもの。顔の輪郭をスッキリさせて、若々しさをキープしましょう!

(取材協力:丸山直樹、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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