肩こり解消に効くヨガポーズ5選! 効果やコツをプロが解説
長時間のデスクワークやスマホ操作……。日々の生活にかかせない作業ですが、これが原因でひどい肩こりに悩まされている女性も少なくないはずです。では、そんな肩こりを簡単に解消する方法はあるの? そこで今回は、ヨガインストラクターの村上華子さんに「肩こりを改善するヨガのポーズ」について、くわしく解説してもらいました。
ヨガで肩こりは改善できるの?
そもそもヨガで肩こりを改善することは可能なの? まずは「ヨガが肩こりに効く理由」や「必要な継続期間」などについて教えてもらいました。
ヨガが肩こりに効く理由
そもそもヨガは、筋肉にじんわりと働きかけるストレッチ効果や、ゆったりした深い呼吸を行うことで、全身の血流や気の巡りをアップさせる効果があり、体の機能を向上させます。
これを肩こり改善に応用すれば、主にコリ固まった首や肩まわりの筋肉をほぐしていくことが可能に。さらに、血行を促すポーズは背中をスッキリと整え、だるさを解消することができます。また、ヨガには「ウサギのポーズ」と呼ばれる、疲れ目に効果的な頭頂のツボを直接刺激するポーズも。したがって、眼精疲労からくる肩こりや頭重感にも有効です。
改善に必要な一日のヨガ時間って?
人それぞれ、体が持つ個性・特性は違いますよね。同様に、最適なヨガのメニューは千差万別。大切なのは時間ではなく行う内容と、継続性です。1日20分(せめて10分)でもよいので、集中して練習を続ければ、身体機能のパフォーマンスは底上げされます。とはいえ、これだけで「まったく肩こりが生じない」ということはないので、疲れを感じたら小まめにケアする習慣をつけましょう。オススメは、短い時間でも心と体を向かい合わせて集中するヨガスタイル。何かと同時進行しながらだらだらと行う“ながらヨガ”よりも効果的ですよ。
必要な継続期間
こちらも必要な継続期間は十人十色。「〇年続けたら肩こりがなくなる」という線引きはないので、その時々の体調やライフスタイルの変化に合わせ、息の長いヨガの実践を目標にしましょう。
肩こりを解消するヨガのポーズ5選
では、実際に肩こり解消効果のあるポーズを実践していきましょう。その手順や効果について、くわしく解説をしてもらいました。
その1:鷲のポーズ
ポーズの手順
1.床、または椅子に座り姿勢を整える(椅子に座る場合は背もたれに寄りかからず、浅めに腰かけると◎)。
2.両腕を前に伸ばしてヒジの辺りで交差させる。
3.指先を天井に向けるように手の甲を合わせてから合掌を行う。
4.無理がなければ、合掌した手が顔の前に来るくらいまで、ヒジを下に引き下げる。左右の首筋に伝わる心地よい刺激を感じながら5呼吸ほどポーズをキープ。
5.腕をほどき、脱力したままじんわりとした余韻を感じる。腕の上下を逆にして、反対側も同様に行う。
☆ポーズの効果
日常生活ではなかなか行う機会がない、肩甲骨の間を左右に開く動作で、こわばった肩甲骨をほぐします。座ったままで行える、上半身だけの動きなので、ヨガをはじめる時の準備のポーズとしても◎。または、お仕事の合間のリフレッシュにもオススメです!
その2:下を向いた犬のポーズ
ポーズの手順
1.両膝を床につけ、手の位置は肩の真下よりも手のひら一枚分遠くに置く。
2.息を吐きながら手で床を押し、万歳をする要領で背中を伸ばす。お尻を手首から遠くに引き離すように持ち上げる。 そのまま5呼吸ほどキープします。
3.視線は足の親指あたりの位置を見つめるように、軽くアゴを引き、首筋を伸ばす。そのまま5呼吸ほどキープ(かかとが床に付かずに腰が丸くなる場合は、かかとを上げた状態で軽くヒザを曲げ、腰を伸ばすことを優先)。
☆ポーズの効果
背中の大きな筋肉を伸ばすことで、全身をいきいきと爽快に整えます。ヨガでは背中は「気」の通り道と考えられています。呼吸とともに全身に気を巡らすことで“元気、やる気、根気”という字のごとく、前向きなマインドの後押しにも。
その3:針の糸通しのポーズ
ポーズの手順
1.四つん這いの姿勢になる。
2.左手を右脇の下から通し、上体を右側にねじる。左のこめかみを床につける。
3.右手を腰、または、左足のそけい部に置き、右の胸を開く。余裕があれば、左手の甲で床を押しながら、少しずつ状態のねじりを深めていく。
4.5呼吸ほどキープしたら、1の姿勢に戻り、反対側も同様に行う。
☆ポーズの効果
上体をねじることで肩甲骨まわりを広くほぐし、肩や背中のコリをすっきりさせます。腕を腰、または足のそけい部に沿えることで縮こまった胸を開き、深い呼吸を促してくれるポーズです。
その4:ウサギのポーズ
ポーズの手順
1.正座の姿勢から上体を前に倒して、おでこを床につける。両手は顔の横に。
2.息を吐きながらお尻を持ち上げてたて膝の姿勢に。軽くアゴを引き、首が垂直に床に着地するようにし、頭頂を床に押しつける(心地よければ、頭を前後にローリングして、マッサージを加えてもOK)。
3.首に痛みがなければ、床から手を離して腰の後ろで手を組み、その手を天井方向に引き上げる。そのままの姿勢で3~5呼吸キープ。
4.1の姿勢に戻したら、血圧の急な変動を避けるために、頭が最後に持ち上げるようにゆっくりと時間をかけて正座の姿勢になる。目を閉じたまま、ポーズの余韻を感じる。
☆ポーズの効果
頭頂にある「百会のツボ」を刺激して、疲れ目、頭重感など眼精疲労の症状にアプローチ。また、頭部の血流をよくすることで顔のくすみや抜け毛にも効果的。腕を持ち上げることで肩甲骨がほぐれて、肩まわりや背のコリのマッサージ効果を得られます。
その5:魚のポーズ
ポーズの手順
1.仰向けの姿勢で両足を揃えて伸ばす。両手は下向き(手のひらが床を向く)に。
2.つま先を天井に向けながら両足の間に力を入れて、下腹を軽く引き締める。ヒジで床を押して背中を反らせる。
3.頭頂を床につけたらノドと胸を大きく開きながら、深くゆったりとした呼吸を5呼吸ほど繰り返す。
4.頭をすべらせるように床に下ろし、両手を伸ばしたら、脱力したままポーズの余韻を感じる。
☆ポーズの効果
頭頂を床に預けることで安定感と、胸やノドを気持ちよく開くことで解放感を味わえるポーズです。呼吸を繰り返すときには、吸い切り、吐き切り、といった呼吸のピークを意識的に作るとより深い効果が得られます。お休み前、一日の締めくくりにオススメのポーズです。
まとめ
激しい運動が苦手な女性も、ヨガなら自宅で簡単に取り入れられるはず。肩こりを感じたら、さまざまなポーズで体を気持ちよく動かしてみるのはいかがでしょうか? ヨガとともに心と体をぜひリフレッシュしてみてくださいね。
(監修:村上華子、文:マイナビウーマン編集部)
※一部画像はイメージです