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生理前、生理中におならが増える原因と対処法

髙橋怜奈

産婦人科医・髙橋怜奈先生が「生理中のおなら」について解説します。

「生理前はおならがたまる」、「なぜか生理中におならがたくさん出る」……など、生理前や生理中のおならについて悩んでいませんか? 今回は生理前・生理中におならが増える原因や対処法について、産婦人科医・髙橋怜奈先生の解説を元に紹介します。

お腹抑える女性

<目次>

生理前におならが増える原因

そもそもなぜ、生理前や生理中におならが増えるのでしょうか? 生理と何か関係があるのでしょうか? はじめに、生理前におならが増える原因について探っていきましょう。

ハート

生理前は、便がつまりやすい体に

排卵してから生理がはじまるまで黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えます。そして、このプロゲステロンは妊娠に向けて体に水分を貯留するように働き、腸の水分も体に取り込もうとします。そのため、便の水分が減ることで硬いコロコロの便になり、出しづらくなります。

また妊娠した際に流産しないよう、子宮の収縮を抑制する働きもあり、それが腸に影響して蠕動(ぜんどう)運動を抑える方向に働くため、便秘しやすいのも生理前の傾向。便秘が持続すると腸内の悪玉菌が増殖して、腸内環境のバランスが崩れます。したがって、便の腐敗による有害ガスが発生し、においの強いガスが出るのです。

便秘により、おならが小分けにでるように

おならは便をするときに一緒にでます。またしっかり便が出ていれば、ガスも排便のときに一緒に出ることが多いです。前述の通り、便秘の場合は排便というガスをしっかり出すタイミングが少ない分、小分けにして少しずつ、頻繁に出る傾向になると考えられます。

生理中におならが増える原因

続いて生理中におならが増える原因について見ていきましょう。

おなか

腸の動きが活発になるため

(生理中は)生理前に増加していたプロゲステロンが減少し、腸内水分や腸の蠕動運動が元に戻るため便秘が解消、それにともない今までたまっていたガスが放出されるためおならが増えます。体に水分を溜め込んでいた状態から通常の状態に戻るため、体のむくみもひいていきます。

生理前・生理中のおならを減らす方法

生理前・生理中に増えるおなら……どうにかしたいですよね。ホルモンの増加に比しておならが増えるわけですが、対策としてはふだんのおならや便秘の対策と同じになると高橋先生はいいます。詳しく見ていきましょう。

食べる女性

よく噛んで食べる

一気食いをすると食事とともに空気も飲み込みやすくなり、おならの回数が増える原因になるので注意しましょう。

炭酸飲料を控える

炭酸の含まれた飲み物をたくさん飲んだ際、口からガスが出ればゲップになり、腸内のガスが増えればおならの回数が増えるのです。

便秘になるべくならないようにする

お通じを定期的に出すことで便と一緒にガスも出ます。したがって、おならの回数が減ります。水分をよく摂ったり、野菜をたっぷり食べる、運動も取り入れることで便秘の解消につながります。

食生活の見直し

においはしないものの、芋類を食べるとおならは増えます。回数が気になる場合は、食物繊維を過剰に摂りすぎていないかチェックしてみましょう。

生理前・生理中のおならが臭い原因

生理前や生理中におならが増える人の中には、「いつもよりにおいがキツイ」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか? ここからは生理前や生理中のおならが臭くなる理由について見ていきましょう。

臭い

生理前は腸内環境のバランスが崩れるため

生理前は便秘になりやすいとお伝えしましたが、便秘が続くと腸内に悪玉菌が増殖します。すると、腸内環境のバランスが崩れ、便の腐敗による有害ガス(においの強いガス)が発生してしまいます。

腸の動きがよくなる生理中は、このたまっていた有毒ガスが放出されます。生理中のおならが臭くなるのはこのためです。しかし腸内環境が整っていれば臭くならないので、日ごろから便秘にならないよう食事や運動などに気をつけましょう。

臭いおならを予防する方法

おならのにおい……、できれば抑えたいですよね。高橋先生によると、生理前や生理中のおならのにおいはあることで予防できるのだとか。くわしく見ていきましょう。

ハート

香味野菜や動物系タンパク質、脂肪の摂取を控える

「にんにく」や「にら」など、香味野菜と呼ばれるにおいの強い食べ物を摂取するのは控えましょう。また、「高タンパク」「高脂肪」の食べ物は、過剰に摂取すると消化不良につながり腸内環境を悪化させます。摂取量に気をつけましょう。

便秘を予防する

便秘が続くと「におい」の原因となる悪玉菌の増殖を促してしまいます。そこで食物繊維や水分をたっぷりとり、便を出やすくしましょう。適度な運動も大切です。腸の動きをよくして便秘を改善してくれます。

ストレスをためない

ストレスがたまると自律神経のバランスがくずれ、腸内は悪玉菌が増えやすい環境になってしまいます。日ごろからストレスを解消し、良好な腸内環境を保ちましょう。

ヨーグルトなどの乳酸菌、納豆などの発酵食品を積極的に食べる

これらの食品を摂取することによって、善玉菌を増やすことができます。

おならが溜まって痛いときの対処法

「おならがでなくてつらい」「おならが溜まって痛い」……など、おならによる痛みに悩んでいる人もいるでしょう。続いておならがたまって痛いときの対処法について紹介します。

腹痛

腸を動かすマッサージ

腸を動かすマッサージで、腸内環境を活性化させるのも効果的です。

1.仰向けに寝て膝を立てます。
2.両手でおなかを時計回りに押してください。

腹式呼吸

大きく息を吸っておなかをふくらませ、おなかをへこませて吐き出す腹式呼吸も効果的。副交感神経が優位になり、腸の蠕動運動が活発になります。

医療機関を受診

便秘やガスのたまりが頻繁に気になるときは、消化器の病気の可能性もあります。不安に感じたら、医療機関を受診してください。便秘改善の処方を受けられる場合もあるでしょう。

まとめ

生理前や生理中におならが増える原因と対処法について紹介してきました。いかがでしたか? ホルモンのせいでどうしても増えてしまう生理前や生理中のおなら……。その対策には普段のおならと同じで、よく噛んで食べたり、食生活の見直し、便秘に気をつけるのが大事なのがわかりましたね。「おならが溜まって痛い……」と言う人は、最後に紹介したマッサージや呼吸を実践して、生理前や生理中のおなら問題をうまく乗り越えましょう。

(取材協力:髙橋怜奈、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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