医師が解説! デリケートゾーンのにおいの原因と対策
あなたは、デリケートゾーンのにおいが気になったことはありますか? 部位が部位なだけに、悩んでも人に聞きにくいものですよね。そこで今回は、産婦人科医の今井愛先生に「デリケートゾーンのにおいの原因と対策」を教えてもらいました。
<目次>
デリケートゾーンのにおいの原因は?
人に聞きにくい分、自分のにおいに対して心配は募るばかり。そもそもにおいの原因とは? 今井先生にくわしく解説してもらいました。
デリケートゾーンがにおうのはなぜ?
一番の原因は雑菌です。ショーツの中はムレやすく、熱や汗がこもりやすい環境にあります。おりものや尿、汗、生理中の経血などが高温多湿の状態に置かれることで雑菌が繁殖するため、においが発生するのです。
また汗をかきやすい人のほうが、におう傾向にあります。ただ自分ではなかなか気づきにくく、私が勤務するクリニックでも、パートナーから指摘されて受診される患者さんが多いのが現状です。
具体的にどんなにおいになるの?
一般的には魚が腐ったような生臭いにおいがほとんど。特に月経前や夏場、ストレスや睡眠不足、疲れなどで免疫力が低下しているときは、においがきつくなりやすいと言えます。
病気の疑いも!? 病院へ行くべき症状は?
「においが急にきつくなった」「おりものの量が急に増えた」「おりものの色が変わった」などの症状が現れた場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。通常、おりものは無臭で透明ですが、黄色みを帯びていたり、白い塊になったりした場合は、病気の疑いがあります。
可能性が考えられる病気は「細菌性腟炎」「子宮頸がん」「トリコモナス腟炎」など。おりものの異常を起こすもっともポピュラーな病気の「カンジダ腟炎」は、カッテージチーズのようなポロポロしたおりものが特徴です。また、かゆみを伴う場合もあるでしょう。ちょっとでも“アレ?”と気になることがあったら、迷わず婦人科を受診してください。
においを消すには? デリケートゾーンのにおい対策
気になるにおいを消す方法、また予防策はあるのでしょうか? 今井先生にデリケートゾーンのにおい対策について教えてもらいました。
におったときのケアって? においを消す方法
まずは、デリケートゾーンを清潔に保つことが第一。朝晩シャワーを浴びたり、ウォシュレット等を使ったり、デリケートゾーン専用のウェットティッシュで拭くのもおすすめです。
洗い方は、低刺激の薬用ソープや専用ソープをしっかり泡立てて、やさしく手で洗うようにしてください。ブラシを使ってゴシゴシ洗うのはNG。また、ビデで腟内を洗浄するのもにおいケアにはなりますが、洗いすぎはよい菌も殺してしまうので気をつけましょう。
どうしてもにおいが気になる方は、病院で処置をしてもらうのもひとつの手。腟内を消毒し、腟剤を入れると一発で治ります。ただこの効果もずっと続くわけではないので、自宅でもできるよう腟剤を処方してもらうか、その都度受診することになります。
予防できる!? デリケートゾーンのにおいを防ぐには
こちらも、とにかく「清潔を心がけること」が一番の対策です。ショーツが汚れないように、普段からおりものシートを使って清潔に保つのも有効です。またムレを防止するために、通気性のいいコットンやシルク素材のショーツを着用するのもおすすめですよ。
また、生理中はこまめにナプキンを換えましょう。経血量が少ないとナプキンの換え時に迷いがち。ですが、汗などで汚れが付着しているので、トイレに行く度に交換するよう意識してください。通気性のよい布ナプキンを使ってみるのもいいでしょう。
生活習慣においては、抵抗力が落ちるとにおいの原因になります。しっかり睡眠をとって、ストレスや疲れをためないようにしてくださいね。
まとめ
悩んでいても、なかなか人に相談しづらいデリケートゾーンのにおい。通気性のよい下着を選ぶことやおりものシートの使用、また月経時のナプキンをこまめに換えることなど、今すぐできる対策からトライしてみましょう。ただし、異常を感じたときは、婦人科系の病気が隠れている場合もあります。早めに病院を受診しましょう。
(取材協力:今井愛、文:伊藤康江)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください