医師に聞く! デリケートゾーンがかぶれる原因と対処法
デリケートゾーンの悩みのひとつである「かぶれ」。デリケートな部位ゆえに、かぶれてかゆみがでても掻くことができず、とてもやっかいですよね。一体どうすれいいのでしょうか? そこで今回は産婦人科医の今井愛先生に、デリケートゾーンがかぶれる原因と対処法について教えてもらいました。
<目次>
デリケートゾーンがかぶれる原因とは
デリケートゾーンのお悩みの中でも上位にランクインするであろう「かぶれ」と、それに伴う「かゆみ」。かぶれてしまう原因やかぶれやすい時期について、今井先生に解説してもらいました。
デリケートゾーンがかぶれるのはなぜ?
ショーツの素材やナプキン&おりものシートの素材が肌に合っていなかったり、それらとの間に摩擦が起こったりすることが、かぶれの原因です。ストッキングやガードルを履いている場合は、締めつけられてムレやすいために汗をかき、かぶれることも。また脱毛など、アンダーヘアの処理の際に皮膚を傷つけてしまい、そこからかぶれるケースもあります。
かぶれやすい時期は?
汗をかきやすい夏や、ナプキンの使用でより高温多湿な環境になる月経時は要注意。さらに、ストレスや睡眠不足などで抵抗力が落ち、ホルモンバランスが乱れたときもかぶれやすくなります。また、もともと肌が弱い敏感肌の方やアトピーの方は、時期に関係なくかぶれやすいと言えるでしょう。
かぶれたときの対処法
かぶれてしまったときの対処法はあるのでしょうか? セルフケアと病院での治療の両面から、今井先生に解説してもらいました。
セルフケア方法は?
市販の「デリケートゾーン専用のかゆみ止め薬」を塗ってみましょう。また洗う際は、刺激を与えないようにボディソープなどは使わず、お湯のみでやさしく洗いましょう。汗をかいたらこまめにシャワーを浴びたほうがいいのですが、なかなかそういうわけにもいかないですよね。したがって、ウォシュレット等を使ってデリケートゾーンを清潔に保つのも自身でできるケアのひとつです。
病院での治療は?
市販のかゆみ止め薬を塗っても効かない場合は病院へ。病院では、抗ヒスタミン剤の外用薬を処方します。生理中はなるべく避け、皮膚科もしくは婦人科を受診しましょう。
我慢できないほどのひどいかゆみが発生した場合やおりものに変化が見られた場合は、感染症の疑いもあるのですぐに医療機関を受診してください。また、高齢になると外陰がんの可能性も出てきます。ただ若い方が発症することはごく稀なので、極度に恐れる必要はないですよ。
デリケートゾーンのかぶれを防ぐには?
できれば、かぶれる前に対策を取りたいもの。最後はかぶれを防ぐ方法について、今井先生のアドバイスをもらいました。
体の外からできることって?
ナプキンやおりものシートを見直してみる
ナプキンやおりものシートの素材が肌に合っていない場合は、違うものに替えてみましょう。さまざまな種類が発売されているので、自分に合ったものを探してみるといいですよ。
ナプキンはこまめに換える
月経の終わりころや経血量が少ないとき、油断して長時間同じナプキンを使い続けるのは不衛生です。汚れていないようでも汗や尿がついているので、こまめに取り換えましょう。
布ナプキンを使ってみる
使い捨てのナプキンに比べムレにくいため、かぶれ予防に効果的です。
タンポンを使ってみる
ナプキンが肌に合わない場合は、タンポンに替えてみるのもおすすめです。摩擦でのかぶれを防ぐことができます。
通気性のよいショーツを選ぶ
化繊の下着よりも、コットンやシルクなどの天然素材の下着のほうがムレません。下着が合わないのであれば、これらの素材の下着を選んでみましょう。
ストッキングやガードルなど、体を締めつけるものをなるべく履かない
体を締めつけるストッキングやガードルは通気性が悪く、ムレの原因に。かゆみを感じたら、着用を控えてみると改善が見られるかもしれません。
ウォシュレット等を使う
ウォシュレットなどの温水洗浄便座による洗浄は、デリケートゾーンを清潔に保ちます。ウォシュレットに抵抗のある方は、デリケートゾーン専用のウェットティッシュも発売されているので、それでやさしく拭くのもおすすめです。
体の中からできることって?
睡眠やバランスのいい食事をとって、ホルモンバランスが乱れないよう規則正しい生活を心がけましょう。特にビタミンをしっかりと摂取すること。またストレスも免疫力を低下させるので、ためないような生活を意識してくださいね。
まとめ
夏場や月経中は特に、高温多湿になりがちなデリケートゾーン。ナプキンやショーツを見直すだけでも、ムレを解消できるようです。ムレを予防し、デリケートゾーンを清潔にキープすることが、かぶれ対策の近道ですよ!
(取材協力:今井愛、文:伊藤康江)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
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