ほうれい線の予防に効果的なスキンケア&エクササイズ
顔にほうれい線があると、老けて見られてしまいますよね。ほうれい線は年を重ねた女性にできるイメージがありますが、現在では20代の女性の中にもほうれい線が気になる人がいるようです。そこで、ほうれい線ができる原因やできやすい人の特徴、ほうれい線を予防する方法などについて、皮膚科医の松島桃子先生に教えていただきました。
<目次>
ほうれい線って気になる?
まず、現在ほうれい線が気になっている女性はどれくらいいるのか、20代と30代の女性にアンケート調査してみました。「気になっている」と回答した人には、どんな瞬間に気になるのかについても教えてもらいました。
ほうれい線が気になる女性の割合
Q.いま、ほうれい線が気になりますか?
20代女性の回答(※1)
・気になる……45.3%
・気にならない……54.7%
30代女性の回答(※2)
・気になる……60.9%
・気にならない……39.1%
30代は、6割の女性がほうれい線が気になると回答しました。20代の女性も、30代よりは少ないものの、約半数近い女性がほうれい線を気にしているようです。
ほうれい線が気になる瞬間
それでは、具体的にどんな瞬間にほうれい線が気になるのでしょうか。「気になる」と回答した女性に教えてもらいました。(※3)
鏡を見たとき
・「鏡で自分の顔を見て、昔よりもほうれい線が目立つようになったと感じる」(29歳/医療・福祉/専門職)
・「鏡をふと見てみたらくっきりほうれい線が出ていて、疲れを如実に感じたとき」(33歳/不動産/専門職)
やはり多かったのが「鏡を見た瞬間」です。毎日化粧をするときや洗顔をするときなど、女性が鏡を見る瞬間は多いですよね。一度ほうれい線を見つけてしまうと、ずっと気になってしまう女性も多いようです。
笑ったとき
・「笑ったときにすぐに出るとき……笑っていなくても少し出ている気がし始めたら、終わりです……」(31歳/情報・IT/技術職)
・「笑ったときにできるシワが、笑いジワではないと確信したとき」(31歳/金融・証券/事務系専門職)
笑ったときにもシワはできますが、笑ったあともずっとシワが残っていると、ほうれい線かもしれないと思いますよね。ほうれい線が気になって笑えなくなってしまう女性もいるかもしれません。
ファンデーションが詰まるとき
・「夕方、ほうれい線にファンデーションが埋まっているとき」(30歳/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)
・「夕方ほうれい線にファンデーションが詰まっていたのを発見したとき」(37歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
夕方になってメイクが崩れてくると、顔の小ジワやほうれい線にくっきりとファンデーションが詰まっていることもあるもの。それを見たとき、年齢を感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
写真を見たとき
・「自分が写った写真を見ていて、笑った顔のときにほうれい線が目立っていて老けている気がしたから」(22歳/金融・証券/事務系専門職)
・「写真に写っている自分の笑顔にほうれい線が見えたとき」(25歳/建設・土木/経営・コンサルタント系)
普段はあまり気にしていない人でも、写真を見たときにショックを受けることもあるようです。光の角度によっては、ほうれい線がハッキリと写りますよね。
ほうれい線の原因とできやすい人の特徴
20代~30代の女性は、半数以上の人がほうれい線を気にしているとわかりました。そもそも、ほうれい線とはどんなもので、何が原因でできてしまうのでしょうか。また、生活習慣などによって、ほうれい線ができやすい人の特徴はあるのでしょうか。松島先生に教えてもらいました。
ほうれい線とは
松島:ほうれい線は、小鼻から口元に向かって伸びている太いシワのことを指します。通常のシワは、表情を動かすときに目立つ傾向にありますが、動きがなくてもくっきりと目立つのがほうれい線の特徴です。ほうれい線は、老けて見える最大の原因です。しっかりと対策をして、太く刻まれるのを少しでも予防しましょう。
ほうれい線ができる原因
松島:ほうれい線は「たるみ」が主な原因です。指で頬を上に持ち上げてみると、ほうれい線が少し薄くなりませんか? 加齢や紫外線、乾燥などによって、皮膚のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンの質が衰え、重力に負けてたるんでしまうと、ほうれい線ができるのです。また、加齢によって表情筋が衰え、皮膚を支える筋力が弱くなり、口周りの脂肪を支えきれなくなると、さらにほうれい線が深くなってしまいます。
加齢以外にも、乾燥や表情の癖によるシワが原因でほうれい線ができてしまう場合もあります。これは、シワが線となって定着し、ほうれい線となってしまうパターンです。
ほうれい線ができやすい人の特徴
松島:頬のたるみが原因でできたほうれい線は、極端にいうと、頬に脂肪が多く蓄積されて太っている人に多くみられます。一方、表情ジワが原因のほうれい線は、太っている人だけでなく、痩せている人にも多く見られます。
ほうれい線を予防する方法
ほうれい線ができる主な原因は、頬がたるんでしまうことだとわかりました。それでは、ほうれい線を予防するために、どんなことに気をつければいいのでしょうか。ほうれい線を予防するスキンケアや生活習慣、筋力トレーニングの方法について教えてもらいました。
ほうれい線を予防するスキンケア
松島:頬のたるみが原因のほうれい線には、たるみの改善が根本治療です。減ってしまったコラーゲンやエラスチンを補うために、外から補充しなければなりません。コラーゲン入りの化粧品で保湿したり、食事でしっかりと栄養をとりましょう。また、紫外線対策や乾燥対策はもちろんのこと、睡眠も意識してください。リンパマッサージで血行をよくして、溜まった老廃物を排出するのも効果的です。
一方、表情ジワが原因のほうれい線には、表情ジワの癖がつかないようにしっかりと保湿を行い、さらに美容液などを使用するのが効果的です。
ほうれい線予防に効果的なスキンケア
・保湿
・食事
・紫外線対策
・乾燥対策
・睡眠
・リンパマッサージ
ほうれい線を予防する生活習慣
松島:表情ジワや乾燥ジワによるほうれい線は、抗シワ成分入りの美容液などによって改善できますが、たるみによるほうれい線は、改善までに時間がかかります。そのため、予防することが非常に大切です。
まず、頬のたるみ予防には、表情筋を鍛えるエクササイズが効果的です。食べ物をよく噛んだり、口を大きく開けて表情を作ったり、舌を回してエクササイズをしたりして、表情筋を鍛えましょう。また、頬に脂肪が蓄積することもたるみの原因となるので、ツボ押しやリンパマッサージによって予防することが必要です。
ほうれい線を予防するエクササイズ
舌回しエクササイズ
(1)口を閉じたまま、舌先ですべての歯の表面をなぞるようにゆっくり回す
(2)右に10回
(3)左に10回
慣れてきたら、右に20回、左に20回。空いた時間に1日3セットを目標に頑張れば、口の周りの筋肉が鍛えられます。エクササイズというだけあり、この舌回しは効果を実感しやすいと思います。
ツボ押し
(1)小鼻の横にある出っ張りの直下を、2本の指で押し、3呼吸。両側同時に行う
(2)口角のすぐ外側にあるくぼみを、2本の指で外にひっぱり、3呼吸。両側同時に行う
(3)耳の付け根から少し内側のくぼみを、持ち上げるように3本の指で押し、3呼吸。両側同時に行う
ツボを押すことによって筋肉が刺激され、顔のむくみやたるみ、シワが伸びる効果が期待できます。ただし、強く押しすぎると内出血のリスクもあるので加減に気をつけましょう。夕方のメイク直し時などにこのツボ押しをすると、疲れた顔が少しすっきりしますよ。
リンパマッサージ
(1)脇の下をもみほぐす(最終的な老廃物の出口となるリンパ節の位置)
(2)鎖骨の上をもみほぐす(重要なリンパ節がある)
(3)耳の後ろのくぼみから、首へかけてよくもみほぐす(老廃物の通り道)
(4)ほうれい線からこめかみにかけて、指ですべらせるように4~5回マッサージする
(5)こめかみから耳の後ろを通り、鎖骨上まで、皮膚をさするように老廃物を流す
数回繰り返すことが理想的ですが、1日1回行うだけでも、リンパの流れがよくなるのでおすすめです。
まとめ
ほうれい線の有無は、見た目の年齢を左右する重要なポイントです。ほうれい線を予防するには、紫外線対策や乾燥対策はもちろんのこと、口周りの筋力アップやリンパマッサージといった、日々の努力が大切です。ほうれい線が顔に刻まれてしまう前に、今から意識して予防しましょう。
(文:松島桃子、構成:ファナティック)
※一部画像はイメージです
(※1)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年5月2日~5月8日
調査人数:75人(22歳~29歳の女性)
(※2)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年5月2日~5月8日
調査人数:110人(30歳~39歳の女性)
(※3)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年5月2日~5月8日
調査人数:185人(22歳~39歳の女性)
※この記事は総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックを行いました(2018.05.14)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください