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肌荒れに効果的なビタミンと摂取方法

三輪菜つ美

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ちょっとした体調の変化やストレスなどで、肌荒れが起きてしまう女性もいますよね。肌荒れにはさまざまな原因が考えられますが、その中のひとつにビタミン不足があります。肌荒れとビタミンの関係性や、ビタミンの効率的な摂取方法などについて、皮膚科医の三輪菜つ美先生に教えていただきました。

<目次>

肌荒れの原因と症状

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そもそも肌荒れは何が原因で起こり、どんな症状となって現れるのでしょうか。三輪先生に聞いてみました。

肌荒れの原因

三輪:肌荒れの原因はさまざまですが、主に以下のようなものが挙げられます。

肌荒れの主な原因

・洗顔のしすぎ
・角質層の水分不足
・角質層の皮脂不足
・ホルモンバランスの乱れ
・乾燥
・胃腸のトラブル
・食事の乱れなど

洗顔をしすぎると、肌にとって必要な皮脂も洗い流してしまい、肌がむき出しの状態となって、肌荒れやドライスキンの原因となります。また、肌は内臓の鏡といわれるほど内臓と密接な関係にあり、中でも肌荒れとかかわり深いのが胃腸です。胃腸にトラブルがある人は、肌荒れの症状も出やすいといえるでしょう。さらに、食べ物と肌荒れにも大きな関係があります。私たちの身体は食べたものでできているので、毎日の食事にしっかりと意識を向けることで、肌荒れの改善が期待できます。

肌荒れの症状

三輪:主な症状は以下の5つです。これらの肌トラブルをまとめて、肌荒れと呼んでいます。

肌荒れの主な症状

・ニキビ
・吹き出物
・肌の乾燥
・肌のかゆみ
・じんましんなど

肌荒れとビタミンの関係

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肌荒れは、洗顔のしすぎや食生活の乱れなどが原因となって、ニキビや乾燥などの症状として現れるようです。これらの肌トラブルには、ビタミンが効果的だともいわれていますが、具体的に肌とビタミンにはどんな関係があるのでしょうか。ビタミンが肌に与える影響や、肌荒れに効果的なビタミンについて教えていただきました。

ビタミンが肌に与える影響

三輪:ビタミンにはたくさんの種類があり、特に現代人に不足している(※)のはビタミンAとビタミンB1です。ビタミンAは細胞の成長や成熟に必要な栄養素で、不足すると免疫力の低下や全身のさまざまな不調を招きます。人間の身体は約60兆個の細胞でできていることから、ビタミンAは非常に大切な栄養素だといえるでしょう。また、ビタミンB1が不足すると、ニキビや肌荒れなどの症状が出やすくなります。

肌荒れの改善に効果的なビタミン

三輪:肌荒れの改善に効果的なビタミンは、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEの4つです。

ビタミンA・ビタミンE

ビタミンAとビタミンEには、肌荒れを改善する効果があります。特にビタミンAには、皮膚細胞の働きを正常に戻し、肌本来の力を引き出す作用があります。

ビタミンB

ビタミンBは肌の再生を促し、抵抗力をアップさせます。特にビタミンBの中でも、ビタミンB2とビタミンB6を摂ることで、余分な皮脂の合成を抑えて丈夫で健やかな肌になります。ビタミンB2とビタミンB6は片方だけで摂るのではなく、両方を摂るようにしましょう。相乗効果によって新陳代謝が活発になり、ニキビができにくい肌になります。

ビタミンC

ビタミンCは美白効果や保湿効果があり、抗酸化作用もあります。コラーゲンの生成に働きかけ、皮脂の過剰分泌を抑える作用もあるため、ニキビの改善に効果的です。

肌荒れの改善に効果的なビタミンを含む食材と摂取方法

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肌荒れの改善には、やはりビタミンが有効だということがわかりました。それでは、どんな食材からビタミンを摂取すればいいのでしょうか。ビタミンを豊富に含む食材と効率的な摂取方法について解説します。

肌荒れの改善に効果的なビタミンを含む食材

三輪:「肌荒れの改善に効果的なビタミン」でご紹介した4つのビタミンを多く含む食材について、詳しくご紹介します。

ビタミンA

レバーや緑黄色野菜に多く含まれます。特にビタミンAが多い食材は鶏レバー、豚レバー、あんこうの肝です。

ビタミンE

手軽に摂取できる食品としては、アーモンドが挙げられます。あんこうの肝やすじこなどにも多く含まれます。

ビタミンB

ビタミンBの中でも、特に大切なビタミンB2は、レバー、うなぎ、納豆に多く含まれます。ビタミンB6はレバー、マグロ、カツオに多く含まれています。

ビタミンC

果物、野菜に多く含まれ、特に赤ピーマン、黄ピーマン、ゆずに多く含まれています。

効率的にビタミンを摂取する方法

三輪:ビタミンBとビタミンCは「水溶性ビタミン」と呼ばれ、水に溶けやすく、体内に長時間蓄えておくことができません。まとめて摂取するのではなく、1日の中で数回に分けてこまめに摂取するとよいでしょう。ビタミンAとビタミンEは「脂溶性ビタミン」と呼ばれ、油と一緒に摂ることで体内への吸収率がアップします。水溶性ビタミンと違い、体内に一定時間蓄えておくことができるのが特徴です。

また、ビタミンCにはビタミンEの消費を抑える効果があるため、それぞれを単体で摂取するより、両方同時に摂取したほうが強い抗酸化作用を期待できます。

サプリメントでビタミンを摂取する方法

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ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあり、それぞれ効率的な摂取方法が異なるということがわかりました。しかし、なかなか食事からビタミンを摂取することが難しいという人もいますよね。そんなとき、サプリメントを活用するという方法があります。サプリメントからビタミンを摂取する場合のメリットやデメリット、目安量などについて、三輪先生に教えていただきました。

ビタミンをサプリメントで摂取するメリット

三輪:サプリメントからビタミンを摂るメリットは大きく3つあります。

メリット1:手軽

まずは手軽であること。調理などの手間が必要ないため、忙しい方でも栄養バランスを整えることができます。

メリット2:確実

食べ物のように時期や季節、気候によって栄養価が変動することなく、摂りたい栄養素を確実に摂ることができます。

メリット3:効率的

サプリメントは、身体中で効率的に栄養素が働くように考えて配合されているものが多いため、効果が実感しやすいです。

ビタミンをサプリメントで摂取するデメリット

三輪:サプリメントで大切なことは、薬ではないということです。そして、どんなに優れたサプリメントであったとしても、食事の代わりにはなりません。薬や食事と同じ効果を期待しないように気をつけましょう。サプリメントを飲めばなんとかなると考えてしまうと、食生活が乱れてしまう可能性があります。まずはしっかりと食事をとり、その上で足りない分をサプリメントで補いましょう。

ビタミンの摂取量の目安

三輪:基本的に、ビタミンは過剰摂取の恐れが低い栄養素です。水溶性ビタミンであるビタミンBとビタミンCは、余分に摂った分は尿として排出されます。パッケージや説明書に記載されている用量を守って摂取するようにしてください。ちなみに、ビタミンCはサプリメントで1日に10g(10,000mg)以上摂取すると、一過性の下痢や頻尿、発疹を起こすことがあります。

サプリメントを摂取するときの注意点

三輪:サプリメントを摂取する際は、空腹時を避け、食事中または食後すぐに飲むようにしましょう。また、大量に摂取したからといって、必ずしも効果が高まるわけではありません。毎日正しい量を守って摂取しましょう。

まとめ

肌荒れは、水分や皮脂不足といった直接的な原因だけでなく、食生活の乱れによるビタミン不足からも発症します。まずは身体や肌にとって必要なビタミンをしっかり摂取できるように、毎日の食事に意識を向けることが大切です。規則正しい生活とバランスのよい食事で、健やかな肌を目指しましょう。

(文:三輪菜つ美、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」

※この記事は総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックを行いました(2018.05.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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