髪がボサボサになる原因とは? 直し方&ヘアアレンジを美容師が解説
髪が広がったりパサついたり、ボサボサ髪に悩む人は少なくありません。毎日ヘアケアをしているのに髪がボサボサになる原因は何でしょうか? 毛髪診断士の齊藤あきさんが、ボサボサ髪の原因と直し方、おすすめヘアアレンジを解説します。
髪は見た目の“キレイ”を左右する大事なポイント。お手入れしているかどうかがダイレクトに出る部分なので、日々ケアに励む人が多いのでは?
そんな時に厄介なのが「くせ毛」。うまくまとまらなくて、いつもボサボサに見えてしまう……とお悩みの人も少なくないようです。
今回はボサボサに広がった髪をまとまりやすくするコツを、毛髪診断士の齊藤あきさんに伺いました。
髪がボサボサになる原因とは?
そもそもなぜ、髪がボサボサになってしまうのでしょうか? 考えられる原因を教えてもらいました。
(1)外的要因による髪のダメージ
髪のハリやコシ、ツヤと関係しているのが髪の表面を覆っている「キューティクル」です。このキューティクルがキレイに整っていると、髪がまとまりやすくツヤのある美髪になります。
しかし、紫外線やカラーリング、パーマやドライヤーなどの外的要因によってキューティクルが傷んでしまうと、髪内部のたんぱく質や水分が流出し、油分や水分のバランスが乱れてしましいます。
髪内部のバランスが乱れることで、うねりやクセが出やすくなり髪もパサつきやすくなってしまうのです。
(2)女性ホルモンの低下による髪の老化
女性ホルモンと髪の毛はとても密接な関係にあります。女性ホルモンのエストロゲンは肌や髪の成長に欠かせないホルモンです。
年齢とともに女性ホルモンが低下することで、髪が細くなりハリやコシがなくなってきます。また、肌の弾力がなくなってくるように頭皮の弾力もなくなり、それにつれて毛根の形も変わってきます。
すると、毛の生え方も変わ「うねり」が生じるようになるのです。年齢とともに髪がまとまりにくくなった、うねりが出るようになるのは女性ホルモンと老化が大きく関係しています。
(3)毛根の皮脂詰まり
前髪や根元からクセが出る、髪が縮れるようになる場合は、毛根の皮脂詰まりが原因かもしれません。
毛根に皮脂が詰まると、毛の生え方が窮屈になり髪が縮れたり、うねりが出やすくなったりします。
また、ストレスや睡眠不足などで自律神経が乱れると、ホルモンバランスも乱れ男性ホルモンが活性化します。そうすると皮脂分泌が過剰になり毛穴が詰まりやすくなるのです。
(4)髪を傷める日々のヘアケア
日々のまちがったヘアケアが髪のダメージとなり、パサつきやゴワツキの原因となる場合があります。
髪のダメージの大きな要因となるのが、熱と摩擦です。
例えば、髪が絡まった状態で無理やりブラッシングをしたりシャンプーのときに髪同士を擦り合わせたり、ドライヤーやヘアアイロンで熱を与えすぎると髪のキューティクルが剥がれてしまい、パサつきや広がりの原因となってしまいます。
(5)食生活の乱れ
髪は健康のバロメーターと言われるように、日々の食事や健康状態がダイレクトに現れます。私たちが口にしているものが栄養源となり髪は作られているのです。
栄養がきちんと摂れていないと、髪が細くなったり、切れ毛やパサつきの原因になります。また、砂糖や油、アルコールの多い食事は、血液の質を悪くするため髪の質も悪くなってしまいますよ。
ボサボサ髪を抑えるヘアセット方法
朝起きたら髪がボサボサ……。一気にテンションが下がってしまいますよね。そんな時は、応急処置方法としてヘアセットでまとまる髪に導きましょう。
ボサボサ髪を抑えるヘアセット方法は以下のとおりです。
STEP1.水や寝ぐせ用スプレーで髪を濡らす
どんな髪型でも、一旦水で濡らさないと寝ぐせやうねり、ボサボサ髪は元に戻りません。まずは、根元からしっかり濡らしましょう。
その際、霧吹きを使用すると水分が全体に均一に広がりセットもしやすくなります。また、市販の寝ぐせ用スプレーは保湿効果もあり髪全体もまとまりやすくなりますので、ボサボサ髪の方にはオススメです。
また、ショートヘアの方や、前髪だけなど部分的にセットしたい場合は、蒸しタオルを当てるのもいいでしょう。
STEP2.根元からしっかり髪を乾かす
ドライヤーでセットするときは、ブラシで根元からしっかり伸ばし上から下に向かって乾かすのがポイントです。
最後に冷風を当てる事でキューティクルが引き締まり、ツヤが出てセットの持ちもよくなります。
STEP3.ヘアワックスやオイルで仕上げる
最後にヘアワックスやヘアオイルを適量髪になじませることで、髪がしっとりまとまりやすくなります。
ボサボサ髪を整えるおすすめヘアアレンジ3つ
髪を濡らすのが面倒くさい! もっと手の込んだ髪型にしたい! という時は、ヘアアレンジでボサボサ髪をごまかすのもおすすめ。
髪がボサボサな時におすすめのヘアアレンジは以下の3つです。
(1)ポニーテール
ポニーテールは超基本のヘアアレンジですが、少し工夫すれば、きっちり感もふんわり感も演出することができます。
おくれ毛を軽く巻いてこなれ感を出したり、ピンやバレッタを使っておしゃれに見せたり、さまざまなアレンジを試してみてくださいね!

ポニーテールのヘアアレンジ方法を、写真付きで分かりやすく解説します。
(2)三つ編み
三つ編みなら、広がった髪を全て編み込むことができるので、髪を濡らしたり乾かしたりする時間がない時におすすめのヘアアレンジです。
低めの位置で三つ編みポニーテールをすることで、大人っぽい印象も演出できますよ。

三つ編みの基本のやり方と、おしゃれなアレンジ方法を写真付きで紹介します。
(3)フィッシュボーン
フィッシュボーンとは編み込みの1種で、三つ編みよりもさらに細かな編み方が特徴です。魚の骨のような編み込みになることから、フィッシュボーンと呼ばれています。
フィッシュボーンはかなり手が込んで見えるヘアアレンジですが、慣れてしまえば簡単にできるのが魅力。一気にこなれ感を演出できますよ!
根本からボサボサ髪対策をする方法
ボサボサ髪を根本から直し、しっとりまとまる髪にするには、正しいシャンプーやトリートメントのやり方を覚えておくことが大切です。
ボサボサ髪の根本的な直し方を教えてもらいました。
(1)アミノ酸系のシャンプーを選ぶ
シャンプー剤は、洗浄力が強いと髪や頭皮の油分や水分を取りすぎ髪がパサつく原因となります。
ボサボサ髪には、保湿効果の高いアミノ酸系シャンプーがオススメです。洗髪は、髪同士は擦らずに頭皮をしっかり洗うようにしましょう。
髪が長い方はシャンプー時に髪が絡まりやすくなるので、シャンプー前にブラッシングをして、髪のもつれを取っておくのがポイントです。ブラッシングは、毛先から徐々に梳かすようにしてくださいね。
(2)トリートメントで保湿する
ボサボサ髪は、髪がパサつき傷んでいる証拠です。トリートメント剤で髪の内部までしっかり潤いを与えましょう。加水分解ケラチンやコラーゲンなどは、髪と同じたんぱく質で浸透性や保湿力も高くオススメの成分です。
トリートメントを塗布する際は、水気をタオルでふき取ってから髪の毛先を中心になじませます。また、すぐに洗い流すのではなく、3分~5分ほど放置してから洗い流すのがポイント。その際、蒸しタオルをすると浸透力がアップしさらに効果が高まりますよ。
(3)週に2~3回、オイルクレンジングをする
髪のうねりが気になる場合は、シャンプー前のオイルクレンジングがオススメです。毛穴の皮脂詰まりを取り除くことで、髪がスムーズに生えやすくなり根元にボリュームが出て髪のうねりも軽減されます。
また、オイル成分が頭皮や髪に潤いを与えパサつきや広がりも抑えます。頭皮用のクレンジング剤や植物油を乾いた頭皮に馴染ませ、5分程置いてからシャンプーをしましょう。
(4)ドライヤーで根元からしっかり乾かす
ドライヤー前は、水気をしっかりふき取り、根元から乾かしましょう。クセやうねりは、根元から出ますので、根元をしっかり乾かすことがポイントです。
髪を乾かす際は、キューティクルに沿って上から下に向かって乾かすと、髪にツヤが出でまとまりやすくなります。
また、髪は熱に弱いので、一カ所に長く当てず10cm以上離して乾かすようにしましょう。
(5)アウトバストリートメントを賢く使い分ける
ボサボサ髪は、こまめに保湿することが大切です。そのためにもアウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を賢く使い分けるようにしましょう。
ミルクタイプは、水分が多く浸透しやすいためドライヤー前の濡れた髪に使用するとよくなじみ、髪の内部まで潤いが届きやすくなります。また、ドライヤーの熱から髪を守る効果もあります。
オイルタイプは、油分が多いため髪の表面を保護する効果に優れているのが特徴。ドライヤー後の乾いた髪に、なじませることで髪にツヤを与え、広がりやパサつきを抑える効果があります。外出前に使用すれば紫外線から髪を守る働きもありますよ。
これらを上手に使い分けて、しっとりまとまる髪を目指しましょう。
(6)たんぱく質と良質な油を摂る
髪の主成分はシスチンと呼ばれるアミノ酸(たんぱく質)です。シスチンを多く含む食材、青魚や鶏肉、大豆製品、玄米を摂るようにしましょう。たんぱく質の合成には、ビタミンやミネラルも欠かせませんので、緑黄色野菜や海藻類も一緒に摂りましょう。
また、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)と呼ばれる油は、細胞膜の構成成分で頭皮や髪に潤いを与える効果もあります。オメガ3脂肪酸は青魚やくるみ、亜麻仁油、えごま油などに多く含まれます。
ボサボサ髪対策をしよう!
ひと言で「ボサボサ髪」といっても、原因は多岐にわたることがわかりましたね。まずは、自分の髪がなぜボサボサするのか原因を突き止めてみましょう。
もちろん、ひとつとは限りません。原因がわかったら、齊藤さんが挙げてくれた改善策を試して、ぜひツヤツヤの美髪を手に入れましょう。緊急事態のときは、応急処置も試してみてくださいね。
(齊藤あき、マイナビウーマン編集部)
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