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髪の毛って毎日洗うべき? 頭皮の汚れを落とす理想の頻度とは

齊藤あき(美容師・毛髪診断士・美養研究家)

前田ハナ

忙しくてシャワーを浴びられなかったとき、ふと髪の毛って毎日洗うべきなのかな? と疑問に思った経験があるのではないでしょうか。なんとなく毎日洗っているけれど、そもそも毎日洗う必要があるのでしょうか。また、海外生活の経験があったり、外国人の知り合いがいたりすると、海外では毎日シャンプーをしないことが当たり前であることを知っているかもしれません。髪の毛を毎日洗うべきなのかどうか、毛髪診断士の齊藤あきさんに教えてもらいます。

女性が洗髪する頻度とその理由

みなさんはどれくらいの頻度でシャンプーしていますか? 最近では毎日洗髪するのはかえって髪や頭皮に悪いという意見もちらほら。実際、女性たちはどうしているのか聞いてみました。

髪の毛を洗う頻度

第1位 毎日(78.5%)
第2位 1日おき(17.7%)
第3位 2日おき(2.1%)
第4位 3日おき(1.3%)
第5位 それ以上(0.4%)
※有効回答数237件。単数回答式

「毎日洗う」という人が大多数を占めたものの、2割強の人は日数をあけて洗髪するという結果に。それぞれの意見を見てみましょう。

毎日洗う

・「毎日が当たり前と思っていたので、それ以外の選択肢があることが衝撃」(27歳/情報・IT/経営・コンサルタント系)

・「毎日洗うものだと思っているから。皮脂・汗は必ず出るものなので、毎日洗わないと毛穴が詰まると思う」(31歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「毎日洗わないとニオイがするし、ベタベタするので不衛生だからです」(28歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)

・「私は1日おきでもいいと思うけれど、周囲の目があるから。何気ない会話で『毎日洗わなくても気にならない』と言ったら、友だちみんな引いていた」(23歳/生保・損保/専門職)

・「毎日お湯で洗うけれど、シャンプーなどは1日おき」(26歳/その他)

「毎日洗う」派の人にとっては、髪の毛を洗うことは、もはや日々の習慣。洗わないと、ベタつきやニオイが気になる、という人も多数。また、毎日洗ってはいるけれど、洗髪料を使用するのは1日おきという人もいました。

1日おき

・「毎日洗うのが面倒」(29歳/生保・損保/事務系専門職)

・「お風呂は毎日入るけど、髪を洗うのは1日おきになってる……。長くてしんどくて……そうなってしまった」(28歳/その他)

・「髪がパサつくから。2日に1回洗うことで、髪に天然の潤いが出たように感じる」(33歳/小売店/販売職・サービス系)

・「毎日洗うと必要な皮脂もとれてしまい、毛先がパサパサになるから。毎日洗うのが世間では当たり前になっているので、1日おきとは言えないことが悩み」(27歳/機械・精密機器/技術職)

単に「面倒くさい」という人もいましたが、髪のために「毎日シャンプーする」ということをやめている人も。汗をかきにくい冬など、季節によっては洗う頻度を変えるのもいいかもしれません。

「2日おき」「3日おき」

・「2日おき。抜け毛が気になるから。あまり洗うと、毛が薄くなる」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

・「3日おき。あまり洗いすぎると逆に傷みそうなので。女性にしては少ないので、不潔に思われてしまいそう」(33歳/ソフトウェア/技術職)

毛髪の薄さや、傷みを気にして間隔をあけているようです。

周囲の視線が気になることから、毎日洗っている人もいるように、洗髪の頻度としては「毎日」という考えが一般的には浸透しているようです。ただ、頭皮の状態や乾燥の度合いに個人差があるのも事実。毎日洗うのがいい、という人も多いと思いますが、ベストな間隔は人それぞれと思っておいてもよさそうです。

毛髪診断士に聞く! 理想の洗髪頻度

生活スタイルや季節によって、シャンプーの頻度はさまざまであることがわかりました。本当はどれくらいのペースで髪を洗うべきなのでしょうか?

髪の毛は毎日洗うべき?

毎日髪を洗うべきかどうかは、まず年齢によってちがいます。皮脂の分泌が盛んな10代から20代にかけては、毎日洗ったほうがいいでしょう。また、日常的に整髪料を使っている場合も毎日洗うべき。さらにずっと外に出ている、または力仕事をしているのなら、髪や頭皮も汚れるので洗うべきです。運動した後も同じですね。そしてやはり夏は毎日洗いましょう。どうしても汗をかくのですから仕方がありません。喫煙者で喫煙ルームにいることがあるという場合も、たばこのにおいだけでなくヤニなどがつくので洗うべきです。いずれの場合も、毛穴に皮脂や汚れが詰まってしまいますよ。

美しい髪質を保つ! 理想の洗髪頻度とは

美しい髪質をキープするための洗髪頻度は、毎日または2日に1回。30代を過ぎるとお肌同様に皮脂量も低下し、頭皮も乾燥しやすくなります。頭皮がベタつきやすい、もしくは日頃から仕事やスポーツなどで汗をかくのであれば毎日洗うべきですが、頭皮が乾燥しやすいのなら2日に1回でも十分。自分の頭皮の状態がわからないときは、顔の肌質で見極めるとよいでしょう。顔と頭皮がつながっているので同じ肌質であることがほとんどなのです。

髪の毛を毎日洗っているのにベタつく原因って?

髪の毛を毎日洗っているのにベタつくと悩んでいる女性も多いかもしれません。どうしてシーズンを問わず、きちんと洗っているのにベタつくのでしょう。

理由1 きちんと頭皮が洗えていない

シャンプーは頭皮を洗うもの。毎日シャンプーしているにも関わらず、9割の女性で頭皮の毛穴に皮脂や角質が詰まっています。きちんとシャンプーしているようでも、頭皮がきちんと洗えていないというわけです。髪の毛は約10万本生えていて、その毛根から皮脂が分泌されています。それだけの毛根から皮脂が分泌されるのですから、きちんと洗髪できていないと、毛根に皮脂も詰まりやすく、ベタつきはもちろんニオイの原因にも。きちんと指を髪の根元に密着してていねいに洗うようにしましょう。ベタつきやすいのなら、週に2、3回はシャンプー前のオイルケアを試してみてください。脂を油で落とすと頭皮に負担をかけずスムーズに落とすことができますよ。頭皮専用オイルやカメリアオイル、アルガンオイルなどの植物オイルを活用してみましょう。

理由2 すすぎが不十分

シャンプーやトリートメント剤のすすぎが不十分だと、成分が頭皮に残りベタつきの原因に。特に、トリートメント剤に含まれるシリコンやカチオン界面活性剤は吸着力があります。そのため、頭皮についたトリートメント剤をきちんと洗い流すことが大切なのです。トリートメント剤は、なるべく頭皮につかないよう、髪の毛だけに塗布するようにするのもポイント。生え際のそそぎ残しにも気を付けてくださいね。

理由3 シャンプー剤が頭皮に合っていない

自分の頭皮に合ってないシャンプー剤を使っていませんか? これもベタつきの原因になるのです。ベタつきやすいオイリー肌の人は、アミノ酸系+洗浄効果が高いベタインやオレフィン系などの洗浄成分がブレンドされたシャンプーがおすすめです。これはアミノ酸系だけだどオイリー肌の人はべたつくためです。逆に頭皮が乾燥しやすい人が洗浄力の強いシャンプー剤を使っている場合も、ベタつきにつながってしまうことが。洗浄力が強いシャンプー剤は汚れ落ちもよく皮脂を取る力も優れています。そのため必要以上に頭皮の皮脂や水分を取り過ぎてしまうのです。頭皮は乾燥すると補うために皮脂分泌を過剰にしてベタついてしまうわけですね。頭皮が乾燥しやすい場合、硫酸系など洗浄力の強いシャンプー剤は控え、アミノ酸系のシャンプー剤がオススメです。

理由4 ドライヤーの乾かし方が不十分

せっかく洗髪をしてもドライヤーの乾かし方が不十分だと、翌日になって頭皮がベタついてしまうことがあります。また、髪が生乾きだと頭皮の常在菌も繁殖しやすくなり、かゆみやニオイの原因にも。部屋干しをした生乾きの服のイヤなニオイと理由は同じ。特にロングヘアだと、髪の表面だけ乾かして頭皮まできちんと乾かせてないことが多いので、髪をかき分けるように頭皮を先に乾かすようにしましょう。

理由5 生活習慣の乱れ

頭皮のベタつきには日々の食事も大きく関係しています。揚げ物や、焼き肉、ファストフードなど、脂の多い食事ばかり摂取していると、体内に脂が蓄積されていきます。この脂を排泄しようと頭皮の皮脂分泌も過剰になりベタつきやすくなるわけです。また、血液の質も悪くなるので、髪にも悪影響を与え、抜け毛の原因にも。頻繁にアルコールを摂取するのも、肝臓の解毒作用が低下して、脂を分解できなくなってしまうので気を付けてください。さらに、ストレスや睡眠不足もベタつきの原因になります。身体を守ろうと男性ホルモンが活性化して、皮脂分泌が過剰になるからです。

髪の毛は自分に合ったペースでていねいに洗おう

齊藤さんの意見にもあったように、シャンプーの頻度は年齢や季節、食生活などによって大きく異なります。顔と頭はつながっているので、乾燥肌の方は洗浄力が比較的弱いもの、オイリー肌の方はしっかり皮脂を落とせるものを選ぶのがいいようですね。みなさんも今回ご紹介したアドバイスを参考に、じっくり自分に合ったシャンプーやコンディショナーを選んでみてくださいね。

(文:齊藤あき、構成:前田ハナ)

※画像はイメージです

※『マイナビウーマン』にて2014年5月にWebアンケート。有効回答数237件(22歳~34歳の働く女性)

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