お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

いい医者・悪い医者を見分ける5つの方法「規模に比べて診療科が多い病院は要注意」

一人暮らしは自由気ままな生活ができる半面、病気になったときは大変です。そんな不安を少しでも解消するためには、「かかりつけ医」を見つけておくのもひとつの手。それでも、どこの病院、どの医師を選べばいいか迷ってしまうのではないでしょうか。

今回は「危ないお医者さん」などの著書がある医師の富家孝(ふけたかし)さんに、その著書も参考にしながら「いい医者・悪い医者を見分ける方法」についてお話をうかがいました。同じ医師の視線から見た、いい病院の見分け方は、きっと役に立つはず。

1.その病院はすいていないか

高齢化社会が急速に進む現代だけに、病院には高齢者を中心に多くの患者がやってきます。とくに大病院は診察を待つ人で待合室がごった返していることも少なくありません。その結果、「3時間待ちの3分診察」が常態化してしまっています。

誰でも長時間待つのは嫌でしょう。そのため、どうしてもすいている病院に行きたがるのはわかります。

しかし、冷静に考えてみると、すいている病院というのは、ひょっとすると患者の評判が悪く、経営状態もよくないためすいているのかもしれません。とくに個人病院で患者が少ないところは、疑ってかかる方がいいでしょう。

もっとも、あまりに混みすぎている病院も、単純にその数で信用していいわけではありません。ひょっとすると何度も通院させるために、わざと薬を少な目に出すなどをしていたり、サクラ患者を雇っていたりするなどして「患者の水増し」をする病院もあるからです。

2.スタッフが少なくないか

いい病院かどうかを判断する最大のポイントは、スタッフの人数です。じつは、日本は現在、医師不足が深刻です。それだけに1人の医師の負担が大きく、いい医療を提供するためには、医師をカバーしてくれる優秀な医療スタッフがどれだけいるかが大きな要素になっています。

悪い病院は経営状態も良くありませんから、コストを下げるために人件費を抑えようとします。当然、看護師などの人数も少なくなりますから、個々が担当する患者さんの数が多いため、まるでコマネズミのように看護師が走り回ることになります。そんな病院は避ける方がいいでしょう。

3.無愛想な対応はしていないか?

意外と気が付きませんが、病院もサービス業です。それだけに、いい病院であれば従業員の教育もキチンとしていて、受付の事務員であっても、気持ちいい対応をしてくれるはずです。それだけに、もし笑顔も見せないような無愛想な対応しかできないような病院は、信用するに値しないと考えていいでしょう。

ただし、気を付けなくてはいけないのは、例えば、待合室が豪華な病院がいいということではない点です。一見するといい病院のように思えるかもしれませんが、それだけの費用がかかっているわけですから、病院の規模に相応しくないようなものを設けても、果たして採算を考えているかどうかわからないからです。

4.医師にコミュニケーション能力があるか?

いい病院か悪い病院かは、かなりの確率で病院に入ったときからわかります。それでも、ひょっとすると医師の腕はいいかもしれないと考えるかもしれません。そういった人のために、いい医師かどうかの見分け方も少し紹介しておきます。

今の医療は診療機器の発達によって、昔のように聴診器で悪いところを見つけるといったような、いわゆる『職人的な腕』は、ほとんど必要なくなっています。それだけに、患者さんからいかに話を聞き出すかというコミュニケーション能力が、より重要になっています。

例えば、診療室に入ったとき、パソコンの画面だけを見て患者を見ようとしなかったり、症状について、患者さんの生活習慣なども含めてできるだけいろいろな情報を得ることをしなかったりする、いわゆるコミュニケーションがキチンとできない医師は、まず「外れ」と考えて間違いないでしょう。

5.規模に比べて診療科が多い病院は要注意

そのほかのポイントで気を付けなくてはいけないのは、大学病院などでもないのに、やたらと診療科が多い病院です。それぞれの科には専門スタッフが必要ですが、それだけの医師もいないのに多くの科を掲げている病院は、とにかく患者さんを集めればいいという考えのところが多いからです。

このように多くの科を掲げている病院では、本当は何が専門なのかを知るにはHPが有効です。今は、小さな病院でもHPを持っていますので、それを見ると診療科の紹介が必ずありますが、得意な分野を最初に持ってくるからです。逆に、最後に申し訳程度に掲げている科は、専門医がいない可能性があります。

最後に、そのHPを見るだけでも、いい病院かどうかがわかります。もちろんインターネットの時代にHPを持たない病院は論外ですが、あっても住所・連絡先・診察時間などを並べているだけの「お仕着せ情報」しか載せていないようなものは駄目です。最低でも医師のプロフィールを載せていないようなら、行くのは止めた方がいいでしょう。

まとめ

一人暮らしに不安を感じていて、どこかいい病院を探しているなら、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。

可能なら、本当の病気になる前に予防接種でもいいので、一度訪ねてみて、どんな病院か雰囲気を知っておいたり、どんな医師かを知っておいたりするのもいいかもしれませんね。

参考文献:医師・ジャーナリスト 富家孝著『危ないお医者さん』ソフトバンク新書

(取材協力:富家孝、文:OFFICE-SANGA 繁原稔弘)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.17)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年06月04日に公開されたものです

SHARE