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子宮と卵巣、そして骨盤。産むために必要なカラダの仕組みって?

◆妊娠をサポートして女性のカラダを守る黄体ホルモン

排卵直前になると、排卵する予定の卵胞は大きさが直径2cm以上にもなっています。卵巣そのものの大きさは直径2cm程度ですから、排卵前の卵胞がいかに大きく成長しているのかわかりますよね。

排卵では卵胞の壁が破れて、卵胞の中から卵子や液体が飛び出します。卵子が飛び出したあと、卵胞は役目を終えます……というわけではありません! 今度は卵胞が黄色い色をした「黄体」という細胞に変化して、黄体ホルモン(別名、プロゲステロン)を分泌しはじめます。

黄体ホルモンは子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすいフカフカのベッドをつくります。黄体ホルモンはカラダの基礎体温を上げて卵子の発育を促進します。そのほかにも、妊娠に備えてカラダに栄養や水分を蓄えて、妊娠の継続をサポートして大活躍します。

そんな「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2つの女性ホルモンですが、これらが正常に分泌されるようコントロールしているのがどこかというと、それは脳です。脳がホルモンの量をチェックして、増え過ぎれば減らし、減り過ぎれば増やすよう、卵巣に指令を出しています。

さらに、卵巣と、脳の一部である脳下垂体には、positive feedbackといって、卵巣から出る卵胞ホルモンが上昇すると、脳下垂体からLH(黄体化ホルモン)というホルモンを分泌させる機能があります。このLHによって、排卵が起こるのです。

脳の視床下部が司令塔になります。ここからGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが脳下垂体に向けて分泌されて、その刺激を受けた脳下垂体が卵巣に向かってFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)という2つのホルモンを分泌していきます。

視床下部がストレスなどで働けなくなると、司令塔の役割を果たせなくなってしまいます。そうなると生理にも異常をきたしてしまいますので、ストレスをため込まない生活を心がけたいですね。

次回は、排卵から妊娠までのステップを見ていきます。

産婦人科医 永田順子先生

こころとからだの元氣プラザ 婦人健診課医長、東京医科大学兼任准教授、専門は婦人科腫瘍。「月経不順や生理痛など気になることがあれば、自己判断でがまんするより、受診してみてください。病気予防はもちろんですが、健康へのアドバイスができればと考えています」。

(取材協力:永田順子、文:小池直穂、イラスト:macco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年06月03日に公開されたものです

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