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【新連載】後輩から突然の告白! 私って意外にモテるのかも?

銀行へ帰る道すがら陽介くんは、
いつもよりボソボソした声でわたしに言った
「ぼく、見た目と性格にギャップがありすぎるんで、
人間関係がしんどいこと多いんですけど……」

ああ、やっぱり。
こちらが見て麗しいと感じても、
見られる方は、そう感じるわけじゃないよね。
こちらがつい期待してしまう分、
見られる方は不本意なサービスを強いられる、
そんな流れになることも多いだろう。

「でも、菜乃子さんはぼくのこと、
ちゃんと見ててくれたみたいだから……」
そう言われると、なおさら胸がズキンと痛む。
案外、陽介くんは孤独感に悩んでいたのかも。

「いや……谷山くんが思うよりずっと、
ちゃんと見ててくれる人は他にもいると思う。
これから長くここで働けば
そういう人ももっと出てくるはずだよ」
「ぼくが気づかないだけですかね」
「うん。特に課長とか支店長とか年いってる人は、
ああ見えて人を見る目、すごく確かだから」

そうして銀行に戻る頃には、
陽介くんは少なくとも外面は、
すっかり元の彼に戻っているように見えた。

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