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【新連載】後輩から突然の告白! 私って意外にモテるのかも?

Story2 ★魔王というよりドM?

だいたいなんで? なんでわたしが好きなの?
転勤した木村先輩みたいに、
超絶美人ならともかく。
年上だし、容姿平凡だし、特に才能もないし。
……わからない。まったく疑問だ。
わたしは「住宅ローンは今がチャンス!」の、
細長いパンフレットを手に呆然とした。

「うん、ありがとう!
でもほら、わたしもう彼氏いるし……」
ひきつっていたとは思うが、一応笑顔を作った。
すると、陽介くんも微笑んだ。
「知ってます」
「じゃあ……なんで?」
うわあ、何これ。もう怖いよ、この状況。

「別に付き合ってくれとか言うんじゃありません。
ただ知って欲しかったんです。気持ちだけでも」
陽介くんは今度は寂しそうに微笑んで、
資料室から、そっと出て行った。

「そんなの困る……」
足元に住宅ローンのパンフレットが、
バサバサと音を立てて散乱する。
それは途方に暮れたわたしが、
手から取り落としたものだ。

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