苦手を克服!スピーチを上達させる9カ条「自分の心が動いたネタを選ぶ」「会場が静まるまで待つ」
大人になると、人前で話す機会が多くなってきます。結婚式でスピーチを頼まれたり、部署移動の際に挨拶をしなくてはいけなかったり……。朝礼での1分間スピーチを取り入れている企業もあります。そんな人前でのスピーチ、できることなら上手にこなしたいですよね。
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そこで、中央話し方教室の代表講師・栗原君枝先生に、上手なスピーチのコツを教わりました。
1:間をうまく活用する
「人前で話をするだけでも怖いのに、話している途中に間ができてしまったら……。焦りますよね。でも、その間を恐れて次から次に言葉を発していくと、だんだん話のスピードが上がってしまいます。早口のスピーチは聞き取りにくいので、むしろ多少の間はあった方が良いスピーチになるでしょう。
言葉と言葉の間にときどき間をはさむと、自分の気持ちも落ち着きます。怖がらずに、間を活用してみてください」
2:しっかり聞いてくれる人を見つける
「大勢に向って話すと思うと緊張しますが、その相手が一人だと思えばどうでしょうか? 少しは気持ちが落ち着きますよね。大勢の前でスピーチをするときでも、誰か一人、熱心に聞いてくれている人を見つけると、心が落ち着きます」
3:自分の心が動いたネタを選ぶ
「スピーチの内容を考えるとき、きっと多くの人が『どんなネタなら、興味を持って聞いくれるだろうか?』と考えると思います。そして、最近話題になっていることや、珍しい出来事についてのネタを選びたくなります。しかし、『そもそも、そのネタに自分は興味を持っているのかどうか』も非常に大切。
聴衆の心に響くのは、『話し手の心が動いたネタ』です」
4:思い切って「言いたいこと」をあきらめる
「原稿を作るときには、まず『言いたいこと』を書き出してみる作業からはじめます。ただし、書き出した『言いたいこと』をすべて盛り込めば良いというわけではありません。大切なのはきちんと取捨選択を行うこと。話す内容はできるだけ簡潔にまとめた方が、良いスピーチになります。
ときには『言いたいこと』を思い切ってあきらめることが重要です」
5:主題は一つに絞るのがベスト
「あれこれ言いたいことがあるとは思いますが、主題は一つに絞るのがベスト。たとえば、部署移動のあいさつで『新しい仕事に対するやる気』をテーマにしたいなら、過去の実績や趣味の話といったテーマから外れた話題は、できるだけ省くようにしましょう。
その方が、聞き手にとってはわかりやすいスピーチとなります」
6:会場が静まるまで待つ
「『サッサとスピーチを終わらせてしまいたい!』という気持ちもわかります。しかし、急いでも良いスピーチにはなりません。スピーチのためにマイクの前に立ったら、まずは会場が静まるまで待ちましょう。聞き手がきちんと聞く姿勢になるまで、しばらく我慢です。
そうすると、話し手にとっても話しやすい環境になります」
7:聴衆を見渡しながら話す
「会話では相手を見て話すことが大切ですよね。これはスピーチの場合も同じこと。ずっと原稿に目を落としたままでは、良いスピーチはできません。そのため、本来は内容をすべて暗記しておくのが理想。しかし、それはなかなか難しいと思いますので、途中でときどき顔をあげて、会場を見渡しながら話すと良いでしょう」
8:自分にしか話せないネタで勝負
「人は、はじめて耳にすることや驚くことを聞くと、その話に興味を持つものです。そのため、スピーチのネタに聴衆が知らないことを盛り込むのも一つの手。特に結婚式のスピーチでは、新郎新婦との懐かしい思い出など、自分だけが知っているエピソードを盛り込むと良いでしょう。
ただし、新郎新婦が話されたくないネタは避けなくてはなりません」
9:聞き手に語りかけて心を引き寄せる
「『聴衆に語りかけるように話す』。これは、上手なスピーチをするためのコツです。そして、結婚式のスピーチなどでは、実際に聞き手に語りかけるのも良い方法。新郎新婦の方を向き、『そんなこともあったよね』と語り掛けると、話し手と聞き手の距離が近づき、温かい印象のスピーチになります」
人前で話すのは怖いですが、一人の大人として成長できるチャンスでもあります。最初はうまくできなくても、きっと回数を重ねるごとに上達していくはず。今回紹介した上手なスピーチの9カ条をぜひ参考にして、スピーチ上手な大人を目指しましょう。
(OFFICE-SANGA 森川ほしの)
※この記事は2015年01月03日に公開されたものです