【医師監修】生理並みの出血があったのに妊娠していたら。考えられる可能性は?

【医師監修】生理並みの出血があったのに妊娠していたら。考えられる可能性は?

妊娠の可能性があるとき、生理が来たら「妊娠しなかったんだな」と判断しますよね。でも、生理並みの出血があったにもかかわらず、実は妊娠していたということは起こりうるのでしょうか。そういった場合、どんな可能性が考えられるのか調べてみました。


妊娠しているのに生理が起こることはあるの?

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そもそも生理(月経)とはなんのために起こるのでしょうか。簡単に言うと「子宮に赤ちゃん(受精卵)が来たとき、受け止めて包み込む子宮内膜(の表面)を周期的に新しいものに交換する」ために起こる出来事です。

この子宮内膜の準備が整ったときに受精卵が子宮に来ないと、古い子宮内膜は子宮からはがれ落ちます。そして、これは酵素の働きで液状の経血となり、腟から排出されます。これが生理です。

このとき、受精卵が子宮に来て子宮内膜にもぐり込むと、子宮内膜ははがれ落ちず、生理は起こりません。ちなみに、受精卵が子宮内膜にもぐり込むことが「着床」で、これをもって妊娠が成立したことになります。つまり、妊娠したら生理は起こりません。

妊娠までの流れをおさらい

本題に入る前に、妊娠に至るまでの流れを少しおさらいしておきましょう。

(1)「生理」が起こる
生理によって、古い子宮内膜の表面が排出されます。生理が終わったら、新しい子宮内膜の準備が始まります。

(2)卵子が卵巣から「排卵」される
(1)で起こった生理の開始日から数えて、2週間後ごろ(生理周期が28日の人の場合)、卵巣の中で待機していた卵子が基本的には1つ排出されます。これが「排卵」です。排卵された卵子は、卵巣から出ると「卵管采」という卵管の先にあるフサフサした形の部位にキャッチされ、卵管へと入っていきます。

(3)卵管で精子と「受精」する
卵管に移動した卵子は、そこで精子と受精して「受精卵」になります。

(4)受精卵が子宮内膜に「着床」する
受精卵は卵管から数日かけて子宮の中へと移動し、子宮内膜に「着床」(子宮内膜の表面にくっつき、もぐり込んでいくこと)します。「着床=妊娠が成立した」ということになります。

生理から受精を経て着床するまでのイメージ(生理周期が28日の人の場合)

生理から受精を経て着床するまでのイメージ(生理周期が28日の人の場合)

妊娠成立の前後に出血を起こす可能性があること

さて、妊娠していれば生理は起こらないはず、とさきほど説明しました。ただ、なかには「“生理並みの出血”があったあとに妊娠した」というケースもあるようです。

結論から言うと、その場合、「生理並みの出血」とはいっても、それは生理ではなく別の原因によって出血していたことが考えられます。そもそも生理の出血量は個人差が大きくひとそれぞれ。また、生理以外の原因で性器から出血することを「不正(性器)出血」と呼びますが、これを起こす原因はさまざまで、出血量もいろいろです。

次項以降で、妊娠成立の前後に出血を起こす可能性がある原因をくわしく見ていきましょう。

妊娠と関係のあるもの

・着床出血
受精卵が子宮に着床することで起こる出血のこと。ただ、「出血」と言っても、普通はピンクや茶色のおりものや少量の血液が下着などに着く程度です。着床出血はない人のほうが多いと言われています。着床出血の場合、子宮のなかで赤ちゃんが順調に育っていることが確認できれば、とくに治療などは必要ありません。

【医師監修】着床出血の具体的な症状とは?量や色、痛み、症状などとQ&A

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妊娠した時に起こることがあるという着床出血。生理や他の出血との見分けはつくのでしょうか。また、着床出血がある場合、ない場合で、何か違いはあるのでしょうか。今回は、着床出血について量などの具体的な症状や原因、特徴についてまとめました。

・異所性妊娠 (子宮外妊娠)
受精卵が子宮内膜以外の場所に着床してしまうことで、この場合でも妊娠検査薬は陽性が出ます。異所性妊娠では、無症状のこともありますが、少量出血する人もいます。この場合、妊娠を継続させることはできず、多くは手術などの治療を受けることになります。

【医師監修】子宮外妊娠(異所性妊娠)の症状はいつから?原因と妊娠の継続について

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妊娠検査薬が陽性になったら、妊娠した!と思いますよね。ただ、そうも言い切れない理由のひとつに「子宮外妊娠(異所性妊娠)」があります。検査薬で陽性が出たら妊娠を確定するために産婦人科を受診することが大切です。ここでは、子宮外妊娠(異所性妊娠)の原因と症状、妊娠の継続について詳しく説明します。

・胞状奇胎
受精卵が着床するとできる絨毛(のちに胎盤になる組織)が、異常に増殖してしまう病気です。精子と卵子の受精の異常で起こるとされています。この場合も出血することがあり、つわりが強くなることもあります。この病気の多くは妊娠の継続が難しく、手術などの治療を受けることになります。

・切迫流産・流産
切迫流産は、流産の危険がある状態のことです。少量の出血と軽い腹痛などが起こります。妊娠したことに気付いていない段階で、切迫流産の症状があったら、それを生理と勘違いすることもあるかもしれません。切迫流産の場合はまだ子宮内で赤ちゃんが生存しているので、そのまま妊娠を継続できることも少なくありません。また、赤ちゃんが亡くなってしまう流産でも出血は起こります。

【医師監修】切迫流産とは | 流産の可能性や違いについて

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無事に元気な赤ちゃんを産みたい!と思うママさんにとって気になる「切迫流産」。流産とは違うというけれど、どう違うのでしょうか。 今回は切迫流産について、流産との違い、症状、原因などを詳しく説明します。

その他の原因

さきほど紹介した妊娠に関係のあるもの以外にも、炎症や性器の傷、腫瘍やホルモン異常などによっても、不正出血は起こります。

その他の原因(例)
・子宮腟部びらん、ポリープ
・性行為で腟などが傷ついた
・子宮頸がんや子宮体がん
・無排卵性月経
・排卵期出血(予想より排卵が遅かった)
・実は女性器以外からの出血だった (尿道炎、膀胱炎、痔など)

【医師監修】不正出血ってどんなもの?生理とは違う出血の原因と対処法

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生理(月経)ではないときに出血が起こると、たとえそれが少量だとしても「たいへんな病気なのでは?」と不安になりますよね。ここでは、考えられる不正出血の原因、不正出血を放置しておくことのリスクや出血が起きたらチェックすること、受診の際の注意点を詳しく解説していきます。

いずれにしても出血や腹痛がひどい場合は受診して

ここまでで説明したとおり、女性は生理以外にもさまざまな原因で出血しますが、出血量が生理の時より多かったり、腹痛がひどかったりする場合は、妊娠の有無にかかわらず、放っておかずに受診してください。

とくに、妊娠検査薬で陽性が出たけれどまだ超音波検査を受けていない時点で、急な腹痛や大量の出血があった場合は異所性妊娠の危険もあります。この場合は緊急の処置が必要となるので、すぐに医療機関を受診してください。

まとめ

生理が予定通り来ないことで妊娠しているのでは?と気付く女性は多いですよね。やはり、基本的に妊娠の直前や直後に「生理」が来ることはありません。ただ、ここで説明したとおり、本当は不正出血だったのに「生理が来てから妊娠した!」と勘違いする人も中にはいるかもしれません。不正出血の原因はさまざまで、着床出血のように問題のないものもあれば、治療が必要なものもあります。とくに出血や腹痛がひどい場合は、放っておかずに必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。

この記事の監修ドクター
窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

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