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【医師監修】茶色いおりものが出た⁉ 4つの原因と対処方法

【医師監修】茶色いおりものが出た⁉ 4つの原因と対処方法

ふとしたときに「おりものの色がいつもと違う?」と気になることがあります。 この記事では、「おりものが普段より茶色い!?」と気づいたときの対処方法をまとめました。一般的に考えられる、おりものの変化のおもな原因とあわせてご紹介します。


この記事の監修ドクター
矢追正幸先生
矢追医院(東京都足立区)院長
獨協医科大学埼玉医療センター産婦人科 非常勤講師
土日も平日と同じ診療が受けられるクリニック(婦人科・皮膚科・美容皮膚科・女性性感染症内科・女性泌尿器科)で、仕事や子育てなどで多忙な女性の美容と健康づくりをサポートしている。
http://www.yaoi.org

おりものの大事な役割

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おりものとは?

おりものとは、腟や子宮、子宮頸管などから出る分泌物のことで、これによって腟はうるおいを保っています。

一般的に、温かくて湿った状態では病原菌などが繁殖しやすい環境になってしまいますが、腟の中には「乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)」という常在菌がいて、病原菌などが嫌う「酸性の環境」を整えるなど自浄作用をはたらかせているので、健やかなうるおいが保てるしくみになっているのです。

また、子宮頸管から分泌されるおりものは月経周期によって変化し、排卵の時期には精子が子宮に到達し、妊娠するのを助ける役割があります。

そして、おりものの分泌は、卵巣のはたらきで分泌される女性ホルモンの影響を大きく受けるものなので、おりものの変化は、卵巣のはたらきなど女性特有の健やかさをチェックするひとつの目安になります。

おりものと体の意外な関係

おりものチェックで注意したいこと

健康なときにも生理的なおりものが見られるので、おりものでの健康チェックは普段と違っているかどうかを見比べることになります。それにはいくつか注意点があるので、気をつけましょう。

・普段の状態を知っておく

異変を「見比べる」ために、日頃からすこし意識をしておきましょう。

・月経周期とあわせて見る

次の項目(健康なときのおりもの)で説明しますが、おりものは月経周期にともなって変化するものです。そうした自然な変化なら、多くの場合は心配せず、経過を見ることができます。

・見た目だけで判断はしない

チェックする場合、下着などについたおりものを見ますが、その量や色だけでは、おりものがどこから出たものか、出血ではなく本当におりものか、病的ではないかがわかりません。

見え方も、照明などの環境、下着の色などで変わるでしょう。普段の状態と明らかに違って不安なときは自分で判断をせず、婦人科を受診して、医師の診察や検査で原因を突き止めましょう。

健康なときのおりもの

おりものの量や質(分泌液の粘度など)には個人差があります。しかし、心身の調子などにとくに変化がなければ、ほとんどの時期は透明〜白っぽい液体で(ただし、下着などについたおりものが乾燥すると黄色みがかって見えることも)、おおよその分泌量は月経周期にともなって次のように変化します。

<月経後>2、3日後から出はじめ、徐々に量が増える。
<排卵期>おりものの量がもっとも多い。おりものの質も変わりやすい時期。排卵日が近くにつれて量が増え、サラサラしてくるが、排卵が起こると粘り気がある状態に変わる。
<月経前>排卵期を過ぎると徐々に量が減り、白く濁ってくる。月経直前にもっとも少なくなる。

また、おりものは妊娠や性的興奮(セックス)などの影響で量が増えることもあります。

おりものの量

「月経前におりものの量が多く、外陰部のかゆみといった不快な症状がある場合は婦人科を受診しましょう。膀胱炎の原因となることもあります。膀胱炎は便秘や下痢がちな人、排泄時に拭くのが後ろから前の人、性行為後などになりやすくなります。」(矢追先生)

気をつけたいおりもの

多くの女性が「おりものの異変」に気がつくのは、おおむね次のような点からのようです。

・下着がぬれる量などからして、普段より非常に量が多い
・普段より濃く、粘り気が強い
・膿のような状態
・カッテージチーズのように白いかたまりの状態
・血液が混じった色、または黄色・緑色を帯びた色をしている
・においが生臭い、酸っぱいなどと感じる
・かゆみやほてり、発しん、ヒリヒリする痛みをともなう
・腹痛や排尿痛、発熱をともなう


ただし、量や質に異変を感じても、「出ているおりもの」だけで原因を判断することは難しいです。おりものの異変がしばらく続いたり、繰り返す場合は、婦人科を受診しましょう。

また、おりものと同時に、かゆみや痛みなど不快な症状がある場合、出血の可能性を思う場合は、すぐに婦人科を受診してください。

「茶色いおりもの」の5つの可能性

ここでは「おりものが茶色くなった!?」と気づいた場合に、可能性がある原因について紹介します。ただし、正確にいえば最初に紹介する「不正性器出血」は、おりものではなく「おりものに見えるもの」です。

一般的には、出ているものを見て異変に気づきます。

しかし、それが出血か、血液が混ざったおりものか、別の原因によるおりものかは病院で診察を受けなければわかりません。ひとりの人に、いくつかの原因が同時にあることも少なくないのです。

いろいろな可能性があることを知って、ふさわしい医療を受けて安心しましょう。

1 不正性器出血

月経以外の性器からの出血は「不正性器出血」と呼ばれます。原因となるのは妊娠、ホルモンバランスの変調、いずれかの性器の炎症、腫瘍(しゅよう)、外傷(病気によるものも含む)、出血しやすくなる病気の影響、服用している薬の影響など多様です。

中には一般的に「着床(ちゃくしょう)出血」と呼ばれる妊娠超初期の出血や、排卵期の一時的な出血など病気ではないものも含まれます。

「茶色いおりもの」は見た目では出血の可能性を否定できないもので、もしも出血していた場合、中には早急に医療が必要なケースもあります。

2 性感染症から起こるおりもの

おりものが茶色く見える原因のひとつに、性感染症も考えられます。

トリコモナス原虫の感染によって起こる腟炎「腟トリコモナス症」は、セックス以外にも下着やタオルの共有や、浴場などで感染することもある感染症です。

一般的には泡状の黄緑色のおりものが確認されることが多いですが、少量の出血が混じり、茶色く見えることもあります。トリコモナス症の感染は、尿路など他の器官・臓器にも広がることもあるので、ただちに治療が必要です。

3 腟の自浄作用低下とともに起こるおりもの

何らかの原因により、腟の自浄作用の低下とともに起こる「細菌性腟症」や「萎縮(いしゅく)性腟炎」、「非特異性腟炎」などは出血を起こす場合があり、そのためにおりものが茶色く見える場合もあります。

腟の炎症は、放っておくと子宮頸管炎や卵管や卵巣の炎症、子宮内膜炎などに進むことがあり、妊娠中の女性の場合は妊娠経過などに影響があることもあります。

「萎縮性腟炎」は、閉経後に起こる病気と考えられがちですが、「非特異性腟炎」とともに体力や抵抗力が低下しているときや、出産後しばらくの間、授乳期など卵巣機能が低下しているときにも起こるので、若い女性も無縁の病気ではありません。

4 良性の婦人科疾患によるもの

良性の腫瘍ができる「子宮筋腫」「子宮頸管ポリープ」など、良性の婦人科疾患でも、出血をともなうおりものが見られることがあります。

5 その他、がんなど悪性腫瘍によるもの

子宮や腟の悪性腫瘍(がん)などによっても、出血をともなうおりものが見られることがあります。

婦人科の診察や検査は、患者さんが安心して生活できるよう、たとえ可能性は低くても、最悪のケースを念頭において進められることが多いです。それは万が一、病気があった場合に早期発見・治療につなげるためです。

「茶色いおりもの」に気づいたときの対処法

月経周期との関係を確認する

おりものは月経周期にともなって変化するので、まず月経との関係を考えます。月経前後には経血が混じり、茶色く見えることがあります。そのタイミングなら、茶色く見えるおりものが続くか様子を見て、続くようなら念のため婦人科に行きましょう。

自己診断より早期受診

月経周期と無関係のようなら、先にも述べたとおり「茶色いおりもの」は出血の可能性も考慮してすぐに受診を。事前に次のことをメモしておき、医師に伝えると、限られた診察時間を有効に使えます。脱ぎ着しやすい服装で、保険証を持って受診しましょう。

・最後の月経の時期
・妊娠の希望や計画
・持病で服用している薬
・普段のおりものと違いに気づいた点
・かかったことがある婦人科疾患(治療期間)
・子宮がん検診受診の時期

医師のアドバイスでセルフケア

受診後は、主治医のアドバイスに従って治療とセルフケアを治るまで続けましょう。また、腟の清潔を保つためのセルフケアや基本的な健康づくりは、性感染症など病気の予防として大切です。治った後も継続して心がけ、健康を保ちましょう。

まとめ

「おりものが普段より茶色い?!」と変化に気づけたのは、日頃から無意識のうちにも健康を心がけて生活している女性だからこそ。その気づきをむだにしないように、セルフケアを大事にし、ぜひ適切な医療を受けましょう!

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:矢追正幸先生)

※画像はイメージです

参考文献
日産婦誌46巻11号 小児思春期、性成熟期、中高年における帯下の変化
日本性感染症学会 診療ガイドライン「帯下」
(一社)日本家族計画協会「おりもの(帯下)」
医学書院刊 標準産科婦人科学 産婦人科診療 帯下
小学館刊「女性の<からだと心>安心医学 ウイメンズ・メディカ」
医学書院刊 「臨床婦人科産科 2018年 4月号増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド?いまのトレンドを逃さずチェック! 」

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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