最近、部下のやる気がない。考えられる原因と上司がとるべきコミュニケーション
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「最近、部下のやる気を感じなくなった」とのお悩みに、ヨダエリさんがアドバイス。
最近、部下のやる気を感じなくなった
以前はしっかり成果も出し信頼もしていた部下のやる気が最近感じられなくなりました。「何かあった?」と聞いても「特にないですよ」と答えるだけで、彼女の心境をなかなかつかめずにいます。仕事もできる部下なので以前のようにバリバリ働いてほしいと思っているのですが、上司の私にできることはあるのでしょうか?
(30代/広報)
フムフムフム……「特にないですよ」と言っているけれど彼女のやる気を失わせてしまっている理由が何かあるんでしょうね。
それを本人が明確に分かっている場合もあれば、分かっていない場合もあると思います。
いずれにせよ、上司のあなたにできること、あります!
まずは、部下のやる気だけでなく実際にパフォーマンスが下がっているか、チームに悪影響を及ぼしているか、などを知る必要があります。そこで、同じチームのメンバーに、最近彼女がどんな様子か聞いてみましょう。
そして、実際に良くない状況だと分かったら、あなたの上司や先輩、同僚などに、「こんな時はどのように対処しているか」を訊ねてみてください。望ましい対処法は会社やチームによって異なることもありますし、彼らに似た経験がある場合、有効な対処法を教えてくれるかもしれません。部下との付き合いがあなたより長い人がいるなら、「以前にも似たケースがあった」などのヒントも得られるかも。
そんな動きをしつつ、部下本人とも話をしてみましょう。「最近仕事のパフォーマンスが落ちているようだけど(or 元気がないけど)、何か考え事があるんじゃない?」と。「特にないです」とまた言われるかもしれませんが、「この仕事の精度が落ちてるね」「最低限のことしかしなくなったよね」などと具体的に伝えれば、部下としてもスルーし続けるのは難しいはず。というか、業務に支障が出ている時点で、部下には答える義務があるのです。
とはいえ、目的は部下を困らせることではなく、味方がいると知ってもらうこと。そのために、「悩みがあるなら何でも話してほしい。一緒に改善策を考えよう」と伝えましょう。
人は問題が実際に解決するかどうか以上に、自分の悩みを聞いてくれる人がいる、解決を目指して一緒に考えてくれる人がいる、と知ることで大いに救われるもの。
原因がチーム内の人間関係や、今の業務に飽きた、目標を見失っている、などの問題であれば、例えば配置換えなどで対処できるかもしれません。
一方で、原因が仕事や職場ではなく、プライベートにある可能性もあります。
「ミスが増えて落ち込んでいるとかではなく、目立ったミスはないけれど覇気がなくなった場合、理由の大半はプライベート」とは中間管理職の友人(40代)の言葉。共通しているのは向上心がなくなることだそう。
友人の職場にも最近明らかに仕事の精度が落ちた部下がいて、どうしたんだろうと思っていたら、「結婚するつもりでいた相手に恋人がいた」ことが分かったそう。
こうなってくると職場で対処できることは限られてくるものの、前述したように、じっくり話を聞いて寄り添うだけでも、部下の支えになります。
本人が話したがらないことをしつこく詮索するのはおすすめしませんが、「何でも聞くからね」と扉を開いておいてくださいね!
Point.
・部下の仕事の精度が実際に落ちているかを知るべく、チームのメンバーにヒアリングしよう
・あなたの先輩や上司には「こういう場合どう対処してきたか」を聞いて参考にしよう
・部下には「悩みがあるなら聞かせてほしい」「一緒に解決法を考えよう」と伝えよう
・原因が職場にあれプライベートにあれ、責めずに寄り添うことが部下の支えになる
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2023年10月24日に公開されたものです