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【最終回】誰がこんなの想像した?? 昭和ラストの犠牲者とそれぞれが導き出した幸せの形

#真夏のシンデレラ考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。真夏の海で運命的に出会った男女の恋愛群青劇を描く同作。学歴も環境も異なる彼らにこの夏、一番の恋の予感!? 8人の男女が真夏の海で織り成す恋愛模様を考察します。

※このコラムは真夏のシンデレラ最終話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

まさかの匠、超重傷エンドとか誰が想像しました?

夏海(森七菜)が車に轢かれそうになったところで終わった前回のラストシーン。昭和の典型演出「交通事故」とあれば、往年の「僕は死にましぇーん!」的な、誰も傷つかない展開か、昭和の定番・記憶喪失の茶番をやってくれるもんだと期待しておりました。

でも現実は全然違いました。想像以上に重すぎる……夏海を庇った匠(松尾楓珠)が怪我を負うことに。顔がかすり傷ひとつなく無傷だったので、軽傷なのかと思いきや、大工の仕事も続けられないほどに、身体に後遺症が残る可能性があるとのこと……。

最後の最後でそんな仕打ちあります……? 何度も言うけど顔そんなに無傷なのに? みんな幸せハッピーエンド! かと思いきや、匠だけ居た堪れなすぎます。

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夏海の責任感の強さが関係を終わらせることに

この事実に大きく責任を感じ、匠を支えていくと決意した夏海は、健人(間宮祥太朗)に別れを告げます。

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あの事故は夏海は悪くない、と言われても、責任を感じる気持ちはとても分かりますし、責任感が人一倍強い夏海なら尚更でしょう。

皐月(山崎紘菜)に「夏海の存在が健人の足を引っ張っている」と言われたことから、健人に連絡できずにいた最中、この事故は二人の関係を終わらせるのに十分な後押しとなってしまいました。

「もう会えない。いい思い出になった」と言いながら、夏海の目には止まらない涙が。

「それが、夏海の本当の気持ち?」と健人に言われると、目を背けてしまう夏海。無理しているのは明白なのですが、夏海を思い、深追いもしない、優しい健人。そして健人との思い出と共に、ガラスのくじらを引き出しの中に封印します。

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皐月お前はなんのために登場したのだ?

皐月は健人から、夏海と別れたことを聞き、動揺します。

「私のせいかも。健人が心配で、夏海ちゃんに余計なこと言っちゃった……」と、まさか別れるとは思っていなかったかのようなリアクション。彼女はその覚悟なしで、わざわざ江ノ島まで乗り込んできたんですか?

健人に申し訳ないことをした、というそぶりですけど、暗に「健人から身をひけ。健人の人生に迷惑をかけている!」という趣旨の発言をしておいて、この結果を予想してなかったのならちょっと短絡的すぎます。

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健人のため、と自分の正義を貫くなら、ヒールになること前提で夏海にしたことは自分だけで抱える覚悟を持ってやるべきですし、それもできないのに健人に謝っていい顔しつつ、夏海を傷つけて……皐月が何をしたいのか、どんなキャラなのかよく分からないまま終わりました。

ドラマ公式HPの相関図にすら、登場後も掲載されなかったので、大きな役割はないのだろうという感じでしたが、謎極まれり。

そして、皐月の暴挙を深追いせず、「皐月のせいじゃない。安心させられなかった俺のせい」で話を終わらせる健人の懐の広さよ。5回くらい出家して悟り開いてなきゃこんなこと言えんよ。

iPhoneを探す機能が実装された男と、生きるゼンリー女

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「この出来事は夏海のせいではないし、夏海に背負ってほしくはない」との匠の気持ちを受けて、夏海は自分の気持ちに正直になろうと決意します。

一方、健人も、「親の望みや価値観に応えようと生きてきた人生が、自分のものではないような気持ちだった。自分の人生を諦めるつもりはないし、その上でしっかり両親の期待に応えていく!」とまっすぐ父に宣言します。

父の許しも得て、晴れて自分で初めて決断をし、自分の人生の第一歩を歩み始めた健人。まさに今日がインデペンデンスデイ!

健人は夏海とよりを戻すべく、連絡を取ろうと思っていたところに、同じ目的で東京に来ていた夏海が健人を見つけ出し、まさかの再会。

以前、夏海がスマホを無くした際に、健人はその事実を知らないはずなのに、夏海のスマホを回収&広い東京で夏海を見つけ出すというミラクルを見せつけ、世界初、iPhoneを探す機能が実装された男っぷりを我々にアピールしてきましたが、なんと夏海にもとんでもない第六感が備わっていたとは……まさに生けるゼンリー。きっと世界中どこにいてもお互いを見つけ出せるでしょう。

二人はお互いの本当の気持ちを確認し、もう自分の気持ちにうそはつかないことを決意します。

幸せな未来が見える二人のラスト

夏海が「健人くんが自分を半径3mの世界から出してくれた」と言っていましたが、これは健人にとっても同様なのでしょう。親の敷いたレール内の狭い世界で生きてきた健人が、その中からでるきっかけをくれたのが夏海なのですから。

大学の志望学部すら諦め、親のレールの通りに生きてきた健人。ラストでは海洋生物について学びたい、と、自分の意思で新たな道に進んでいく描写がありましたね。

夏海の家族も、「夏海におんぶに抱っこではいけない!」と、朝食当番を勝手でたりと、父弟の「おん!」の元気な返事に、将来の幸せの展望が見えました。この調子で二人で幸せな未来を切り開いていけそうですね!

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守はその名の通り守護神だった

愛梨(吉川愛)は無事スタイリスト試験に合格し、守(白濱亜嵐)のアシストで修(萩原利久)との関係を修復。

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「別れたはずなのに、本来の自分に戻れないし、なぜか勝手に涙も出るし……」「(泣いたの? の問いに対し)泣いてない、涙が出ただけ」と人の心を初めて知って困惑するロボットのような発言をする修へ、「それはまだ愛梨ちゃんが好きだからだよ」と修の感情に名前をつけ、今回もナイスアシストをしてくれた守。

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守はその名の通り、愛梨と修の関係の守護神として、なぜかその後も3人で遊びに行くことが定着しているよう。もう、修が体で守が恋愛ブレーンとして存在する、二人で一人の人間なのかもしれない。イケメン2人を従えて生きていけるなんて、この上ない幸せ。愛梨達もお幸せに。

相思相愛ながら結ばれなかった二人

©フジテレビ

恋愛暴走系医師・宗佑(水上恒司)は突如九州への転勤を言い渡されます。それをきっかけに理沙(仁村紗和)へ「結婚しよう」と、プロポーズ。

付き合ってもおらず、デリケートに進めたい子どもとの関係もまだしっかり築けていない中で、いろいろすっ飛ばしてプロポーズしてしまうのが、真っ直ぐすぎて視聴者の度肝を抜く宗佑らしい行動です。

理沙は独り身だったら迷わずついて行ったんでしょうね。そこは母として、子どもの幸せを第一に考える選択をしました。

そんな中、最後に言っていた「同じ地球に住んでいる」という理沙の言葉は、二人のいる世界が江ノ島という括りではなくなっても、これから同じ地球にいる限りいつでも会えますし、どこかのタイミングで二人の人生が交わることがあるのかもしれないと、相思相愛でありながら、結ばれなかった理沙と宗佑の未来に期待を抱かせてくれる一言でした。

©フジテレビ

いろんなトンチキで笑いもありつつ、最後はたくさんの幸せを届けてくれたこのドラマ。

匠だけが気がかりですが、「この足の状態では、大工の仕事は難しい“かもしれない“」と断定ではなかったので、奇跡的な回復があることを祈りましょう。どうか全員幸せで!

3ヶ月間、考察連載にもお付き合いいただきありがとうございました! また別のドラマで!

©フジテレビ

(やまとなでし子)

※この記事は2023年09月25日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
Instagram:yamatonadeshi5
ブログ:男性見聞録

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